blogの普及から考える、支持されるWebサイトの条件 TIPS★TIPS No.10
- 劉 かえ
- 2004/01/15
[TIPS★TIPS]
近頃人気のblogとは?
米国では数年前から流行しているblog(ブログ)。日本でも最近凄まじい勢いで普及してきている。blogとはWeblog(ウェブ ログ)の略語であり、一言でいえば、ある特定の分野や話題について自分の考えなどをテキスト形式のコメントや画像で発表するWebサイトのことである。「なんだ、個人ホームページみたいなものか」と思われるかもしれないが、決定的な違いは、その制作・更新の過程にある。いわゆる一般のホームページは、メインのコンテンツ群を決め、サイトのほとんどのコンテンツを一定の期間内に作り上げアップする。それに対し、blogは開始当初はほとんどゼロに近い状態からスタートし、継続的かつ頻繁にコンテンツが書き加えられていく点である。それはMovable Type などのツールを使用し、極めて簡単にアップロードできるという特徴があるからだ。
日本では前述のとおり、個人サイト、特に日記サイトと混同されがちだが、敢えていえば、blogはより不特定多数の人へ公開性が高く、意見を「発信」するといった意味合いが濃い。有名な専門家や経営者、記者等が個人の意見発表の場としてblogを公開している例もあれば、無名に近い一般の方が実体験を通してある特定の分野(投資や育児、社会批評等)に対して鋭いコメントを発表し、著名人顔負けのアクセスを弾き出しているblogもある。また、トラックバックという、簡単にいえばblogユーザー(blogger:ブロガーという)同士の相互リンク機能によってそのコミュニケーションの輪がさらに拡大するという点も見逃せない。
ナゼblogがこんなに普及するのか?
では、なぜblogがこれだけ普及してきたのだろうか。普及するということは、blogにアクセスするユーザーがおり、多くの支持を得ているからだと考えられる。ではなぜ、blogは多くのユーザーの支持を得ているのか。
この観点でblog人気を解明してみよう。
<blogサイトにアクセスする理由>
- アクセスするたびに新鮮な情報を得ることができるほとんどのblogは、従来のWebサイトにありがちなトップページの意味のない抽象的なビジュアルに煩わされることなく、ダイレクトに最新のコラムや画像を見ることができる。インターネットユーザーがある特定のサイトを気に入り、何度も訪れる理由、それは訪れるたびに新しい情報を獲得できるからに他ならない。それに対してblogはトップページに多くの情報を配置することにより、アクセスしてくる人に手軽さと満足感を与えることができるのだ。
- 「時系列」という法則のわかりやすさ初めて訪れたblogでも、テーマ別に「時系列」整理されているというわかりやすさによって、訳の分からないタイトルや不完全なサイト導線に惑わされることなく、すんなりとコンテンツを楽しむことができる。共感できるblogであれば、時系列に蓄積された大量のページを過去に遡って読み進むこともでき、blogger自身の思想の変化を感じ、時の流れと照らし合わせながら読むといった醍醐味も生まれる。また、フィーリングの合うbloggerが推奨する他サイトへのリンクやトラックバックならば、自然と辿ってみたくもなる。
- シンプルなレイアウトと、開かれたリンクのわかりやすさ一般的なblogのレイアウトは左右の両方、またはどちらかに関連ページ、または時系列で更新されたページへのリンクが整然と並べられている。これによりメインのコンテンツ(文章)を読み終えた直後に、手軽にリンクを辿ってblog内を回遊することができ、いちいちトップページに戻ってサイト内の構造に沿って見たいページを探す必要がない。そもそもトップページという概念を取っ払い、いきなりすべてが第2階層といってもいい構造だ。また、blog内を回遊しても前項で述べたとおり、時系列に整理されているため迷うこともない。
- 検索エンジンに引っかかりやすく、アクセスしやすいよほど凝ったblogでないかぎり、ほとんどのblogはテキストベースで構成されている。ある特定の分野や話題について調べているユーザーにとって検索エンジンに引っかかりやすく、さらに特定の内容について深堀りしていくには最適な構成といえる。
その他にもいろいろ細かい理由があげられるのだが、集約すると上記4点がblogが多くのアクセスを獲得している理由といえよう。
blogから学ぶWebサイト制作
以上のように大変優れた特徴を持つblogであるが、一部の先進的な企業はビジネスサイトで効果的な活用を行っている。先に述べた優れた特徴と、更新が容易なことによる費用低減、情報鮮度の確保などの魅力は大きい。しかし、一般の企業での活用例はまだまだ少ない。その理由の一つには、やはりMovable Type などのツールを使用することによって、共通化したインターフェースがユーザビリティーを高めている反面、個人blogとも大きな差異化が出来なくなることを嫌ってのことでもあろう。
しかし、blogを導入しないまでも、blogの持つ優位点を現在のサイトを改訂する際に参考にしない手はない。自社サイト活性化のための、blogに学ぶポイントを以下に列挙しよう。
- サイトの更新は頻繁に。極論をいえば、最も新しいコンテンツはトップページそのものに配置するのが望ましい。もはやトップページビジュアルに悩んでいる場合ではない。いかに鮮度のよいサイトであるかをアピールすることが重要であり、凝ったビジュアルを用いるまでもなく、テキストだけでも十分なのだ。
- サイト内のリンクは平易に、手軽に。ユーザーがポンポンとサイト内を渡り歩く閲覧してくれるような構造を作ること。リピートアクセスを喚起できるかどうかは、いかにサイト内のコンテンツを知ってもらい、「面白い」と感じてもらうかである。
- レイアウトはシンプルにわかりやすく。特定の分野を除いて、芸術的で奇抜なデザインである必要は全くない。一般的に面白く人気にあるサイトのほとんどは、実はとてもシンプルでわかりやすいデザインであることを忘れないことだ。
- テキストベースでサーチエンジン対策。もはやスタンダードになりつつある、SEO。サーチエンジンに引っかかりやすくなればアクセスも増える。アクセスが増えればページランクが上がって、さらにサーチエンジンに引っかかりやすくなるという好循環が生まれる。内容さえ魅力的であれば、テキストだけでも十分人気サイトになるのである。
以上、少々極論に走っている感もあるが、ともかくblogに学び一度基本に立ち戻ってみることをお勧めしたい。
