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広義のブランドとしての"コンタクトポイント"へ目を向けよう

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
大窪 穣
series
TIPS★TIPS No.23
date
2005年2月17日
themes
その他

久しぶりに「商品申込書」の設計をした。まさに一連のプロモーションツールが一斉に仕上がっていく真っ最中、クライアントから最終のデザイン・コピーの戻しをもらっている時だ。その担当の方が、フーッと一息ついてこういった。「いやぁ、あなたに言うのは申し訳ないんですが、この作業が一番辛いんですよね。はやく私の代わりにこの作業ができるように誰か育てていかないと・・・」。私よりもひとまわりほど年上の彼が言ったこの作業とは、「商品申込書」の全面に亘るコピーやレイアウトの校正のことである。この作業が「辛い」のだそうだ。

そう言った彼はこの後、申込書やパンフレットに点在するレスポンスデバイス(受け付け方法)がこのプロモーションにおいて、どうかかわるかを再度整理し始めたのだ。しかも、この印刷直前のタイミングで。私はしみじみと「この人も本当のダイレクトマーケターなのだなあ」と感じざるを得なかった。

申込書1枚が販売の鍵を握る
その担当者は、その企業におけるすべてのセクションで起こり得る様々なクレームやトラブルを、そして広告・DMやパブリシティから発生するかもしれない顧客化の機会を、広く深く仮説を立てて再検討をはじめた。何かにぶつかるたびにそのセクションの現場と責任者両者に連絡・確認を取り、やっと整理がついた原稿を戻してくれた。

具体的に書くことはこの企業のノウハウとして避けるが、シンプルに言うと、多くの企業が単なる「注意書き」として済ましてしまうことを、一つ一つイレギュラー対応の可能性も含めてクリアしていくのだ。例えば、


  1. 「WEBでは受けられるが、コールセンターにかかってきた場合、オペレーターがどう説明するとクリアできるか?」
    ・ 通常処理「本キャンペーンはWEBサイト限定でのお申し込みとなっております。」
    → イレギュラー処理として受け付け、顧客化のチャンスロスを防げないかコールセンターに確認・依頼。
  2. 「この情報を店舗へ持ってきたら店で対応できるか?」
    ・ 通常処理「店頭でのお申し込みは承っておりません。」
    → 店頭からの受注情報の回収は困難なため、この点は特に強調する。
  3. 「Eメールで必要事項をメール問い合わせ窓口におくってきたら、ここは問い合わせ専用窓口だから申し込みとして受けない方がいいのか?」
    ・ 通常処理「Eメールでのお申し込みは致しかねます。」というメールを機械的にリプライする。
    → 「本キャンペーンはWEBサイト限定ですので以下のURLから是非お申し込み下さい。」とURLを明記したメールをリプライするよう担当者に依頼。

つまり彼は注意書きとして強調すべき点を確認しながら、そこに反映しきれないイレギュラーが発生したときの対応までも想定して、消費者の購入機会を企業側が排除する可能性がないように、社内へ依頼を行っていたのだ。

自社の施策を4Pで分解してみる
顧客情報は、メーカーから量販店などの一般流通を介在させる場合、流通側に蓄積されるケースが多い。そのため、メーカーのプロダクト担当やマーケティング担当者は顧客との接点が少なく、市場動向を知るため広告会社や調査会社に依頼し認知やブランドイメージの調査を行い、そのブランドのポジションを再定義することが多い。

企業においてブランディングもマーケティングミックス(4P:Promotion/Price/Place/Product)も、売り上げ向上のために重要なことは既知の事実だが、DRM(Direct Response Marketing)の場合、少し位置づけが異なる。

例えばDRMのレスポンスデバイスやコンタクトポイントは、普通に考えればPlaceの役割と位置づけられるだろう。確かにインターネットや電話、はがき等を用いて「この商品を1個、支払いは代引きで、明日送って下さい」となるとPlaceの役割を多く担っている。しかし、その申込書に「アンケートに回答すると割引がうけられる」「取引をインターネットですませれば手数料が無料になる」など、取引条件が購入の一押しの役割を担っているとすれば、PromotionとPlaceの2つの役割を持つと言えるのである。

同様にコンタクトポイントの一つであるコールセンターのオペレーターも単なるPlaceではなく、消費者との一連のやり取りでその企業の「ブランド」を形成する要素にもなりえるのだ。消費者金融系のCMにもあるが、声の笑顔がブランド形成の一つのエレメントになる。

様々な消費者との接点で、たかだか申込書1枚、WEB登録画面1ページと思う方もいるだろうが、その記入や入力のしやすさやコールセンターでの対応の印象など、実際にそれらは密接に絡み合い、ひいては売り上げに影響を大きく与える。企業にとっては死活問題であるはずだ。

ちょっと大げさな印象を持たれるかもしれないが、一度御自身に置き換えて思い出していただきたい。

  • お客様ダイヤルなどに電話したとき、「ずいぶん待たせるなぁ...」と感じたときのこと。
  • WEBで申し込み情報を入力したとき、「なんでこんなこと入力するの?」
  • さらに注文後、発送日時の連絡がなく「本当に届くんだろうな?」とヤキモキしたこと。

ちなみに筆者はすべて経験がある。最近は、職業病かもしれないが「このコールセンター、アルバイトだな...」と察し、苦情を言う気すら失せてしまうのだ。

今回のTips
筆者が本稿において読者の方に感じていただきたかったことを、今回のTipsとしてまとめよう。それは以下の4点である。

  1. 顧客(消費者)は企業の都合にあわせて動くことはない。
  2. 顧客(消費者)は購入意思が高い時の方が、その企業を見る目が厳しくなる。
  3. ゆえに、顧客化の機会を自ら排除したくないのであれば、顧客(消費者)との接点は「全社として」横断的に整理する必要がある。
  4. コンタクトポイントがその企業に対する顧客(消費者)の意識すら変えてしまう可能性がある。いうなればコンタクトポイントの設計と対応は「広義のブランディング」である。

冒頭の担当者は、私の目の前でそれを具現化したのだ。クリエーティブもプロモーションもコンタクトポイントもオペレーションまでもすべて。

最後に読者の皆様にお願いがある。「この会社は私を一度も不愉快にさせたことがない」という経験をお持ちの方は筆者までお知らせいただきたい。是非、その会社の顧客になってその気持ちを共有しつつ、その企業のコンタクトポイント・コントロールの秘訣を探ってみたい。もちろん、新たな発見ができれば改めて読者の皆様に公開させていただくことをお約束する。

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