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"共感"から新規ビジネスを生み出す、B to B コミュニケーション ―「お客様事例」の価値を高める 3 つのルール ―

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
佐藤 秀治
series
Wunderman's view No.34
date
2005年12月 1日
themes
B to B ビジネス

B to B のコミュニケーションの中で、お客様事例を用いる場面は多いことと思う。Web や冊子に掲載されたお客様事例には、親しい友人からの口コミ情報にも似た、強い説得力があるものだ。営業の現場で、「え、これって○×社さんも導入しているの ? 」というお客様の驚きから、商談に弾みをつけた方も多いのではないだろうか。

しかし、お客様事例の作成には、繊細な配慮が必要となる。自社の製品やサービスをアピールする気持ちばかりが優先されてしまうと鼻持ちらならない喧伝になりかねないし、取材対象となるお客様のビジネスニーズをしっかりと描くことができなければ、ほかのお客様が共感するストーリーを構築することはできない。そこで今回は、お客様事例を用いたコミュニケーションにフォーカスを当てた。

ストーリーの"リアリティ"を高めるために
お客様事例では、取材対象となるお客様の企業名やビジネスの内容が、そのまま自社の製品やサービスのアピールになる。しかし、"優れたお客様事例"とは、「お客様企業名と導入製品名を伝えて終わり」という単純なものではない。製品やサービスが現実に活用されている"モデル"を示し、読者の共感をもって、次のビジネスの発掘につなげなくてはならないのである。例えば、本場の味を再現した評判のピザ職人が選んだオーブンの話を事例にする場合、オーブンのメリットを長々と書くよりも、そのピザ職人が日々こだわって提供しているそのお店ならではの「味」と、その結果である「店の盛況ぶり」を伝えることが重要である。

単純に「このオーブンは○度の熱で、一度にピザが何枚焼けます」と言われるよりも、「私の好きな本場のピザはね、生地が薄ければいいというのじゃなくて、表面がパリッとしつつも、中がモッチリとしているんです。これを焼き上げるには本来はやはり大きな石窯がいいのだけども、このオーブンなら、遜色ないですね。うちの小さなキッチンにもちょうどいいサイズなんですよ」と言われた方が、余程説得力があるのだから。

そして、お客様事例のリアリティを高めて、より効果的なコミュニケーションを成立させるためには、取材中に得た「耳の痛い意見にも背を向けない」姿勢というものがポイントになってくる。

例えば、とんがった形状の、SF的なデザインのイヤホンを新発売した場合、「つけるときに少しばかり面倒だけど、これイイね。かっこいいよ。つけてるところを、人に見せたくなる。ちょっとした優越感 ? 」というコメントと、"面倒"というワードをネガティブだとして削除したコメントでは印象が大きく異なる。お客様が知りたいのは、写真を見れば分かる「かっこいい」というワードではなく、着用したことのある人間でなければ分からない「つけるときに少し面倒」という実感なのである。そして、この事例の場合は「面倒」にもかかわらず「かっこいい」と喜ぶ様子が、むしろ「デザインの良さ」を強調しているともいえる。

B to B のお客様事例だからこそ、気をつけるべきこと
B to B の事例を作成するときも、基本は変わらない。自社製品をアピールするうえで、「ネガティブ」だと思われるキーワードを徹底して削除してしまえば、記事からリアリティが失われてしまうのだ。B to B の事例に登場するお客様企業は、つまり「取引きのある」企業だ。マスコミが第三者的立場から書き上げた記事とは違い、「企業と企業」の関係から成り立っているお客様事例は、常に、一歩引いた冷めた目で読まれていると心得て、この厳しい目に耐えるため、少しの「謙虚」さがあったほうが良い。

自社の製品アピールを多くしたいばかりに、お客様の台詞をほとんど用いずに制作側(企業)による説明文を延々と記述してしまうことは、避ける必要がある。製品やサービスの詳細な説明は、Webやカタログ冊子の紹介ページに任せればいいことなのだ。お客様事例の価値を守るためにも、より印象深い記事を作るためにも、「お客様の声を最大限活かすこと」が非常に大切である。

例えば、とある企業の佐藤氏に取材して、下記にある2種類の文章を作成したとする。

A. 佐藤氏は、この XXXXX 05 年版モデルを、セミナーで初めて目に したときに、兼ねてからの課題に対するソリューションとして最適であると感じたと言います。それはこの XXXXX 05 年版モデルの●●機能によって、▲▲と■×○をつなぐことで、○○○がうまく連携し、XXXXXXXX を実現していたからです。
B.  「一目見て、『これだ』と思いました」と、佐藤氏は XXXXX 05年 版モデルに対する印象を語ります。「セミナーを聞いて、今まで悩んでいたことがこれで解決できると直感しました。そこですぐに詳細な検討を始め、要件定義とテストを繰り返した結果、コストも性能も、すべてニーズに見合うという確証を得たのです。」この製品導入により、▲▲と■×○の連携が・・・

いかがだろう ? 2 つとも、取材事実には反していない。しかし、どちらの方が読みやすく、そして印象に残りやすいか、すぐに判断がついたのではないだろうか。このように、コミュニケーションの中で、自分たちの主張とお客様の生の声を、どうバランスさせるかによって、読者が受け取る印象はまったく異なるのである。

"理想的な"お客様事例を作るために必要なこと
「耳の痛い話にも背を向けない」、「お客様の声を最大限に活かす」という2つのポイントに絞って話を進めてきたが、最後にもう1つ、すべての事例記事に共通する基本的なルールについて触れて、今回の話を終わりにしたい。

冒頭、私は「お客様事例は、親しい友人からの口コミ情報にも似た説得力」があると書いた。そして、この説得力は、取材対象であるお客様企業と、読者となるお客様企業のすべてに対する「敬意」があればこそ生まれるものなのである。

口コミの効果は、情報をもたらす人物の人柄や好みなどが分かっていて、なおかつそこに敬意や親近感があるからこそ「あの人が『いい』と言うなら大丈夫」と思わせるものだ。これと似た効果を得るためには、取材対象となるお客様企業のニーズと、これまでの課題、アピールしたい製品やサービスを活用して推進しているビジネスを、敬意をもって、しっかりと掘り下げることが重要なのだ。不仲な友人の口コミを重視する人が少ないように、「成功したビジネス」を参考にする人はいても、「何の魅力もない」ビジネスを真似する人はいないのだから、これは当たり前のことである。

 企業は、聞くべきである――。

レスター・ワンダーマンが、『成功するすべての会社が知っている 20 のルール』の最後に記したこの言葉は、お客様事例を考えるうえでも有効である。

お客様事例は、製品やサービスの利点を力強くアピールするだけではなく、自社の企業としてのイメージにも直接影響する、重要なコミュニケーションだ。だからこそ、自社の主張だけではなく、お客様の声にしっかりと耳を傾ける誠意を忘れず、取材の場でも、文章(コミュニケーション)の中でも、絶えず敬意を払うことが重要なのだ。

事例に描かれたお客様の喜びの向こうに、「そのお客様の成功を喜んでいる」自社の姿勢が見えること。それが、お客様事例の理想のあり方ではないだろうか。

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