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続・新カスタマーインサイト

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.13
date
2004年4月 1日
themes
顧客インサイト

先々月のニューズレターで「新・カスタマーインサイト」と題し、昨今の生活者の消費心理を取り上げた。生活者にとって消費そのものがより明確に「目的化」しているという実態。そして、その対応のためには、より高付加価値な説明・説得型の販売による囲い込みと、新たな消費を提案し取り込んでいくことがポイントであると述べさせていただいたわけだ。

生活者の心理に関する内容であったためご関心をお持ちいただいたのか、読者ご自身の消費に対する考え方など、多くの反響をいただいた。一方、流通業関連の方からは具体的な展開手法に関するご質問もいただいた。そこで今回は、その具体的なポイントをより掘り下げてみたい。

"消費の目的化"の背景にある負の側面
具体的な展開をご説明する前に、そもそもの前提である"消費の目的化"の背景をもう少し考えてみよう。前回、目的化された消費の例として、"100 円ショップの常連でありながら、ワインショップで1本1万円近いヴィンテージを買う。通信販売のセール商品の衣類をいつも着ていながら、夏のリゾートで 100万円のツアー料金を払う。ワンルームに住みながらBMWに乗る。"などの例を挙げ、それらは"あくまで見栄のためではない、その絞り込んだ消費、一点豪華を自分のスタイルの実現・自己表現として実行しているのだ"と述べた。しかし、その境地までたどり着けた幸せな商品と生活者は少数で、その背後には "消費はもはや飽和している"という現実がある。

飽和した消費の実態
筆者の私事であるが、ご多分に漏れず新三種の神器には関心がある。しかし、プラズマテレビとDVDレコーダーを買おうにも、居間では32型のブラウン管型テレビとDVD・ビデオカセットレコーダー一体デッキが当分壊れる気配もなくがんばって働いている。デジカメは多数のWEBサイトでほとんどの機種を比較検討し、幾度となく店頭で実機に触れてみた。しかし、そのような購買の準備段階を繰り返しているうちに購入の熱が冷め、結局は従来のフィルムカメラと携帯のカメラで間に合わせてしまっている。

このような、物理的なモノの飽和状況と、インターネットの発達を背景とした購買プロセスの変化による"買い控え"は筆者自身に限らず、昨今非常に顕著になっており、各メディアでも取り上げられている。これが"飽和した消費"の実態であり、"目的化した消費"に生活者を導くためにはまず超えなければならない壁なのである。

サプライズなき購買
前述の飽和状況の中で、物理的な問題は致し方ないことだともいえるだろう。高度成長が終わって以来、モノの不足は解消し、ニッチもどんどん埋められてしまった。また、環境問題意識が高まる中、まだ使える物を買い換えることには当然、心理的なブレーキが働く。問題は、後者の"購買プロセスの変化による買い控え"である。

かつて、モノの購入には驚きや感動があった。テレビCFで見たり雑誌で取り上げられている商品に関心を持つ。店頭に行き実物に触れつつ、担当者の説明を聞き驚いたり納得したりする。そんなプロセスがあった。しかし、今日ではインターネットを通じて、商品の機能や使用者の声・評価なども詳細にわかってしまう。店頭に行って商品を手にとってもそれは単なる確認行為でしかなく、担当者の説明を受ける必要もない。売る側もそれをわかってか、担当者も接客において通り一遍の説明しかしない。そして、そこにもはや驚きも感動もない。このような環境の中で購買意欲は減退し、結果として買い控えが発生しているのだ。

なぜ、その商品を扱っているのか?
今回のテーマは、"どうやって生活者から「自分のスタイルの実現・自己表現」として目的化した消費(購入)を引き出すか"であるが、その前に売る側の企業に伺ってみたい。「なぜその商品を扱っているのか」についてである。売り手、特にマーチャンダイザーとしては、流行だから、売れ筋商品だから、利益率がいいから...等、いろいろな理由があるだろう。しかし、そこに自社としての"こだわり"はどれくらいあるだろうか。

インターネットは十分な商品知識と、最も安い価格で購入できる店を教えてくれる。極端な話、生活者にとってはその購買プロセスを取ることが最も賢い消費の仕方であるといえる。価格面だけを考えれば、それ以外の企業から商品を買う理由はない。

しかし、今回のテーマであるような、生活者自身が購入に対して"こだわり"を持っている商品だったとしたらどうだろうか。インターネットでは得られない、通り一遍ではない商品の説明、その企業としての売る側の"こだわり"、関連した情報の提供など、多少の価格の差では得られない体験があれば生活者を取り込むことが可能となるだろう。しかし、そのような生活者の購買プロセスに働きかける好循環は、先の「なぜ、その商品を扱っているのか」という問いに答えられないようでは実現することは困難だ。

売る側の"文脈"が伝えられているか?
「なぜ、その商品を扱っているのか」という問いに対する答えは、売る側が"文脈"を持って語れなければならない。その企業としてのビジョンやコミュニケーション・コンセプトから落とし込まれた、自社の提案するスタイル、オリジナリティーのある商品説明や使い方提案などが一連の文脈(ストーリー)となっているべきなのだ。インターネットで示された最廉価店や競合全般に対抗できるのは、商品購入に対する"生活者のこだわり"に対応する、"売る側のこだわり"なのだ。納得できる文脈を持ち、生活者に有用な情報を提供してくれる"こだわり"は付加価値である。また、生活者が共感できる"こだわり"は久しく忘れていた消費に対する驚きと共感をもたらすのだ。

"聞き出す能力"と"解釈する能力"そして"考える力"
もちろん、単に自社の"こだわり"を押しつけていたのでは生活者の驚きも納得も共感も得られない。必要なのは、"聞き出すことと解釈すること"である。コンサルティング・セールスという表現はずいぶん一般的にはなったが、今ひとつ具体性に欠けるかもしれないのでその表現はここでは使わない。必要なのは、"生活者のこだわり"を聞き出し、それを"自社のこだわり"に照らし合わせ解釈し、説明や提案ができることなのだ。

ひどく難易度の高い対応に感じられるかもしれない。しかし、それらは個々の担当者が、前述のその企業としてのビジョンやコミュニケーション・コンセプトといった上部概念を正しく理解し、商品カテゴリーや個々の商品との関係を理解すれば難しいことではない。マニュアル的に個別の商品に対する説明トークを覚えさせるのではなく、考える力を付けさせることなのだ。単なる定型的な情報伝達であればインターネットで十分であり、驚きも納得も共感も得られないことを再度認識すべきだ。

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