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Less is more, more is less:ダイレクトマーケティングの本質を再考する

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.4
date
2003年7月 3日
themes
その他

ダイレクトマーケティングブーム再来
 昨今この不景気に後押しされてか、「目に見えた効果を期待する」として、にわかにダイレクトマーケティング手法が幅広く取り入れられるようになってきた。当社への引き合いも、ありがたいことに急増している。
 しかし、巷で実行されている「ダイレクトマーケティング的展開」の中にはその本質が理解されておらず、形だけを似せて展開しているものも少なくない。

ダイレクトマーケティングの本質とは
 ダイレクトマーケティングはある種の「削ぎ落とし」もしくは「選択の妙」であると言えるだろう。不特定多数ではなくターゲットを絞り込む。アプローチに最適な手段とタイミングを選択する。そうした極めて基本的な動作からもその思想が伝わるはずだ。
 本質論を語るには、ダイレクトマーケティングの開祖であり、当社の創始者であるレスター・ワンダーマンの言葉を引用したいところであるが、いつもそれではいささか手前味噌になってしまうので、今回は全く違う人物の言葉を引用したい。それが今回の標題「Less is more, more is less」である。
 これは有名な「バルセロナ・チェア」の制作者でもある、ドイツ生まれの建築家、ミース・ファン・デル・ローエ[Mies van der Rohe](1886〜1969)の言葉だ。ミースはモダニズム建築、いわゆる古典的な様式の発展ではなく、鉄・コンクリート・ガラスからなる新しい合理的・普遍的な国際様式を広めたことで知られている。そして、「Less is more, more is less(少ないことは、より豊かなこと。多過ぎることは、実質が少なくなることである)」と述べた。
 建築家とダイレクトマーケティング、まるで分野は違うが、彼の言葉はダイレクトマーケティングの本質とも共通していると言えるだろう。

ダイレクトマーケティングにおけるLess is more, more is lessとは?
 平たく言えば「過ぎたるは及ばざるが如し」であろうか。ダイレクトマーケティングにはこれが最も禁物である。例えば、ダイレクトレスポンス・アドの制作にありがちな展開をみてみよう。
 ターゲットは決まった。要素も固まった。さて、レスポンスが命、「行動を起こさせる広告」なのだから、とにかくターゲットの目に届けさせ、読ませ、納得させ、レスポンス行動を起こさせねばならないと考える。百戦練磨のセールスマンでさえ、ドアを開いて話を聞いてもらうには、やはり苦労するというのにである。そして、「だからとにかく目立たせたい、だからビジュアルにも力を入れたい/だけど言いたいことは多い/電話、FAX、URL、はがきとレスポンス方法もなるべく多く用意したい/オファーの写真はなるべく大きく/特長、スペックもできるだけ‥‥‥」といったこととなる。
 一つ一つ言っていることは間違っていない。だがこれは無理だ。これではかえって目立たないし何が言いたいのかわからない、広告として成り立たないものとなってしまう。「全部目立たせようとしたら全部目立たなくなった」というのはよくある話、つまり「More is less」である。 ターゲットは忙しい。目的は他にあって、広告は目の端で見ているにすぎない。その広告を積極的に探していたわけでもない。たとえ万が一、興味を持っていたとしても、自分にメリットがあると瞬時に判断できるものでないと、行動は起こしてくれない。ではどうすればいいのか。答えはいたって単純である。「メッセージはシンプルに」。「Less is more」だ。
 間違ってはいけないのはキャッチを極端な短いものにしたり、必要な要素やスペックを無理して削ぎ落とせというのではない。「広告自体」の「メッセージはシンプルに」なのだ。広告メッセージのベクトルを単一方向に強くする、ということである。
 そうした考えの元に各要素のプライオリティ(優先順序)を考え、整理し、そして各要素自体の与えられた役割の中でメッセージ方向を阻害しない、むしろ積極的に関与していくように加工すれば良い。
 例えば資料請求促進広告の電話番号の脇には、安易に多用される「今すぐ電話」より、「1日で届く」をあしらう方がその時の広告メッセージのベクトルに合っているかもしれない。1つ1つの要素にこういった検証を行って全体を組み上げていけば、必ずや効果的なダイレクトレスポンス・アドとなるのだ。

コミュニケーション設計にありがちな「More is less」
 上記のような表現レベルだけでなく、コミュニケーションの設計においても昨今「More is less」となりがちだ。データベースやいわゆるCRMのソリューション、1to1エンジンの発達、E-mailや携帯メールの普及によって、企業はターゲットや顧客と極めて細かいレベルで、かつ多頻度なコミュニケーションを実現できるようになってきている。
 しかし、環境と技術が可能にしたとしても、そのコミュニケーションが本当に顧客に喜ばれるものなのかを考えなくては、顧客にとって「ありがた迷惑」でロイヤリティー低下の原因にもなりかねない。「More is less」である。
 レスター・ワンダーマンも「顧客にリレーションシップを押し付けるのではなく、自分にぴったりだという適切性(Relevance)を感じさせよ」と説いている。つまり、その顧客にとって本当に必要な、受け入れられるコミュニケーションに絞り込んで実行することこそが重要なのだ。技術的にタイムリーでパーソナライズされたアプローチが、年間100回可能だったとしても、恐らく顧客は望むまい。それよりも誕生日と、その顧客にとって何か欠かすことの出来ない日の年に2回のコミュニケーションの方が遥かにロイヤリティーを高められるだろう。できることと、受け入れられることの見極め、特に技術先行にならないように「Less is more」の視点は重要だ。

本質は「顧客視点」
 やはり最後はレスター・ワンダーマンの言葉で締めくくろう。「The Consumer, not the Product must be the hero(主人公は製品ではなく顧客である)」。
 つまり、常に顧客視点を忘れずにいれば、ダイレクトマーケティングの本質を見誤ることもない。しかし、成果をあせるあまり、形だけを模倣しても逆に成果は上がらないだろう。あまり精神論を展開するつもりはないが、効果的なダイレクトマーケティングを実行するには、その基本思想の理解が重要であることを最後に強調させて頂きたい。

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