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デフレで変わるモノの売り方とコミュニケーション

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.3
date
2003年6月 5日
themes
CRM

デフレがもたらす原点回帰

 デフレが明確になる少し前、"価格破壊"がもてはやされ、消費者は「いかに安いか」という単純な購入判断基準で行動しはじめた。そしてデフレ時代がやってきた。価格破壊の一巡と長期化したデフレによって、モノの価格は下げられる限界まで安くなり、マクドナルドの低価格路線からの転換に代表されるように随所で破綻も見えてきた。
 となると、企業は古くて新しいテーマである"高付加価値型商品"を売ることで活路を見出そうとする。価格破壊はモノの仕入れや価格政策などにノウハウを要するが、消費者コミュニケーションは至って簡単だ。"安い"という価格訴求に徹するだけでよかった。しかし、高付加価値型商品を売るには、そもそも何がその商品の価値であるのかを消費者に知らしめなければならない。とすれば、自ずとそのコミュニケーションの方法も全く異なる。今日、その点を各企業はきちんと認識し、実践しているのであろうか。
 さらに"安さ"という武器による単純なアプローチに慣れてしまうと、それ以前にさかんに行われていた、手を変え品を変え工夫していた多様な販促施策、キャンペーンなどの努力を怠ってしまう傾向がある。もはやこれ以上価格は下げられないデフレ環境下では、自社の差別化と販売施策の武器として、もう一度キャンペーンの本質についても見直してみる必要があるのではないだろうか。

価値判断情報を提供する
 モノを買うには商品知識が必要だ。例えば1本2,800円と表示されている赤ワイン。価格からすればそれなりにいいものだろう。しかし、知識がなければまったくその価値判断ができない。一方、その横に置いてある"特価1,300円"のワインはその価格なりの味しかしないのか、本当に営業努力で特価にしてある美味しいワインなのかもわからない。酒販店によってはソムリエの資格を持った店員を配したり、最低でもPOPにそのワインの産地、畑や葡萄の種類、ワイナリーについてやその年のワインの出来などを明記し情報を供給している。つまり、ワインは"要説明型商品"であり、マニアではない一般の消費者は商品及びその背景情報を提供しなければ、購入の判断がしがたい商品であると言うことができる。つまり、その情報提供の巧拙が売れ行きに直結するのだ。であれば、そこにはいくら工夫をしても過剰ということはないだろう。しかし残念ながら、店員の対応やPOPなどが充実している酒販店は、まだあまり多く見かけないのが現実だ。
 例示したワインに限らず、例えば旅行なども単純なディスカウントチケットでは差別化もできず、利益も出せないため"こだわりの旅行"などを売ろうとしている。それはやはり高付加価値型商品であり、その価値訴求が十分できなければ売れない商品だ。どのようなこだわりで作られて、どのような体験ができるのかということを伝えることこそが命といえるだろう。
 「自社の商品の価値を正しく伝える努力」。これはまさに商売の基本中の基本である。今、その基本ではあるが、難しいテーマが生き残りのキーワードとなっているといっても過言ではない。

手を上げさせることの重要性
 デフレ環境下では住宅、車などの高額商品もその影響が深刻だ。例えば車は低価格でコストパフォーマンスに優れた小型車人気が一時期顕著で、高年齢層の高級車からの意外なシフトがデフレを反映したかのようにも見えた。しかし、その人気も一巡し、PULL型販売ができていた時期はもう過ぎ去った。やはり今日、より高付加価値な車種を積極的なアプローチで販売することが必要になってきている。
 車の場合の価値訴求は単純にスペックを訴求するだけでなく、開発ストーリーや著名人・レーサーの推奨など様々な切り口を用いる。しかし、それだけでは結局はその訴求に反応した消費者を店頭で待つか、営業力のある販売店であれば戸別訪問などをしてセールスするかという従来の方法にしかならない。
 ではどうすればいいのか。そこで、やはり古くて新しい施策、"キャンペーン"だ。企業からの様々な価値訴求のメッセージに対して、受け手は大きく二種類に分類できる。一つは購入を検討するタイミングにあり、そのメッセージが響いた層。つまり購入する可能性がある層である。もう一つはメッセージが響かなかったか、もとより購入のタイミングになかった層。この層はどんなにアプローチを重ねても当面は無駄になる。効率よく, 何とか直近で顧客化することを目指すのなら、大切なのは前者を抽出して確実にフォローし、クロージングすることである。一見当たり前なことではあるが、これが一番重要なのだ。そしてそのために必要なのは、「購入を検討するタイミングにあり、そのメッセージが響いた層」にさらに「自ら手を上げさせる」きっかけを与えるキャンペーンであり、それを伝える「レスポンスを獲得するための告知」である。
 車のキャンペーンは過去、様々なプレミアムやカタログ類、購入資金クーポンなどをオファーとして展開されてきた。今日、またそれを強化し展開していくことが必要となってくるであろう。逆に、同じ高額商品でも車と違って今まであまり展開されてこなかった住宅などは、新たに検討し試行することも必要なのではないだろうか。「見込み客を発見するためのキャンペーンとそのフォロー」と言ってしまえば当たり前すぎるが、それを確実に実行することこそ、今まさに必要なことなのではないだろうか。

変わった消費者・変われるか?企業
 デフレは確実に消費者を変えたといえるだろう。つまり「安くて当たり前」という感覚を身につけた。しかも一昔前の「安かろう悪かろう」は許されない。"安くて良いこと"が前提だ。そしてデフレ下で収入面に不安を抱え安いものを選択しつつも、自分の気に入った高級品には金を出す傾向は継続している。バブル期、デフレ前、そして現在、約15年という時間の流れの中で消費者はずいぶんと変わったと言えよう。それに対して企業は変わることができているのだろうか。安さだけではない価値を訴え、それに反応した消費者を取り込んでいく。変化した消費者への対応は、奇策ではなくむしろ今回のように基本的な部分の見直しを図り、生き残りを模索していくことが大事なのかもしれない。

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