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プロは無駄なテストをしないDRMにおけるクリエイティブ・テストの落し穴

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
岡野 恵一
series
DRM Newsletter No.5
date
2002年6月 1日
themes
その他

ビジネスの精度を高めるためのテスト
「この世の中は、やってみなければ分からないことばかりで出来ている」と言ったのは、文芸評論の神様・小林秀雄だが、われわれDRMの場合は特にそうだと言える。どのように精緻に組み立てられたマーケティング戦略でも、現実のマーケットの中で実施し、消費者の反応をみてみなければ、その戦略の当否は図れない。ターゲットが期待通りにレスポンスしてくるかどうかは、現実にコミュニケーションを取ってはじめて検証される。仮説・検証の積み重ねと、数字という具体的な計測指標に基づく科学的かつ実証的なマーケティングを身上とするDRMにおいては、この"実際に試してみる"こと、つまり「テスト」は、コミュニケーションのみならずビジネスの精度を高めるための重要な方法論として位置付けられている。

「今でも、ダイレクトマーケターが使えるもっとも重要な武器は、テストする能力であると信じている。テストは実際的な調査形式である。これによって、消費者が広告にどのような反応を示す可能性があるかのみならず、実際にどのような反応をするかが明らかになる。」(レスター・ワンダーマン『「売る広告」への挑戦』)

安易にテストに頼ってはならない
レスター・ワンダーマンの言葉にもあるように、テストは「重要な武器」である。しかし、この武器は、何でも解決してくれるリーサル・ウェポンでは決してない。われわれは、マーケティング戦略を考えていく過程において、さまざまな選択に迫られる。コアターゲットは20代後半の女性なのか30代の男性なのか。売れ筋になる商品はAかBか。広告メディアは新聞主体にすべきか、それとも雑誌その他セグメントメディアでピンポイントに攻めるべきか。クリエイティブとして、よりレスポンスが獲るメッセージ、コンテンツはどれか。・・・・・判断が難しく、決め手を欠く場合、つい「テストしてみましょう」と言いたくなる。そしてテストにより、実際にある一定の結論、方向性の検証は可能なわけだ。

しかし、この時代、マーケティング・コストをふんだんに持っているという企業は存在しないし、そもそもコストの無駄遣いが許されるはずもない。もちろん、テストの目的が「一か八か、この方向で広告を打ちましょう」などといったリスクを回避することにあるのは言うまでもない。しかし、テスト自体がまたコストを要することを考えれば、やはり軽々しくテストの提案はできないはずだ。

テストによって全てが明らかになるわけではない
DRMにおいては、最適コミュニケーションの発見とコスト配分の最適化の追求のために、弛まぬテストの繰り返しこそが言わば"常態"と考えられるが、テストによって全てが明らかになるとは限らないということも一方で覚悟しておかなければならない。例えば、最近、市場を拡大しているダイレクト販売の医療保険やガン保険(狙っていくターゲットは、40代〜50代の働き盛りの男性・女性)の広告クリエイティブのスプリットラン・テスト※について考えてみよう。

まず、一回のテストで検証する要素はひとつに絞らなければならない。コンセプト、ヘッドライン、メインビジュアル、説得コピー等の要素を複数、同時に測ることはできないからだ。また、スプリットラン・テストの基本は、あくまでコントロール(基準)クリエイティブがあっての比較検証であり、既に一定の成果の保証されているヘッドライン『この価格でここまで保障...』(=価格ベネフィット訴求)をコントロールとすると、『あなたが入院すると、家族の生活は...』(=不安訴求)とのテストという構造となる。

しかしながら、実際の広告に対する消費者の反応というものは、その時々、個々個別なニーズから広告接触状況にいたるまで、様々な要因が絡み合い、集積化し、相殺し合った結果である。当然、掲載した媒体のスペース(場所)や、タイミングにより、大きな影響を受けることもある。たまたま掲載した日に、社会的に耳目をあつめるような出来事、例えば "過労死が急増している"という話題が大きく取り上げられたことにより、レスポンスが跳ね上がるいうことも起こり得る。さらにまた、同じクリエイティブでも、地域特性(関西圏と関東圏の気質、経済観念や価値観)の違いにより反応が異なってきたりする。つまり、一回のスプリットラン・テストだけで何かを判断することは、実はかなり難しいのだ。まして、安易に実行したテストの結果であればなおさらである。

※スプリットラン・テスト:
新聞や雑誌の広告の表現効果を測定するための一手法。
表現内容が一部異なる2種類の広告(クリエイティブ)を、同一発行日付(号)の新聞、雑誌に、印刷輪転機の操作で分割掲載し、後に具体的なレスポンス結果や、その2つの広告の注目率、イメージ、評価、意見などの比較調査から、2つの広告の表現効果を相対的にとらえようとすること。

事前に徹底的に考え抜き、無駄なテストをしないのがプロ!
実際のマーケットにぶつけてみないと分からないからテストする、というのは、DRMの原理原則から言って正しい。クリエイティブの精錬化のために、スプリットラン・テストはたしかに有効であるし、他に方法はないとすら言える。逆に言えば、コストと時間さえ気にしなければ、DRMは誰にでもできると言えるのかも知れない。しかし、一方において、DRMの競争力の源泉はスピードとフレキシビリティにあるとも言われている。無駄なテストは、コストだけでなく時間を浪費するという点で致命的だ。

他方、われわれDRMのプロフェッショナルが誇るスキルとは、いかに無駄なテストをせず、短期間・低コストで「真実」に近づくか、であり、これを可能とさせるのは、長年にわたる様々な業務、様々な施策におけるオペレーションの経験、そこから得た知見の集積、それらから導きだされるインサイト(洞察力)に他ならない。

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