ちょっと変だな、この販促3 TIPS★TIPS No.22
- 金森 努
- 2005/01/13
[TIPS★TIPS]
正月も松を明けて、成人式三連休も済んで、ビジネスもいよいよいつものトップスピードで動き出す今日この頃ではないでしょうか。しかし、思い起こしてみれば、読者の皆様の前にも年末年始、摩訶不思議、妙な販促の数々が登場してはいなかったでしょうか。
というわけで、当ニューズレターとしてはシリーズ3回目の「ちょっと変だな、この販促」です。人のふり見て我がふり直せ。思い当たるところのある方は、今からでもその販促計画に役立ててはいかがでしょうか。
「空くじアリ?」
年末である。大売り出しである。となると、福引だ。ガラガラとハンドルを回してポンと何色かの玉が出る。たいていは末等の赤玉と分かっていても、出てくるまではドキドキする。
ちなみに筆者は過去、折りたたみ自転車、トースター、ホットカーペット等を射止めている。どうやらそのあたりで中途半端に人生の運を細かく使ってしまっているらしい。
ところで、今回遭遇したのは、あるショッピングモールで行われていた驚くべき割り切りというか、何と“空くじアリ”の福引である。たいていの福引は“空くじなし”が多く、末等でもティッシュやあめ玉1個をくれたりする。しかし、筆者がその福引でガラガラを回し赤い玉、つまり末等が出たときにもらえたものは、明らかに派遣のコンパニオンとおぼしき女性の「残念でした〜また挑戦してくださ〜い!」というかけ声だけであった。
「え?」・・・「すみません、ティッシュとかアメとか、何かくれないんですか?」。自らの行為を卑しいと感じる以前に思わず自然に反応してしまった。そして答えは「はい!ありません!」だった・・・。
何とも腑に落ちず(なぜなら、抽選補助券が揃わず最後に当座必要のない単四乾電池4個パックまで買ったからだ!)男性の係員に“末等商品なし” つまり“空くじアリ”に踏み切った理由を聞いてみた。曰く「ティッシュはどうせ街角で配っているし、ここはビジネス街のショッピングモールだから、いい大人があめ玉1個もらってもうれしくないでしょう?だったらその分、末等以上の商品を少しでも良くした方がいいじゃないですか。」との答えであった。
正直、筆者はそれが正しいのかどうかは分からない。ただ、人間は何かの行為をした時、その代償を求めるのは確かだ。福引券を集め、抽選をし、その結果何もない。少し寂しい。ダイレクトマーケティングのセオリーでレスポンスオファー(申し込みのための何らかの品物又はサービス)は、たとえどんなものでも「ないよりはあった方がよい」というのがある。
福引の場合、どうなのだろうか。同じなような気がするが・・・。何より、明るく「はい!何もありません!」と答えられた人の、そのショッピングモールへのロイヤルティー低下が気になるのは私だけだろうか。このあたりは、皆様の積極的なご意見をお伺いしたいところだ。
「誰がためにアンケートはある?」
サービス業や様々な業種でもあるが、特にチェーンの飲食店で目に付くのが、テーブルの隅に置かれている「お客さまアンケート」だ。“商品について”“接客について”“清潔さについて”等々を5ポイントで評価させ、最後に「その他お客さまのお気づきの点をお聞かせ下さい」というフリーアンサーの欄があるのが一般的だろう。
たいていの来店客は目もくれない。それに手を伸ばそうとするのは、よほど不快な思いをした客か、希ではあるが感動する体験をした客、希にアンケート好き。しかし、彼らが一様に気にするのは、「これを記入して本当に自分の意見は本部に届くのだろうか」という疑惑。受取人払いで自らポストに入れるものならまだよいだろう。しかし、店内に「アンケート回収箱」があったりしたら、もうその店内で処理されてしまう気がしてならないのが一般の心理だろう。
そもそも、この手のアンケートはノー・オファー(謝礼なし)のケースが多い。とすれば、前述のようによほど不快か、感動したかの極端な意見に偏るものと思われる。確かにそのような目的も存在するだろう。だが、自分の声が届くと信じ、激しいクレーム、もしくは熱い思いだけが本部に届いたところで何の意味があるのかと、ふと疑問に思ってしまう。それらの来店客は、いわゆる「声の大きい客」である。極端な意見だけを収集しても活用は難しい。
もっと気軽に、広く来店客の評価や意見、提案を集める方法を考えてみてはどうだろうか。
例えば、QRコードを座席の「アンケート募集」のPOPに印字し、即座に携帯でアクセスさせる。オファーも「もれなく」ではなく「抽選で500円の商品券」程度の軽いものにする。そうすれば、食事のついでにおもしろ半分でアンケートに答えてもらうことで、より多くの来店客の本音もしくは意外と斬新な意見が集められるかもしれない。
千年一日のごとく、従来型の方法でアンケートをやっていないで、そのあたりの工夫をしてみてはいかがだろうか。(もし、読者の方で画期的な手法を目撃された方がいらしたら、是非ご一報いただきたい。)
行数の関係で今回は2つの例しか紹介できなかったが、目を凝らし少々注意力を働かせてみれば「不思議な販促」は数多く発見できる。そして、それを他山の石とすれば、自らも良質な販促計画を立案できる。
是非、このシリーズも第4回を執筆してみたい。読者の皆様からの積極的な投稿をお待ちしています。

