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どこに向かう? ビジネス活用でのソーシャル・ネットワーク・サービス

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
戸野 真維
series
TIPS★TIPS No.30
date
2005年10月13日
themes
コミュニティ

期待がさらに高まるSNS
当コラムの昨年4月号で、インターネット上で参加者同士が共通の趣味や嗜好を公開・共有し、友人の輪を広げるコミュニティ=SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)の概要を、SNSのビジネス利用における可能性に触れながら紹介した。

参考バックナンバー1 TIPS★TIPS 2004年 4月号

その後1年半の間に、SNS国内最大手であるMixi(ミクシィ)の会員数が100万人を突破、また総務省によるとSNSのユーザーが2007年にブログユーザーを上回る1,042万人に達すると予測するなど、SNSの利用者は増加の一途をたどっている。不特定多数のユーザーに対して広範囲に訴求でき、かつユーザーの趣味・嗜好、居住エリア、性別、年代、出身地はもとより、人生観といった心理的な部分も奥深く掘り下げた情の取得が可能といった点から、新たな顧客囲い込みのマーケティング・コミュニケーションツールとしてSNSの導入を検討、また実際に導入し、実績を上げている企業も多く見られるようになってきた。

SNSの利点・再考
従来の企業からの情報発信を主体とするホームページ(新発売告知やプロモーションサイトなど)の場合では、企業側が伝達したい情報を、必要に応じた頻度で掲載するというように、送り手側は情報の発信内容において、コントロールを図ることはできる。しかし、顧客視点で、ターゲットを絞り込んでメッセージを掲出したとしても、企業側のメッセージである意識を完全には拭えず、どうしても、一方的なプロモーションの域を超えにくい部分があった。

一方、SNSにおいては、コミュニティ内で参加者との議論がうまく盛り上がれば、参加者同士が自己増殖的に、時には秒単位で、自社商品・サービスについて意見交換を重ねていくことで、情報の精度が高まっていく。参加者の意見は、客観的であり、企業からの一方的な押し付けではないという心理状態であるため、商品・サービスのメリットを、自然な形で受け入れてくれることを期待できる。まさに、顧客側のニーズにぴったり合い、タイムリーな話題となり、あたかも自分たちのためにその商品・サービスが用意されている意識に自然と持ち込むことができるのが利点であるだろう。

そこで、先行する企業の成功事例を見ながら、新しいコミュニケーションツールであるSNSがどのような商品・サービスに向いているのか、また企業がSNSを運営するにおいてどのような着眼点で効果を狙うべきかをまとめてみることにする。

ロイヤルティ・利用促進の向上として
SNSが向く商品・サービスの共通点として挙げられるのは、こだわり、趣味嗜好、人生観など、心理的な部分に大きく左右されるものである。日本では、SNSを先行して導入、成功した事例として知られるのが、全日空が運営する「ANAフレンドパーク」だ。ここで参加者は「スキー」「ゴルフ」「ファミリー」などのジャンル別コミュニティに参加し、「行ってよかったゲレンデ」「おすすめゴルフ場」「ペットとの旅行」などのトピックについて語り合うことができる。コミュニティ参加者たちがそれぞれの旅の思い出話を他の参加者と共有することによって、コミュニティ内での交流が生まれ、「旅をする楽しさ」が口コミ効果によって広がっていく。コミュニティ参加者全員が「旅のアンバサダー」になるというわけだ。心地よかった旅の思い出を共有することで、顧客の旅や飛行機の利用促進、およびロイヤルティ向上につながる効果を果たしている。

もうひとつの日本発SNSの草分け的存在であるヤマハの「プレイヤーズ王国」では、参加者が他の音楽仲間と出会えるほか、自身で作曲・演奏した曲をコミュニティ内において共有し、他の参加者達からフィードバックをもらったり、投稿した自身の楽曲にアレンジを加えてもらったりなど、参加者に対して作品発表の場を提供することにより楽器とのふれあいを高める場としてSNSが利用されている。これまで演奏の機会を得ることのなかった顧客は、顔を見ることがなくともコミュニティを広げ、音楽活動の楽しさを、他に伝えていく。商品の利用機会を拡大する典型的な成功事例と言える。

商品開発での新しい可能性
「プレイヤーズ王国」の応用版となるが、アメリカではInstatoneというインターネットラジオ局が、新人ミュージシャンたちの演奏を配信し、コミュニティからフィードバックに応じてプロデビューへの道も開くといったサイトを運営している。このサイトの秀逸な点は、ミュージシャンの評価が高ければラジオでの放送時間をどんどん長くし、逆に評価が低ければ演奏時間が減っていくという仕組みにして、ダイレクトに観客の声を反映できるようにした点だ。日本においても、同様のSNSビジネス展開として注目を集めそうなのが、インデックスキャスティング社のSNSである。今年9月に設立されたばかりの同社は、デビュー前の新人ミュージシャンの楽曲を自社 SNSで配信し、参加者の声に応じて楽曲をダウンロード配信して、販売していく。レコード会社のフィルターを通さない、真の市場・聴き手の評価やニーズを受けて生まれるミュージシャン達が活躍できる場として期待される。こうした事例では、コミュニティの中で評価の高いものは商品を売り出すが、そうでないものは改良を加える、場合によっては取りやめるなど、新しい商品開発のあり方として活用の場面が広がるのではないかと考える。

誰でも参加でき、まったくの見ず知らずの人間同士が匿名でコミュニケーションを行う掲示板と異なり、SNS内部においてユーザーは、自身の情報をある程度開示した(現実社会に近い)状態でコミュニケーションに参加するので、SNSに寄せられる情報はある程度高い精度が見込まれる。こうしたコミュニティに意見を寄せる人は、能動的なタイプが多く、自分でインターネット、メール、雑誌などでこまめにチェックしている、店員の話を聞く、友人や同僚などとの意見交換も積極的など、情報収集に熱心であり、客観的に自分の意見を述べてくれている傾向にあることで、信憑性の高い情報となっていることも大きい。

また、寄せられた情報履歴から商品別、あるいは会員の趣味嗜好・年代、地域、職種などの属性別にソートし、フィルターをかけることによって、ユーザーの声をリアルタイムかつダイレクトに集めた情報源として、商品開発に活用することも考えられる。
さらに、与えられた任意の質問に答えてもらう従来の調査と違って、顧客より自発的に発せられる意見にさらに他の顧客が呼応する形で、企業が想定しえなかったリアルな生の声の情報入手が可能となっていくこともポイントである。

SNS構築の留意点
いいことづくしのようだが、費用面・運営面から見てみてSNSは、企業がおよそ「手軽に」始められるとは言いがたい面もある。コミュニティにおいて議論が盛り上がれば、自社に不利な発言や他社製品についての議論が発生することもある。その中には顧客視点でみた、市場の本音ともいうべき情報が含まれていることもある。そのような発言を企業側はどう受け止め、またコミュニティ内においてどのように対処していくのか予め考えておく必要がある。利用者や発言内容を限定すれば、参加者にとってコミュニティの魅力が損なわれてしまい、またコミュニティを放置してしまえばいわゆる"荒らし"が発生するといった危惧もあり、企業がマーケティング効果をねらいSNSを運営する場合には、それなりの覚悟が必要だ。

消費者が購買行動に至る前に、欲しいと思う商品を自らインターネット上で情報収集を行うことが当たり前になってきた昨今、消費者との双方向型コミュニケーションツールとしてのSNSの意義は今後さらに大きくなるとみられる。

最後に、企業がSNSを自社で展開する上で留意すべきポイントを3つのTipsとしてまとめておく。

  1. コミュニティに投稿される意見は不特定多数の人間によって形成されていることに意義があり、決して人工的なバイアスをかけないこと 企業側が意図的に自社にとって好意的な意見ばかりを掲載・醸成しようとする情報操作が発覚すれば、そのSNSやコミュニティは敬遠、あるいは最悪の場合排除される。参加者は、企業主体の広告メッセージやプロモーションの匂いを敏感に嗅ぎ分けるのである。
  2. 参加者からの自社に対する不利な発言も真摯に向き合うこと 自由に語り合いたい参加者は特定のトピックに縛られたくはないし、まして義務的にコミュニケーションを行いたい気持ちも持ってはいない。企業側は、自社 SNS上においてマス広告では伝えにくい販売や制作・開発の現場からの声を発信することができるが、ユーザーがどう応えるのか、誠意を持って向き合うことであり、不利な意見でも、一つの声として認めることである。"荒らし"が出た場合を除いて、ネガティブな意見も含め、参加者に自由に意見交換を行ってもらう姿勢が必要だ。
  3. 一朝一夕で結果を求めないこと SNSは、認知促進のために、企業が思い通りのメッセージを世に送り出すコミュニケーション方法ではなく、ユーザーによって意見が交わされ、短期的には好意的な意見も、自社と自社の製品を貶めるようなマイナスの意見も書き込まれる諸刃の剣となる場合もある。しかし構築するからには参加者のレスポンスに一喜一憂せず、中長期的に見守ることで、真の顧客ニーズを知ることができるのである。

顧客間の議論の中から生まれる新たな価値こそが、企業側だけでは決して生み出すことができない財産であり、じっとその声に耳を傾けていくことが大切となるだろう。

参考バックナンバー2 TIPS★TIPS 2004年 11月号

*記載の社名・サービス名は各社の登録商標または商標です。
*記載のサービスは、2005年 10月 10日現在、当社調べによるものです。

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