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電通ワンダーマン(エントリー)

2005年を攻めの年に! Wunderman's View No.22

  • 金森 努
  • 2005/01/06

[Wunderman's View]

2005年の経済も暗いのか?
昨年12月中旬の日経の記事であるが「企業の経常利益は回復しているが、営業利益は回復していない。日本経済は完全に再生していない。失速の懸念も残る。」という記事が掲載されていた。

これは当ニューズレターで“営業の力復活の必要性”として何度も指摘してきたことが現実化していることを示すことに他ならない。リストラ効果による実体なき業績回復が進行している証だ。形だけの再生は何も生み出さない。何とかして営業利益を回復すること。つまり、企業活動の根幹である“売る”ということに再び全精力を傾けねばならないということだ。そうすれば、消費の向上にもつながり、真の日本経済復活にも貢献することになる。もはやそれ以外に活路はない。

こんな時こそ思い出してほしい言葉
だからといって、生活者の堅く閉ざされた財布の紐を開かせるのは容易なことではない。そこで思い出していただきたいのが、当社の創設者・ダイレクトマーケティングの父“レター・ワンダーマン”の言葉”Answer the question. Why should l? (なぜ私に?に応えなさい) ”だ。

今日の生活者はモノの購入に関して非常に知的、かつ慎重になっている。その情報をもたらしているのは、やはりインターネットに他ならない。

kakaku.comを代表として、自分が関心のある購入対象を徹底的に調べようとすれば、その情報を提供してくれる各種の比較・書き込み・コミュニティーのサイトはいくらでもある。未だにインターネットを十分活用しきれていない人も実際には数多く存在するが、そうした人でさえもしっかりとネットユーザーからオフラインというか、対面で口コミを受け確実に影響されている。つまり、購入プロセスの全てを自己管理しようとする“賢い生活者”が加速度的に増殖しているのだ。

そんな彼らの願いは「自分が納得できる商品選択をすること」。つまり、購入後の“認知的不共和”が少ないことである。それに応えるのが”Answer the question. Why should I? ”だ。「なぜ、自分にその商品の購入を勧めるのかという理由を明確に伝えること」なのだ。

個人情報保護法完全施行。そして企業は?
しかし、”Why should I?”に応えるには、アプローチ側の企業が相応の「個人情報」を保持し、活用する必要がある。そこに立ちふさがるのが、例の“個人情報保護法”だ。しかも今年4月以降の完全施行後は罰則規定すらある。

だからといって弱気になってばかりいては営業収入など回復しない。企業再生は達成できない。悩み所だろう。しかし、最重要課題である営業利益確保のためには、法律を正しく理解し、正しい方法でパーミッションを取るなどして、生活者と最適な関係を保つ努力が必要なのだ。

企業よ弱腰になるなかれ
2005年、恐らく今年も飛躍的な経済の再生は為し得にくいだろう。だからこそ、筆者が提唱したいのは、「生活者へのアプローチに対し及び腰になりすぎるべきではない」ということだ。

これもレスターが重要視している“Relevance(最適性)”という言葉。つまり「自分にぴったりだ」と生活者に理解してもらうことが大切なのだ。それが実現できれば、徐々に“Relationship(関係性)”が育っていき、結果として“Repurchase(再購入)”が実現し“Retention(継続購入)” が達成できるのだ。

法律、ルールはきちんと守る。必要なパーミッションを十分な説明の上、取得する。その情報を生かして、生活者に“ぴったりな”レコメンをする。そうした好循環が完成すれば、企業と生活者の最適な関係ができあがることになるのだ。そう信じて活動していきたい。

個人情報の保護が過度になれば、それは逆に生活者の「情報を受け取る権利」を侵害することにもなりかねないことを認識していただきたい。オプトイン、オプトアウトというガイドラインをしっかりさせることが基本なのだ。2005年、それは決して守りでも後退でもなく、攻めの年になるべきなのである。

最後に、本年も当ニューズレターをご愛読いただけますよう、よろしくお願い致します。