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R&D型 CRMに対する可能性と期待

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.19
date
2004年10月 7日
themes
CRM

前回のニューズレター「これも、あれも、たぶんCRM...」で、企業における様々なCRMの展開をご紹介したが、最後の"R&D型 CRMは次に何を生むのか?"という項に関しては驚くほどの反響をいただいた。しかし、ほとんどがメーカーの方からのお問い合わせであったことから考えれば得心がいく。普段から流通に依存しないダイレクトな顧客コミュニケーションチャネルの構築と、そこからの情報の吸い上げに日々腐心されていることが想像できるからだ。

"R&D型CRM"とは "学習利益"重視型CRMのことであり、顧客の声から有用な知見(顧客知)を吸い上げ、製品開発やマーケティングに反映することを目的としている。その意義と展開の可能について今回はさらに掘り下げてみたいと思う。

CRMの二つの側面
実はCRMには二つの側面がある。一つは外向き、もう一つは内向きの意義だ。前者は前回解説した現業のP/LやROIに短期的に貢献する"プロモーショナル型CRM"にも代表されるような、「カスタマーリレーション(顧客との関係)をうまくマネジメントして、自社の収益に貢献しよう」とするものである。現在成功している、スモールスタートを基本とした"プロモーショナル型CRM"に限らず、高額ソリューションを導入した"本格的大型CRM"も基本的にはこのパターンであり、いかに自社として最適に設計したセールスプロセスを実行に移すかというSFAの流れをも汲んでいる。

それ故に、悪くすれば企業側の望ましいセールスプロセスを顧客に押しつけることにもなりかねない。つまり、プロダクトアウト的な思想をはらんでいるため、実際の運用設計においては十分な留意が必要だ。また、それを欠かせば失敗することは目に見えている。

その対極にあるのが、後者の"内向きのCRM"。つまり、「カスタマーリレーション(顧客との関係・関わり)の中から顧客の声や知見(顧客知)を吸い上げ、自社のマネジメントを変革しよう」とするものである。但し、こちらのパターンは本来的にP/LやROIを厳密に見過ぎると成立しない。あくまで顧客維持のためのサービスや研究開発を目的とした展開であるのだ。

統計的な知見抽出に弱点?コールセンターの「お客さまの生の声」
「カスタマーリレーションの中から顧客知を吸い上げ、自社のマネジメントを変革しよう」とするCRMはコンタクトセンターと、マーケティングセクションが行う実験的なコミュニティーやテスト販売的なECサイトの双方において展開されている。確かに、カスタマーセンターは多くの企業において、「単なる苦情処理窓口」とか「お金ばかりかかるコストセンター」という見られ方はされなくなり、「お客さまの生の声」を吸い上げるという重要な役割が認められるようになってきた。

しかし、実際にそこで集められた「お客さまの生の声」を例えば新製品開発や、マーケティング施策の立案に生かそうと思うと、意外とそれが難しいことに気づかされる。確かに、寄せられた意見・要望・苦情から全体傾向を把握することはできる。突出した意見のサンプルも様々な気づきを与えてくれる。しかし、それを統計的に処理し、体系的に知見化しようとすることは容易ではない。

その理由は何か。第一に、コンタクトセンターに寄せられる意見は、多くは怒っていたり、何らかの事象で困っているなど特別なシチュエーションで寄せられたものであることがあげられる。さらに、その対象者のバックグラウンドやデモグラフィックをアンケートのように根掘り葉掘り聞くことも困難だ。加えて、寄せられる意見の質や価値も様々であり、安定的なものではない。となると、やはりセンターのマネージャーやマーケターが全体を見渡し、直感的に読み取り、解釈し、判断するという使い方がメインとなってくるのだ。

それでもテキストマイニングのツールなどを使えば、それなりにおもしろい結果が導き出せることも多い。しかしながら、そのデータソースである「お客さまの生の声」には前述のような傾向・バイアスがあることを理解しておかなくてはならない。

顧客知の宝庫?R&D型コミュニティー、ECサイト
上記のコールセンターから抽出された「お客さまの生の声」の弱点を補完できるのが、前出の「マーケティングセクションが行う実験的なコミュニティーやテスト販売的なECサイト」で交わされるダイアログだ。

特に、テスト的に展開されているECサイトやコミュニティーは会員制で運営されていることが多く、それ故に「顧客知の吸い上げ」には最適な条件を有しているのだ。第一に、会員としてのバックグラウンドやデモグラフィックがしっかりと把握できている点が大きなメリットだ。さらに、サイトの購入商品に関する意見、質問などは会員が主体的に書き込んでいるものなので、信憑性が非常に高い。

会員と同様に登録しているという点に関しては、インターネット調査のパネル(登録者)があげられるが、パネルは何についてのアンケートがくるかわからない状態でとりあえず登録をしていて、依頼がきた時点で受け身で回答している状態だといえる。つまり、両者はそのシチュエーションとモチベーションが全く異なることがご理解いただけるであろう。

確かに、統計的にも質的にも統制されたアンケートパネルを活用した方が、調査としては間違いがない。しかし、コミュニティーやEC会員たちの意見は自由闊達であり書き込まれる議論も深く、またボリュームにも富んでいる。それ故に、そこでのダイアログをテキストマイニングにかけてみると、データソースとしての良質さがよくわかるのだ。得られる知見、いわゆる"顧客知"は数多い。

もっと国民・住人を研究して欲しい!
今回は"R&D型 CRM"をテーマにお届けしているが、実は最も強力にお勧めしたい先がある。それは政府・自治体だ。有名な「首相官邸のホームページ」にも"ご意見募集" のフォームがある。"お答えします"というコンテンツで「ご意見・ご質問のうち国政に関するものについて政府の考えを掲載しています。」としてフィードバックもあるが、更新頻度も低く、内容もなにやら四角四面な感じが否めない。

「Eジャパン構想」というものをご記憶だろうか。2000年9月21日に当時の森首相が所信表明演説の中で掲げた、全ての国民が情報通信技術を活用できる日本型IT社会を実現するための構想である。全国民がITのメリットを享受できる社会を実現し、それによって産業分野での国際競争力の強化や経済構造の改革、国民生活の利便化などを成功させることを目的とした5カ年計画であったと記憶している。残りあと1年。

"Citizen Relationship Management =CRM"つまり「市民との関係性(リレーション)の中から市民の声や知見を吸い上げ、行政を変革しようという、"R&D型CRM"」。いくつかの事例はあるようだが、もっと数多く政府・自治体に取り入れてもらい、本当に国民・市民が要望している"国民生活の利便化"をCRMで実現してもらいたいものだ。

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