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個別最適化と実施のスピードが課題となる今日のCRM

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
金森 努
series
Wunderman's view No.27
date
2005年5月 5日
themes
CRM

「CRMとは何でしょう」。・・・こんな質問をしたら、当ニューズレターの読者の皆様は「何をいまさら?!」と思われることだろう。確かに、今まで何度もCRM(Customer Relationship Management)の何たるかをお伝えしてきている。しかし、そのCRMが昨今、大きく変わり始めているのだ。今回はそんなテーマでお届けしてみたい。

「CRMって懐かしいね」・・・って?
もう創業してから10年近く経過し、従業員も200名以上を擁するベンチャーと呼んでは失礼に当たるかもしれないSI会社の若き幹部社員と知り合う機会があり、筆者は自らをCRMスペシャリストであると名乗った。すると彼は「CRMって何だか随分と懐かしい響きですね。まだやってるんですか?」と反応した。初対面の年長者に対する礼節云々ではなく正直、驚いた。少なくとも彼の中でCRMが完全に終わっているという認識に対してだ。

確かに2000年頃の米国ITバブル期においてCRMは一種のブームになり、そこに目を付けたSIベンダーはCRMソリューションの名を冠した高額な製品を大量に投入。しかし、一向に投資に見合った成果が出ないまま米国の景気は失速。ITバブルも崩壊し、CRMはすっかりダーティー・ネームになってしまった。恐らく彼の認識におけるCRMはその時点で終わっているのだ。

日本は第二次CRM全盛期を迎えた?
しかし、日本でもITバブルはあったものの同時にデフレ不況が進行しており、企業が設備投資を引き締めていたことが幸いし「CRMソリューションに投資して大損害をした」という事例はほとんど聞かない。そのかわり、できるところからコツコツという"カイゼン・ニッポン"らしい、全社対象ではなく社内の部門単位で、限定的な顧客に対して一種のキャンペーンマネジメントの変形のような形でCRMは各企業で実行され続けた。この時点で米国型CRMと日本型のそれは全く袂を分かち、別の進化の道を辿り始めたのだ。

そして景気が再浮上してきたといわれる今日、「企業が利益を設備投資などに向けず、消費者に富が環流しないためだ」などと様々な原因が議論されているが、実態として消費者の財布の紐は堅い。そこで、既存顧客に対しいかに増販を図るかといった課題や、見込み客のコンバージョン率をいかに高めるかといった課題の下、CRMが再び脚光を浴び始めた。その証拠に昨年から今年にかけて、大手企業で"CRM部"というような、CRMの名の付いた専門セクションが数多く創設されている。

CRMに登場してきた新たな顔ぶれ
しかし、そのCRM部を持つ企業の顔ぶれを見てみると、以前とは少々様相が異なることがわかる。以前の金融・通信・会員制サービスといった業種の企業だけではなく、トイレタリー・飲料・食品などという業種から一社だけでなく、何社も顔を出すようになってきたのだ。

いうまでもなく、CRMの目的は"顧客価値の最大化(Maximize Life Time Value)"である。しかし、ブランドスイッチも激しく低価格なトイレタリーや飲料・食品の企業はどうやって顧客を囲い込むのか。これらは従来のCRM モデルでは顧客価値を最大化させたり、あまつさえ囲い込んだりすることはできない。

顧客のライフステージに合わせてタイミングよくアップセル&クロスセルを図り、適切なアフターマーケティングで収益増大を図る。さらに、優良顧客に進化した顧客に友人・知人を紹介してもらい顧客の拡大再生産を図っていく。これが、従来の一般的なCRMモデルである。しかし新たに登場してきた業種には、そのように悠長に一顧客に対して時間や手間・マーケティングコストを投下することはできない。となると、従来と全く異なる方法論が必要になってくるのである。つまり、同じCRMの話をしていたとしても、その相手の業種や商材を考えなければ、異業種間の担当者同士、若しくはエージェンシーやコンサルタントは同床異夢の会話を繰り返すことになってしまうのだ。

CRM = Customer Relationship "Marketing"で考え直してみる
過日、当社の創始者であり名誉会長であるレスター・ワンダーマンや、ワールドワイドの会長ダニエル・モレルが来日し講演を行った際、彼らはCRMを "Customer Relationship Marketing"と称していた。ManagementではなくMarketingである。

確かに、以前のCRMはその名の通りマネジメント領域の課題であり、マーケティングより一つ上位のレイヤーに位置づけられていた。それ故、具体的な戦術よりも企業戦略としての完璧さを求められた。しかし、テーマとして大きいだけにその正否の結果が出るには時間がかかりすぎ、仕掛けも大がかりなものにならざるを得なかったのは事実だ。

しかし、現在はインターネットの時代であり、スピードこそが命である。とすれば、CRMはマーケティングのレイヤーで顧客とのリレーションシップをとらえ直し、"いかに効果を上げるか"という観点でより戦術的に、ほかのマーケティング手法とも協力することが必要なのだ。その意味で、前述の二人の講演を締めくくり、社長の須川は「CRMは広告の一部である」と明言したのだろう。確かに新しく現れたトイレタリー・飲料・食品などはマスマーケティングとCRMを同時に展開すれば、両者がバラバラで展開するのと比べ数倍の相乗効果を上げられるはずだ。

CRMの個別最適化を考えてみる
しかし、従来のマネジメント領域の課題としてのCRMが全くなくなりはしていない。以前からCRMの対象業種として登場している不動産業などは、CRMと同時にブランド、CS(Customer Satisfaction = 顧客満足)を経営の課題としてテーブルに上げ、中長期的課題として取り組んでいる。

要するに、CRMはマネジメントととらえるにしても、マーケティングとしてとらえるにしても、もはや一律に語ることができないほどその概念は拡大しているのである。業種や商材、企業ごと、また解決すべき期間によってすべてアプローチは異なるのだ。

となると、もっとも重要なのはそのアプローチを間違えないことであろう。つまり、どのレイヤーでCRMをとらえているのか。そのような成果を、いつまでに出したいのか。具体的な戦術として何を適用したいのか。それらは企業ごと、若しくはそのプロジェクトを任されている担当者ごとに考えは異なる。またCRM 単独で考えず、マスマーケティングと連携するなど、最適化を常に考える必要があるのだ。

さらに、そのCRMというキーワードをどう使うかも検討の余地がある。場合によっては、やっていることはCRMそのものであったとしても、企業によってはCRMというキーワードを全く社内に見せていない場合もある。ある企業は、営業担当者と顧客企業とのリレーションを再構築するというテーマにCRMを活用するというチャレンジをしているが、社内でのキーワードは「営業強化プロジェクト」である。その方が新たな物に取り組まされるというイメージがなく、営業担当をはじめ社内各所からの抵抗が少ないからだそうだ。

考えてみれば、優秀なマーケターが社内の関係各所や、いわんや顧客に向けて「この施策は○○というマーケティング理論を応用している!」と声高に言うことなどありえない。その意味からも、CRMもいよいよ期待ばかり高い、実態不明確なマジックワードではなく、実体を伴った手法に落ち着きだしたということであろう。

次々と実行に移っている今日のCRM
その意味からすると、CRMを考えるに当たってもっとも良くないことは、その概念の議論に時間をかけることであり、成功のカギはいかに実行に移すスピードを確保できるかだといえよう。日本型CRMの特徴である、"できるところから"という姿勢を忘れずに、さらに消費者とのコミュニケーションの現場でもっとも効果を上げる手法を素早く見つけ出し、マスマーケティングも含めて効果を上げられる手法を構築・実施することだ。

極論すれば、今日のCRMは拙速を尊び、巧遅を避けるべきだといえよう。前述の通り"できるところから"初め、PDCAのサイクルを高速で何度も回して、より成果・精度を上げていくのが求められている姿なのだ。その結果、自社に最適化されたものがいわゆる世間で定義されているCRMの形と異なっていたとしても、それは全く問題ではない。繰り返しになるが、CRMの行き着く先は各企業において個別最適化されていくはずだからである。

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