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単純カツ大胆ナCS調査ノススメ

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
久野 克己
series
Wunderman's view No.35
date
2006年1月 5日
themes
調査・分析

今、CS調査が熱い。

正確にいうと、決して行われていなかったわけでなく、1980年代以降、地道に取り組んでいた企業もあったのだが、各所で「CS調査」「顧客満足度調査」といった単語の露出が、今さらながら非常に目立つようになってきたということだ。

昨年8月には、金融庁が、金融改革プログラムの一環として、銀行や証券などの金融機関に対し、利用者の満足度に関する調査を実施し、それを受けた改善策の取りまとめを来年度初めに金融庁に報告する旨の要請も行われている。

なるほど、カスタマーセントリックの概念が常識となった昨今、以前にも増して顧客インサイトの重要性が謳われ、顧客との関係性が重視されていることを考えると、不思議な話ではない。経営の改善にも、非常に有効な知見を得ることができる。

しかし、その内容をみると、例えば「当社のサービスに満足されておりますか?」の1問で終わってしまう、かなりライトなものも少なくない。また、苦労して実施した調査の結果が、何の使い道もなく放置されている傾向も時々見受けられる。CS調査とは、定点観測の意味合いを持つと同時に、その結果を以後の施策やコミュニケーションへ活用していく点がキモであるにもかかわらず。

すべての顧客の満足度を把握?
CS調査を経験した方は思い当たる節があると思うが、本来「顧客満足度調査」なるものに反応する顧客は、特定の層に限定される傾向がある。程度の違いはあれ、要は「ファン」もしくは「アンチ」な顧客のシェアが高くなるということだ。何らかのスペシャルなベネフィットを得た顧客の「感謝の意を示す」場であり、あるいは何らか腹に据えかねる経験をした顧客がこれ幸いと「一言物申す」場であったりする。

こういった特定の層のみが支配する状態を避けるために、CS調査を実施する場合、顧客の全体性や代表性を損なわないよう工夫を凝らすわけだが、これが非常に難しく、また相応の労力やコストを必要とする。例えばサンプリングフェーズにおける対象者抽出方法論の策定や、回収率を高めるためのオファーへの出費など。

しかし、これらの対応策も、思うような効果がなかなか上がらないのが実情である。抽出方法については、実施サイドがどれだけ顧客の情報を有しているかによって制約されてしまうし、魅力的なオファー提示についても、予算がかさむ上にオファー目当ての回答者が増えてしまうというデメリットも発生する。いずれにしても、劇的に有効な手段も方法もあまり見当たらず、「隔たりなく全ての顧客を反映した結果を得るべし」といった、実行困難なお題目だけが一人歩きしているように思われてならない。

CS本来の目的を再度確認せよ!
ここで、いったん振り返ってみよう。そもそもCS調査を実施する「意図」は一体、何であるのか?「満足度」という性質上、その主眼は新規獲得 <アクイジション>ではなく、顧客活性化<リテンション>にある。結果的に得られた知見をアクイジション施策へフィードすることもあるが、いずれにしても、先の代表性云々の話も踏まえてそれらを整理すると、その実施目的は「遍く顧客全体から満足度指標を得て、今後の施策へ反映させる」といったあたりになるのではないだろうか。

より具体的に整理すると、満足度向上および不満の解消とは概ね「ロイヤル顧客の維持」「ロイヤル顧客の拡大」「顧客の離反防止」の3点に集約されよう(もちろん、これらの背景には、結果としての売上やLTVの向上が存在している)。

さて、上記目的を踏まえたうえで、ここでひとつ問題提起。
はたして本当に顧客「全員」の満足度を得ることが必要なのだろうか???

「ファン」と「アンチ」でいいという見方
リレーションシップ・マーケティングにおいては、CSM(個客識別マーケティングCustomer Specific Marketing)に代表されるように、もはや顧客の識別や差別化は当たり前となっている。今さら言うまでもないが、 CSMの基本的な考え方は『顧客を「個」客として認識し、優良顧客と非優良顧客に識別分類』『コミットメントのレベルに応じて、提供サービスをコントロール』の2点に集約される。例えば、昨今の銀行では、顧客のサービス利用レベルに応じて、優遇するサービスを分類している。

単純な話である。リレーションシップ・マーケティングの視点から見ると、把握する対象は、少なくとも「顧客の維持継続」「顧客の離反防止」の2点に限っていえば、当面「ファン層」と「アンチ層」で十分なのである。つまり、ロイヤリティの高いファン層の満足度とそのポイント、離反予備群とおぼしきアンチ層の不満足度とそのポイントが把握できれば、それだけでCS調査本来の目的のすべてといわないまでも、かなりの範囲がクリアされる。「ロイヤル顧客の拡大」に関しては、やはりフラットな顧客層の満足度聴取が不可欠な場合もあるが、その場合そもそもロイヤル顧客の定義や特性を掴むことが必要である。

CS調査には「ファン層」と「アンチ層」だけいれば(当面)十分。

なかなか口を開かない、腰の重いサイレント・マジョリティ(中間層)のデータ回収のために、お金と時間と労力をかけるだけのメリットが、はたしてどのくらいあるだろうか?

今回は、本来のCS調査をやや「視点ずらし」的に見てみたわけだが、次の機会では、より具体的な実施論や設問項目の考え方、分析方法、施策へのフィードバックといった観点でCS調査を取り上げてみたいと思う。

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