• TOP
  • アクセス
  • メールマガジン購読申込み・解除

Contact us

  • ワンダーマンコンセプト
  • ワンダーマンソリューション
  • コラム
  • 企業情報
  • 採用情報

電通ワンダーマン20周年記念フォーラム・レポート:パート2

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.26
date
2005年4月 7日
themes
その他

「クリエイティビティーとテクノロジー」:デイヴィッド・セーベル

前号でご紹介したとおり、創立者レスター・ワンダーマンのスピーチに続き、ワンダーマン欧州・中東・アフリカ副会長兼社長のデイヴィッド・セーベルが、「クリエイティビティーとテクノロジー」と題したプレゼンテーションを行った。彼がテーマとしたのは、「今日のテクノロジーの発展がクリエイティビティーにいかなる影響を与えるのか」である。

1.クリエイティビティーとテクノロジーは対立概念ではない
クリエイティビティーとテクノロジーは永遠の対立・葛藤の関係にある。しかし時には科学者が芸術家であり、芸術家・画家が科学者であるということもある。例えばレオナルドダビンチは一人の中に両方の側面を持っていたという好例だろう。クリエイティビティー、テクノロジーについての定義とビジネスにおける意味合いを考えてみよう。
辞書によると、

  • クリエイティビティー=「芸術的または強い発明力」。クリエーティブというものは、何もないところから産み出す創造力。
  • テクノロジー=システム。社会とその構成員が必要とする、あるいは与えられるべき物を提供するためのシステム。

と記されている。つまり、テクノロジーとは「伝達する」ということであり、クリエイティビティーとは「発明力・創造力」であるということなのだ。そして、この二つを組み合わせることで人々が耳を傾ける魅力あるコミュニケーションが生まれるのだ。テクノロジーというものは決して革命ではない。常に「創造的に応用された進化」なのである。それは、どのようにテクノロジーが進化してきたかを見れば明らかだ。

例えば、洞窟に原始人が住んでいたとする。彼は洞窟の壁に文字を刻み込んでいる。時代が進み、ペンで文字を書く人やコンピュータマウスで入力する人などが登場する。しかし、基本的にやっていることは同じなのだ。つまり洞窟の壁に書き込むのと、PCでMSワードを使って皆さんが何か入力することは本質的には同じ行為だといえる。

では、違っている点は何か。テクノロジーの進化で我々は、同じ洞窟に住んでいる人だけと話をするのではなく、世界中の人と同時に話すことができるようになった。つまり、メッセージを入力するスピードとその伝達の方法が大きく変わったのである。

2.「ストーリー」こそ命
さらに現代になってテレビが登場した。初めてテレビを見た時、誰も「これは魔法だ」とは思わなかった。電通や私が過去在籍したヤング&ルビカムのような広告会社などは、テレビの世界に「新しいメディアの可能性」を見出した。このテクノロジーを、ディストリビューションにおけるテクノロジーと仕立て、大きなビジネスを作ったわけだ。ところが、インターネットの登場時には、多くの広告人がクリエーティブ能力を発揮する機会を放棄してしまった。「わからない」、「難しい」と言い、インターネットに背を向けてしまったわけだ。

インターネットバブルの時代を思い出していただきたい。多くのベンチャー企業が誕生し「クリエーティブな仕事をやるのだ」と主張した。しかし、マーケティング能力、あるいは洞察力のない企業が次々と作られては消えていった。彼らとは違う、私たち広告人はやはり、自分たちの持っている能力を放棄してはいけないのだ。テクノロジーが何であれ、一番重要なのは「ストーリーテリング」だ。我々は「ストーリーテラー」なのだ。アイディアのある我々はクリエーターなのである。そのことを忘れずにいれば成功するはずだ。

歴史を振り返ってみると、テクノロジーの推進役は常に「ストーリー」であった。これは日本であろうがヨーロッパであろうが、どこでもそうだ。例えば道路網。これはテクノロジー初の大進歩だったといえる。なぜ幹線道路がこのように敷設されていったのか。それは「ストーリーをほかの地域に伝えたい」という人々の強い希求があったからだ。だから道路が造られ、その上を商品やサービスが運ばれていったのだ。

近代的なストーリーもそうだ。コミュニケーションが必要となり、そのための手段が必要となった。だからこそ、蒸気船や蒸気機関車というテクノロジーが作られていったのだ。つまり、テクノロジーが先にあったのではない。「人と意思疎通を図りたい。通信したい。コミュニケーションしたい。」という、その強い希望が出発点となっていたのだ。

さらにそこから、航空というものが現れる。最初に飛行機が商業的に使われたのは郵便配達であった。それまで、飛行機は一部の金持ちの遊び道具にすぎず、商業的に飛行機を使うということを誰も考えなかった。しかし、「伝えたい」あるいは「伝えるために郵便を運びたい」ということから商業・民間航空というものが登場したのである。

3.ストーリーとチャネル
アイディアや発想はストーリーの中にこそ具現化され、そのストーリーを実現するのがテクノロジーなのである。その両者によって、人々に新しい「経験」を提供することができるのである。また、「ストーリーテリング」と「チャネル」があれば経験を生み出すことができる。しかし、マーケティング上、成功するためには多くの課題がある。ストーリーよりもチャネルの方が多いということだ。だが、チャネルの持つ性格や差を理解すれば、ストーリーをより良いものにできる。

それから「データ」の活用もマーケティング上、成功するための挑戦である。ワンダーマンには多くの情報があり、その情報を理解することで、よいストーリーを完成することができる。また、ターゲットについての情報を、十分に理解することができれば個々のターゲットにとって何か意味を持った、関係性があるストーリーにできるのである。

第3の課題は、多様性である。世界中いろいろなところに出かけていく人が多くなった。日本でも世界中を旅行する人は多いが、アメリカにいても日本のことが分かるようになった。だからこそ、よりグローバルに、よりよいストーリーを作り、それと同時に、よりパーソナルなストーリーを提供することが重要になったわけである。

最後に、「常にアイディアが大切である」ということ、そして「ストーリーを伝えなくてはならない」ということを結びの言葉としたい。つまり、いま、我々が見ているものを超えて考え、そしてテクノロジーがそれを「伝達・伝える」ということ。クリエイティビティーはアイディアだ、といった具合に世界を広げて考えないと、目に見えるものだけに限定されてしまうのである。

「サイバー時代のナレッジとスピード」:ダニエル・モレル
ダニエル・モレルはワンダーマンワールドワイド会長兼CEOであり、自身の業務について以下のように説明した。

  • コーディネーションとナレッジシェアリングが確実に行われる組織を作ること
  • 地域・部門を超えて常に整合性のあるサービスをすること
  • グローバルの要件が各地域の機会と方向性が揃うように立案し、計画の実行においてフレキシビリティーを生み出すこと
  • クリエーティブだけでなくクオリティーの高いサービスを提供すること

つまり、彼は世界最大のダイレクトマーケティング・エージェンシー・ネットワークの会長兼CEOとして、グループ内に「いかにナレッジを素早く伝達するか」という点に腐心しているのだ。そんな彼のプレゼンテーションの要点を以下にお伝えしよう。

1.特別な種類のナレッジ=「intimacy」
本日はこのイベントで「結婚」の話をしたいと思う。「コンピュータ」と「コミュニケーション」の結婚、つまり融合である。この結婚は可能性に満ちた世界を作り出すのだが、一方で、難解な状況も生み出してしまう。そこで、少しわかりやすい表現でご説明しよう。

この、コンピュータとコミュニケーションの結婚によって「ナレッジ」と「スピード」という二人の子供が生まれた。これらは、普通の兄弟・姉妹と同じように両親は同じなのだが、時に喧嘩をすることもある。そこで、片方でも、両方揃っていても一番いい形で仕事をさせるにはどうしたら良いかを考えなくてはならない。それが、我々の仕事なのである。

お客様のデータが収集可能であるということは、皆知っている。レスター・ワンダーマンが既に指摘したとおり、かつては郵便でその次が電話、続いて調査、そしてロイヤルティプログラムといった手法でお客様のデータ収集は行われてきた。今日では、インターネットの普及でさらに様々な手法が可能となってきた。しかしデータだけでは、血の通わない、没個性的な単なる情報でしかない。もう一段上位の「ナレッジ」を求め、そしてさらに、もう一段高い「intimacy =お客様との緊密な関係性(絆)」を作りたいと考えている。つまり、「コンピュータとコミュニケーションの結婚」によって、データを収集できるだけでなく、特別な種類のナレッジである「intimacy」を創り出すことが可能である、ということを本日申し上げたい。

企業と顧客の間の「intimacy」の構築には時間がかかる。お客様に対して全部を一度に伝えるということはできないし、お客様についての全てを一度に知ることもできない。忍耐と辛抱が必要だ。手をかけ、ゆっくりと時間をかけて育んでいかなければならない。そして、決して相手を圧倒してはいけない。全てを相手に伝えることはできないし、全ての質問を相手にぶつけることもできない。一度にすべてを得ようとせず、謙虚に、そして少しずつ語りかけ、少しずつ耳を傾けてもらうことが重要だ。

ここで大切なのは「情報を交換する」ということである。お客様は、接触を図ることで時に、ほんの少し自分のことを打ち明けてくれる。場合によってはプライベートなことかもしれない。それと引き替えに会社側は、その人だけに関係があり、意味ある情報を提供していく。これを継続することで、「intimacy =緊密な関係性(絆)」を築く好循環ができあがり、関係が緊密になっていくのである。

2.サイバー時代の「スピード」がもたらす意味
次に「スピード」について話したいと思う。インターネット上では、さまざまな情報が光速で駆け巡っているのはご存知だろう。情報へのアクセスが瞬時にでき、そしてリアルタイムで誰が誰とでも繋がることが可能だ。しかし、ナレッジがただのデータ以上のものであると同様、スピードは単なる尺度としての速度以上の存在なのだ。つまり、サイバー時代においてナレッジが絆や繋がりという多角的な体をなしているように、「スピード」も様々な側面を形作っているのだ。

コンピュータとコミュニケーションを組み合わせた別の結果として、「ピア to ピア」のコミュニケーションが発生した。うわさ話、評判、あるいはウィルスのように口コミで広がる情報。つまり、今日では企業の評判は電子のスピードで広まるのだ。

「intimacy」は深まるが、それとは違って「評判」は非常に急速に広まるのである。「intimacy」は、一度に一人の人に集中するが、口コミはリアルタイムで多くの人の口から口へと広まるのだ。

3.「intimacy」と「スピード」をうまく組み合わせるということ
レスター・ワンダーマンはかつてパイオニアであり、現在もパイオニアであり続けている。私の考える「intimacy」と「スピード」についても、レスター・ワンダーマンは「消費者の権利憲章」の中で既にとらえている。「消費者の権利憲章」の最初の5つの法則は「intimacy」に対するもので、次の5つはスピードに対するものだ。

私はフランス人なので、最後に有名な歌手である故モーリス・シェヴァリエの言葉を引用したいと思う。「夫婦・結婚に対して関して重要なのは二人だ。結婚では少なくとも二人だ」と。

ビジネスにおいての二つの重要なことは、「intimacy」、つまり顧客に関してどのくらい知っているのか。もう一つは「スピード」。そのナレッジに基づいて企業がどれくらい素早く行動を起こせるかということだ。その顧客に関するナレッジをどれぐらい深めることができるのか。そして、顧客との関わりをどれくらいスピードアップできるかがカギになる。この二つの次元をうまく組み合わせることができれば、クライアントとそのお客様がよいパートナーになって、それがよいビジネスにつながると考えている。

「フォーラムのまとめ」:須川薫雄
最後にこのフォーラムのモデレーターとして、電通ワンダーマンの社長・須川薫雄がこれまでの三名のスピーチ・プレゼンテーションを以下のようにまとめ、電通ワンダーマンの会社としての今後の方向性を明確にした。全文をご紹介したい。

1.「intimacy」と「スピード」について
ワンダーマンの業務領域、「リレーションシップマーケティング」は二つの重要なファクターがあると今日、感じた。まず一つ目は、現在のクライアントはマーケティングの効率を追求しているということだ。

よく言われるのは「Measure the Result at the End of the Day. 」つまり「その日のうちに結果を出してくれ」というような要望が非常に多い。そういった要望に対し、レスター・ワンダーマンは一つのセオリーを確立し、それに従って、私たちはビジネスをやっている。先ほどダニエルが述べたように、新たに登場する様々なテクノロジーをマーケティングに取り入れて、クライアントと顧客のコミュニケーションの「スピード」と、「intimacy(=内容の濃さと言い換えてもよいかもしれない)」を図ることが一つの結論だと考える。

2.リレーションシップマーケティングは広告の一部である
そして、二番目の重要なファクターは、以前はダイレクトマーケティングと呼び、今日ではリレーションシップマーケティングと呼んでいる手法のその意味するものは、「クライアントのために効率的に顧客を選び、コミュニケーションを図る」ということである。電通ワンダーマンは20年間これをやってきた。その20年間の中で最大の変化はインターネットの発達である。それによって手法が非常に変わってきた。

先ほど電通の杉山役員の発言にあった「リレーションシップマーケティングは広告の一部である」ということが非常に重要なポイントである。ヤング&ルビカム、電通などの一般広告の会社が行っているエージェンシー業務の横に、リレーションシップマーケティングは位置づけられるものではない。むしろリレーションシップマーケティングは、一般広告の中に位置づけられるべきものであり、一般広告の効果を最大化するためのものである。

わかりやすく言うならば、100億円の広告予算のあるクライアントがあったとする。そのうち10億円をリレーションシップマーケティングに割くことで、その100億円の広告予算から150億円もしくは200億円もの効果を生み出すようなモデルを今後構築しなければならないと考えている。以上の二つが今日、皆様方と話をしていった中で私がまとめた内容である。

【ワンダーマン・ニューズレター】 Wunderman's view一覧へ

コラムは毎月1回メルマガでも配信中 購読はこちら(無料)


PageTop

Copyright © Wunderman Dentsu, Inc. All Rights Reserved

ISO/IEC 27001:2013(JIS Q 27001:2014) 電通ワンダーマンは、
右記のセキュリティ認証を取得しています。

ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014