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電通ワンダーマン(エントリー)

営業日報を意思決定システムに変革しよう! IT & マーケティングEYE 第53回 〜「日経NET BizPlus」 連載

  • 加治 達也
  • 2005/11/10

[IT & マーケティングEYE]

今、マーケティング戦略の見直しやタイムリーな意思決定に活用するために、営業日報が注目されている。顧客の声、市場やトレンド、競合企業の動向など生きた情報は現場の営業担当者が持っている。変化が激しい今日では、より質の高い情報をより多く、そして早く集めることが欠かせない。その手段として、古くからのツールである営業日報が注目され、営業からどのような情報を吸い上げるべきかという、真剣な見直しが始まっているのだ。

営業マンの行動管理では、戦略は策定できない
企業で業務系システムが盛んに導入されていた頃、営業日報の機能を持っているSFA(sales force automation)が人気だった。しかし当時は、顧客や市場の動向を効率よく把握するための導入事例は少なく、営業担当者の「サボり」の監視や、顧客への未訪問期間が長くなっている案件の洗い出しなどの、いわゆる「行動管理」が主な目的となっているケースが散見された。戦略の実行フェーズにおいては、行動管理は重要だ。しかし、市場の移り変わりを捕らえるという目的を優先する場合には向いていない。「ITを駆使して攻めの経営へ」がトレンドとなっている今、「行動管理を目的とするSFA」を見直す事例が増えているのも、このためではないだろうか。

市場や顧客の観察を日常的に行うために
マーケティングの基本戦略を策定する際、仮説を導き出すために「市場調査」を行う。そこから戦略の核となるコンセプトを策定し、アクションプランとなる広告や販促ツールの役割、営業プロセスなどを定義できる。戦略策定の前提となっているこの「市場調査」を、日常的に行うことはコスト面から難しい。しかし、効率もよくタイムリーな情報収集の手段となるのが営業日報(または週報)なのである。
市場や顧客を日常的に観察するツールとして活用するためには、「レポートを提出する立場での意義が明確にされていること」が欠かせない。現場の営業担当者のレポートが自社の戦略判断に役立ち、具体策に展開されれば、現場には「レポートが活かされている」という実感が得られる。モチベーションの向上にもつながり、「攻めの経営」の原動力となるのだ。

レポートに多くを求めないこと
「10:00〜12:00は○○会社に行って提案した」など、一日の出来事を時間単位できめ細かくレポートするような営業日報は、もう古い。行動管理は日報で行うのではなく、サポートシステムで営業マンの稼動状況が管理者から把握できれば十分だ。むしろ、企業のマーケティング活動全体を俯瞰する視点から、必要なレポートのフォーマットやボリュームを定義する必要がある。また、長文の営業日報は戦略判断を迅速に進める観点から好ましくない。

形骸化の恐怖を克服しよう
営業日報システムを導入する際、「入力が面倒で続かない」「報告が活かせない」「言い訳や都合のよい報告ばかりだ」等々、不安がつきまとう。こうした理由で導入に二の足を踏むケースや、円滑に運用できないケースも多い。しかし、「戦略的な意思決定に役立てるためのシステム」であれば、営業担当者が収集・レポートすべき情報が明確になるため、意思決定する側の欲しい情報が手に入れられる。以下、営業日報システム導入のポイントを簡単に紹介したい。

  1. 営業担当者の日常生活や業務態度の監視を目的としない。
  2. 市場動向・顧客ニーズ・トレンドの分析につながるレポートを求める。
  3. レポートが意思決定に活用されていることを、現場の担当者に知ってもらう。
  4. 自動入力機能やモバイルで入力できる等々、報告負荷を軽減する仕組みを取り入れる。

インターネットで入手できる情報は競合他社や顧客も入手できるため、それだけでは強みにすることはできない。だからこそ、現場の営業担当者が入手した営業日報の情報や分析は、企業にとって「宝の山」となる。ITを駆使した「攻めの経営」の取り組みとして、営業日報や週報を見直してみてはいかがだろうか。