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ミッション・ステートメントで乗り切ろう!「日経NET BizPlus」 連載

category
公開論文
writer
金森 努
series
IT&マーケティングEYE 第21回
date
2004年3月25日
themes
CRM

ミッション・ステートメントで乗り切れるのか?
以前、当社のニューズレターから「ミッション・ステートメントで苦境を乗り切れ!」 という記事をこのBizPlusに転載していただいた。「ミッション・ステートメントとは全社・全従業員が心を合わせて課題解決に望むためのツールであり、企業としての存在理由を明確に認識し、その実現のために自ら何をなすべきかを常に意識させるためのもの。企業の目的を個々の従業員が納得・共感し、自己の目的意識として共有できた時、その社員にとっての仕事は単なる"労働"ではなく、自己実現となり、大きなパワーを発揮する」という主旨である。

最近そのバックナンバーを読まれた方から、こんなお話をうかがった。「記事の勧めに従ってミッション・ステートメントを作り直した。"顧客視点を取り入れるべし"とあったので、以前から寄せられていたお客さまからのご意見も見直して参考にしたつもりだ。しかし、どうもうまく社内に浸透しない」と。

そのステートメントを拝見した。確かにうまく表現されたステートメントだった。しかし、それでは浸透させることはできない、大きな問題点が存在していたのだ。

浸透させるために:その1・構造化しよう!
筆者の家の前の道路に交通標識が立っている。「ここから制限速度30キロ」「一方通行入口」「一時停止」「通学路7:30〜9:30」「駐車禁止」。これらが一カ所に掲示されているのだ。普段見慣れてしまっているし、自分で車を運転していてもよく見かける光景なので特に驚きはしないが、走っている車から一目で見て従うべき指示としては明らかに数が多すぎだ。

先に拝見したステートメントも同様の問題点を抱えていた。確かに新たに作られたステートメントはよくできていた。しかし、それ以前に作られた「社訓」「社是」や「行動規範」「運営指針」、また「活動方針」や「管理規定」、はたまた「努力目標」などのさまざまな文言も同時に存在していたのだ。言葉遣いなどからすると、「社訓」「社是」などはかなり以前に作られたもののようだ 。また、作った人物も一人や二人ではない。つまり、創業者や中興の祖、その他時代時代のトップが作ったものや、必要に応じて時々で制定されたものが地層のごとく積み重なって同時に存在している状況だ。そこに新たに「ミッション・ステートメント」というものが加えられてしまったのだ。

もうおわかりの通り、これでは先の同時に多数示される交通標識のようなもので、一度に理解はできない。また、どれが一番大切なのか、どのようなときに従うべきものなのかなどもわかりにくい。つまり、問題は重要性や概念としての上下関係での"プライオリティー付け"と"構造化"ができていないことだ。また、歴代トップの発言などはなかなかお蔵入りさせにくいものではあるが、しかし、それらがずっと同じレベルで大切にされていることも問題だ。一つ加えたら一つ削るというような、シンプルにするための取捨選択も必要なのだ。

浸透させるために:その2・伝達方法も工夫しよう!
さて、前述の構造化や取捨選択がうまくできたら、全社にスムーズに浸透するものなのだろうか。残念ながら答えは否である。問題は「伝え方」だ。

ありがちなステートメントの社員へ伝え方は、「事務所の壁に額装して掲示する」「カードサイズに印刷して常に定期入れに収納し携行させる」「朝礼などで唱和させる」などだろう。しかし、それらの方法だと「単なる事務所の風景に溶け込み誰も意識してない」「定期券の更新の時にたまに気づくぐらいで普段は忘れている」「単なるお経になってしまい、本来の意味が意識されてない」という無意味な状況が発生しがちである。

ポイントは2つだ。"いかに導入するか"と"いかに意識し続けさせるか"である。導入に関しては、ステートメントを制定した経緯や現在の社の状況、市場環境と顧客との関係性などのステートメントに至る"文脈"や、ステートメントに隠された"行間"を理解させることが重要だ。単なる印刷物を渡されたり、義務的に唱和させられても、その意味が理解されていなければ全く無意味なのだ。そして、意識させ続けるためには、常に実際の業務の中の合間合間で触れさせ、実感させることが必要だ。具体的には前述のめったに取り出さないカードではなく、例えば、よくある形態ではなるが、利用頻度の高い業務用の手帳などに掲載されているのもいい。もしくは、企業内イントラのポータル(ナレッジ・ポータル)で触れさせるのもよいだろう。つまり、導入過程において、その意味と意義を理解させたら、あとは接触頻度が高くなり、刷り込まれていくようになる工夫が必要なのだ。

やっぱり「ミッション・ステートメントで乗り切ろう!」
繰り返しになるが、よく作られたミッション・ステートメントには大きな力がある。トップから現場の担当者までがさまざまな局面においてより所とし、難局を乗り切る判断や行動を取る源となるものである。しかし、それだけに何となく作って、何となく社員に配ればよいというものではない。その制作過程において自社を見直し、より強い意志を込めて作らなければならない。そして、その浸透のためには、社員一人ひとりに対面で語りかける以上の熱意と体力が必要となるのだ。それらがなければ、前述のような単に地層のように積み重なった、意味のない文言が社内にまた一つ増えるだけになってしまうのである。

景気はようやく回復基調に乗った。しかし、以前のような右肩上がりの成長は見込めないだろうといわれている。まだまだ、トップから現場までがおのおののレベルで知恵を絞り、生き残りを考えていかなくてはならない。そのためにも、やはり皆が立ち戻れる場所としてのミッション・ステートメントを再度検討してみていただきたい。

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