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ダイレクト・レスポンス・アドのクリエーティブは、サルに作れるか

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
岡田 明宏
series
Wunderman's view No.17
date
2004年8月 5日
themes
レスポンス広告

さて、今回はクリエーティブの話です。ダイレクト・レスポンス・アド(DRA)のクリエーティブというと、新聞広告なら「文字が多い」「レイアウトがごちゃごちゃしている」、テレビCMなら「電話番号が出ずっぱりだ」「なんか楽しくない」等、特殊なものと思われている方も多いのではないでしょうか。かくいう私も「ジェネラル・アド」(※1)と言われるブランド広告や商品広告を長年作ってきて、漠然とそう考えていた部分がありました。

DRAのクリエーティブは特殊なのか?
広告において大切なのは、「何を言うか」(What To Say )と「どう言うか」(How To Say)の二つだと、大分前から言われています。古いなんて言わないでください。普遍的な考え方だし、これが今回のポイントなのですから。

最初の「何を言うか」というのを発見するのは、どのクリエーティブにおいても基本です。「スイカ」を例にあげることにしましょう。(JR東日本のSuicaではなくて、ウリ科の西瓜のことです。念のため)。

「このスイカは、縞模様が素晴らしい」
「このスイカの切り口は、情熱の赤」
というようなことをコピーライターが書いたとしましょう。

採用される見込みより、仕事を失う可能性の方がはるかに高いですよね。正しい広告のあり方としては、スイカのおいしさを語ってあげるのがいちばんです。あるいは、無農薬で体にいいとか、水分補給に最適とか、消費者のベネフィットを語るものでなくてはならないでしょう。

あまりに当たり前と思われるかもしれませんが、スイカの縞模様を誉めるような広告って、実は結構多いものです。消費者に受け入れられるかどうかを無視して、他社製品とのほんの小さな違いをUSP(ユニーク・セールス・ポイント=販売上の強み)と言ってみたり、オリジナルだけどある意味「どうでもいい機能」をメインメッセージにしている広告、よく目にするでしょ。

この「何を言うか」が、クリエーティブ戦略とかコンセプトとか言われているもので、ここを考えていくのは、DRAだろうが「ジェネラル・アド」だろうが変わりません。違いといえば、DRAはダイアログ、すなわち対話型コミュニケーションを目的とするものなので、どのコンセプトが消費者に届くか、実際に出稿なりオンエアなりのテストをすることが望ましい、と考えられているところです。

例えば、(1)「甘みたっぷりのスイカです」(2)「無農薬のスイカです」(3)「600円のスイカです」という3つのメッセージのうちどれがいちばんレスポンスを取れるか、何回も試しながらチャンピオン・メッセージを決めていくのです。これに関しては、「事前にコンセプトテストすればいいじゃないか」という声もあるでしょうが、古い喩えをさせてもらうなら、「レスポンスは会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ」ということで、消費者がレスポンスするメカニズムは、一筋縄では行かないものです。(このことについては機会があればもっと詳しくお話したいと思います)。

カタチを真似すればレスポンスは取れるか?
さて、「何を言うか」は広告共通のものですが、「どう言うか」に関してはDRAならではのやり方があります。自動車保険を例にとってみましょう。

(1)「安全を好きな人には、安価が待っています」
(2)「ゴールド免許の人は、いいことがあります」
(3)「ゴールド免許のあなたなら、保険料が○%安くなります」

どれがいちばんレスポンスが来るか、わかるでしょうか。これはテストをするまでもなく、(3)です。先程、「DRAは出稿しながらテストをするものだ」と述べましたが、コスト効率を考えると無尽蔵にテストをするわけにはいきません。全体のROI(Return On Investment=投資対効果)を考えて、計画されるものです。そのため、いくつもの知見が必要とされるのです。

知見から言うと、レスポンスを獲得しようとする場合、コピーはより具体的で、わかりやすいものでなくてはなりません。過度のレトリック(修辞法)は、多くの場合邪魔になります。長いコピーになっても、それを恐れてはいけません。

さらに先程の(3)には、別なテクニックも入れています。「ターゲットの絞込みと呼びかけ」というもので、対象となる人を明確にして注意を喚起することで、レスポンスを上げていく手法です。コピー以外にも、いくつものHow To Sayの知見があります。

例えば、いちばん伝えたい文字(フリーダイアルなど)は、白抜き(背景がカラーで文字が白)より、濃色文字の方が、視認性がよく、レスポンスが取れる。重要なメッセージは音声とテキストの双方で伝える方が良い。演出が過ぎると、伝えたい情報が見落とされてしまう。等々。

こういった経験則の上に成り立った知見が効果を発揮しているのは、事実です。しかし、過去にレスポンスが取れたものを分析して、良いものだけを機械的に組み合わせたクリエーティブを作るだけでレスポンスは取れるものでしょうか。

ここ2〜3年で「DRAタイプ」のクリエーティブがものすごい数で増えてきましたが、その中ですべてが成功しているわけではありません。それは、消費者の興味のないことは、いくらテクニックを弄しても反応してくれない、ということではないでしょうか。つまるところ、カタチだけ真似をしてもダメだということです。

常に勝ち組となるDRAクリエーティブとは?
結局、レスポンスを獲るクリエーティブを作るには、「何を言うか」という戦略を効率よく構築し、それを効果的に表現していくというのがいちばんであるということになります。そこで必要なのが、数多くのDRAを作って蓄えられてきた知見です。無駄なテストをせずとも、商品や市場動向を分析して、確率の高い戦略を組み立てられる洞察力。ターゲットを確実に行動に移させるための、経験に裏打ちされた表現技術。この両者がそろって初めて、強力なDRAが達成されてくるのです。

しかし、人々の心は移ろいやすいものです。過去の成功体験に頼るだけで、変化する時代やマーケットに対応する能力が欠けては、レスポンスはそこそこしか得られません。注目された表現も、見慣れたものになると、必ず反応が悪くなってきます。そういった意味で、経験値や知見だけに縛られない、新たな発見が求められています。ブレイクスルーするためにこそ、クリエーティブ本来の力が発揮されるのです。すべての知見を踏まえた上で、人を動かしていくため、さらに挑戦していく広告。これがDRAのクリエーティブの醍醐味と言えるでしょう。

宮崎の幸島で、最初にイモを海水で洗ったサルになるか、それを真似するサルになるか。(※2)

いま私たちは試されているところです。
  
※1 個人的には嫌いな表現です。こういう言い方をするから、DRAは特殊と思われるのでしょうか。

※2 幸島のニホンザルについては、ここで詳述できないのが残念です。

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