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CRMの成功はなぜ難しいか?「日経NET BizPlus」 連載

category
公開論文
writer
加治 達也
series
IT&マーケティングEYE 第51回
date
2005年10月 6日
themes
CRM

ITとマーケティングを融合した代表例として挙げられるCRM(Customer Relationship Management)。しかし、米国ではITバブルの崩壊とともに、CRMの牽引役となっていたドットコム企業の多くが姿を消した。CRMは、90年代後半から急速に、多くの企業に受け入れられたのだが、その一方で、「CRMは成功させることは難しい」など、ネガティブな意見も多くみられ、「CRMは死んだ」とまで言われた。なぜCRMはその必要性を認められながらも、成功できないものの代名詞になってしまったのだろうか。

様々な企業がCRM市場に参入し、CRMの解釈が統一されていない
成功しているCRMと失敗に陥りやすいCRMがあることにお気づきだろうか。その違いが生まれる背景には、CRMの市場に参入している企業が定義しているCRMは千差万別であるというのが原因とみられる。少々強引に整理すると、日本国内で紹介されているCRMの種類はIT系、マーケティング系、コンサルティング系の3つに大別できる。以下、それぞれの特徴をご紹介する。

ITとして解釈されるCRM
ITとして解釈されるCRMは、「顧客関係管理」という単語をそのまま置き換えたような翻訳で紹介され、顧客情報を管理するシステムとして理解されている。そして、システムインテグレータが中心となって、「CRMパッケージ」と呼ばれるシステムを次々と開発した。その「CRMパッケージ」とは、顧客情報を蓄積し分析して、顧客にとって最適なプロモーションを行うなど、スピーディかつ多彩なマーケティング施策を実行する上で欠かせないシステムだ。このITとして解釈されるCRMは、さらに「アナリティカルCRM」 と「オペレーショナルCRM」の2種類に分類される。「アナリティカルCRM」は主に顧客分析を担い、「オペレーショナルCRM」は主に顧客対応を担うシステムだ。

しかし、その本質はデータベースなので、「自動的にマーケティング施策を考えて、実践してくれるシステム」になってくれるわけではない。また、顧客の好みや属性情報は、変化し続けるため、CRMパッケージに蓄積された顧客情報は、数ヶ月もすると古くなってしまう。つまり、システム導入に加え、マーケティング施策立案や顧客情報更新などの運用面がきちんと設計されていなければ、あっという間に使えないシステムになるのだ。

マーケティングとして解釈されるCRM
このタイプのCRMは、今日的なマーケティング手法を取り込んだ概念として位置づけられている。そして、「顧客とのコミュニケーションによって、いかにして利益を生み出すか」をテーマとしており、企業が実践するマーケティングの方向性を、市場の変化や時代の要請に合わせて変革するという点が特徴だ。また、マーケティング領域に限定してしまえば、最も成功しているCRMといえよう。海外では、前述のITとして解釈されるCRMと差異化をするために、「リレーションシップ・マーケティング」と呼ばれている。

経営戦略として解釈されるCRM
このタイプのCRMは、企業経営全体をその領域としており、最も範囲が広いCRMである。コンサルティングファームが得意としており、企業の組織や機能に応じて「顧客との良好な関係を構築するための課題解決策」を提供している。例えば、自社の顧客と良好な関係を構築するためには、「どのようなマーケティング・営業が必要か」であったり、そのための「評価指標・人事制度とは何か」であったり、「新商品開発に活かすための顧客分析やクレーム分析はどうするか」という課題にブレイクダウンされていく。このように、個別プロジェクトとして実施され、そして、理念や企業文化としてCRMを根付かせようという作用が残る。つまり、CRMという名称で呼ばれないことも多いのだ。

以上のように、CRMには成功しているものや、失敗に陥りやすいもの、形を変えているものなどがあることをおわかりいただけたと思う。しかし、CRMの根底には「顧客生涯価値の最大化」があることを忘れてはならない。

CRMの核は「顧客生涯価値の最大化」
顧客生涯価値(Life Time Value:LTV)とは、顧客が自社に持続的にもたらしてくれる売り上げ総額(利益総額)である。それを最大化させるポイントは、「既存顧客を維持し、顧客獲得コストを減少させること」と「既存顧客のリピート率(再購買率)を向上させ、優良顧客にすること」である。つまり、顧客の投資対効果を将来の経済価値として計算し、高めていくことを指標とするのだ。

多様化し、複雑化した市場から顧客を探し出すためには、CRMパッケージをはじめとするITは欠かせないし、顧客情報の獲得や購買につなげる施策も必要だ。そして、顧客と良好な関係が構築できたら、それを継続的かつ安定的に維持できる企業構造も必要となってくる。「顧客生涯価値の最大化」を目指すことで、移り変わりが早い今日でも、企業は中長期な経営ビジョンをイメージできる。このように考えると、「CRMは死んだ」とするのは、まだ時期尚早なのではないだろうか。

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