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インターネットにおける「価値観」の側面-2

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
杉山 実
series
TIPS★TIPS No.40
date
2006年8月17日
themes
Webマーケティング

5月号の TIPS ★ TIPSで、筆者はインターネットにおける「場」の13の構成要素について述べた。

Tips・Tips No.37

さらに筆者はこれを式化し目安にしているので、参考までにご紹介しよう。

  • 高揚感={(ムード−義務感)×(商品の希少性+タイミング)}
  • 価値観={(商品ステイタス+ブランド感)×(第三者のレコメンド+自己評価)}
  • 必然性={(必要性×予算額×市場相対コスト感)−(絶対的価格×コストパフォーマンス意識)}

その結果として、購入のバリュー(企業にとっては利益、消費者にとっては効用)は以下のように定義される。


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さて、これにどのような意味を持たせるべきだろうか。ECサイトに対象を絞って考えてみよう。

「欲望」の階層
最近のマーケティング理論では、ひとつの商品(ジャンル)において消費者の傾向を塊(マス)としてマッピングし分析する手法とは、やや別の考え方が出てきているようだ。

例えば、従来唱えられてきた AIDMA の法則は、このインターネット時代においては AISAS(アイサス)*の法則に置き換えられようとしている。

ここで言う AISAS とは......

  • Attention:注意が喚起される
  • nterest:興味が生まれる
  • Search:検索する
  • Action:購買する
  • Share:情報を共有する

AIDMA が「消費者行動」をアウトラインで表す理論であるのに対し、AISAS はより連動的であり、かつ「個」の動きにも重点を置いた考え方であることがわかる。つまり、これからのマーケティングの考え方として、ひとつの商品に対してニーズを持つ人を見つける機能が情報発信者側に求められているのではなく、「消費者の心をどのように動かして需要を喚起させ続けていくのか」が手法として求められつつあるのだ。

前回のショッピングモールの例などは、一見すると「接点機会を増やせばより多くの潜在消費者に引っ掛かる」という単純な手法に思えるが、実はそうではない。重要なことは、「消費者自らに行動を起こさせるためには、『場』造りが必要だ」ということなのだ。

筆者の考えでは、消費者個人のニーズ......換言すれば「買う気とタイミング」は次の4階層(レイヤー)に分かれて「個」の意識の中に存在している。

1)必然層ニーズ
2)顕在層ニーズ
3)潜在層ニーズ
4)最深潜在層ニーズ

それぞれを簡単に説明しよう。

1)は、日常品や企業の購買時に感じる最表層のニーズだ。買う物も必要条件も決まっている場合、消費者は価格・取引条件などの外的要因が最も自分に優位な購買をするだろう。その時、チャネルが別にWebである必然性はない。

2)は、買いたいものはイメージされているが、具体的条件や商品の外郭が明確になっていないニーズで、「白いシャツ」とか「シブい鞄が欲しい」というレベルだ。この層は、従来のAIDMAではDesireからMemoryの過程で止まってしまうかもしれないケースである。

3)は、ニーズを持ちながら、具体的なイメージを持たないまま欲望が深層心理に隠れてしまっている場合だ。このケースでは、何らかのきっかけが与えられた瞬間に欲望が行動に結びつく可能性が高い。「学生時代に買えなかったギターを買った」などはこの典型例である。

4)は、自分ではまったく意識していなかったが、何らかの「突出した条件」が提示されたときに突然ニーズが生まれるケースである。「骨董店で残り一枚の古伊万里に一目惚れ」などは、この最深層における衝動だ。

当然、1)に近いほど行動に結びつきやすいが、次項に述べる理由で、個々のマーケットは小さくなる。反対に4)に近いほど行動を規定しづらいが、無限のマーケットを秘めていると言えるだろう。

では、インターネットという媒体との親和性を考えてみよう。1)層は、リアルと「購入条件」で比較され、フォローは苦しい。2)層は、そのWebサイトがどこまで具体的イメージをダイレクトに伝えられるかによって異なるだろう。検索機能を充実させたり、商品のビジュアルイメージをできるだけトップページに並べたりするEC的手法は、この発想である。実は3)層こそが、現状におけるインターネットの優位層で、ロングテールを支えているのはこのニーズなのである。

ヒットは深層心理から生まれる
では、Webに携わるマーケッターとして、我々は何を考えるべきだろうか?

小規模のビジネスを成立させるためには、1)または2)の層に訴えればよい。しかし、この層から生まれた市場には競合が多数存在するため、商品以外の部分で付加価値を提供し続けなければならない。それは絶対的な価格の優位性やWebのユーザビリティなどである。

ヒット商品を作り出そうとするならば、3)層に恒常的に「刺さる」要素を提供し続ける必要がある(リアル世界の代表的成功例がSONYのWALKMANだった)。さらに、もし4)層に確実に訴える手法を構築することができれば、その商品(サービス)は市場において独占状態となり、莫大な利益を企業にもたらすはずだ。なぜなら、購入者はその商品の価値を常に最大限に見ているため、原価とはまったく関係のない価格設定が可能になるからである。芸術品や趣味・嗜好品がこの類であることは、言うまでもない。

ところが現実を見ると、インターネットのWebサイトは、この3)4)層に対して基本的に無力なのだ。3)層はある意味でインターネットの得意分野のはずなのだが、恒常的に「刺さる」要素を提供できてはいない。問題は消費者の意識の喚起がどこで行われるか、である。

実は、リアルのショッピングモールが「モール」である理由は、1)2)層のみならず、3)4)層のニーズをも取り込もうとしているからなのだ。特に、特定し難いニーズを含む4)層に購入のきっかけを与えるためには、商品のみならず「文化」や「トレンド」をも含んだ非常に広範囲のキーワード提供が必要になる。「場」という発想はここから来ているのだ。

このように、ショッピングモールはその機能を自ら持とうとしている。ではインターネットはどうか?......これが実は大きな問題だったのである。

そこで筆者が提唱したいのが、「軸」=「価値観の基準」の提供だ。

「軸」の必要性
上記のように、3)4)層はWebサイトの正否を分けるレイヤーである。しかし、もしそのWebサイト以外の「場」......例えばテレビや雑誌などで消費者の意識が喚起されたとすれば、Webサイトは購入のひとつのチャネルにしか過ぎなくなる。それがロングテールにつながると言ってしまえばそれまでだが、需要の喚起を第三者に委ねるのであれば、方向性もわからず無限に品揃えをし続けなければならないことになるではないか。

そこで、Webサイトは一定の「基準」を持たねばならなくなる。これが筆者の言う「軸」である。この3)4)層に「刺さる」商品は、必然性が薄い代わりに趣味性が高いもので、同時に価値観の判断が個人によって大きく異なる場合が多い。そこで、その「価値」を判断していただくために、潜在消費者に価値基準を提示する必要があるわけだ。

提示の仕方は、発信側の論理でまさに多種多様である。例えば「人」を出す場合がある。様ざまなインフルエンサーと呼ばれる人たちのライフスタイルをコンテンツとして提示する。その価値観=「軸」に共鳴した場合、彼らが推薦した商品を消費者は受け入れるというわけだ。

また、口コミで商品を評価するコンテンツを提唱する場合もある。「使ってみなければわからない」ものをインターネットで買うためには、やはり評価のための基準が必要なのだ。

目に見えない、あるいはあやふやなイメージしかない3)4)層のニーズを取り込み、大きなビジネスにつなげなければならないからこそ、我々は費者に積極的に「軸」を与えていかねばならない。現在、その「軸」の主役はコミュニティである。

前述のAISASで特に重要なのは二つのSだが、その中でも後の S=Shareこそがこの新しい「軸」を支える基礎になっている。インターネットをはじめとしたインタラクティブ領域では、すでに発信者側の情報が絶対的な価値を持たない(=「軸」になれない)からこそ、Web2.0的な第三者の意見の集積が「軸」=「価値観の基準」になれるのである。

自分の意見を不特定多数の人間に伝える。受信した人間は、自分の意見を加えた上でそれをまた別の第三者に伝えていく......こうして、価値観は伝播していくことになる。ただし、これはあくまで一例である。企業の中には、デジタル上の口コミの悪影響を恐れるケースが多いのも事実だ。彼らは自分たちの不利になる情報を流されるデメリットを恐れるあまり、その手法を使いこなすという考え方までは至らない場合が多いのである。

コミュニティはコントロールできる?
話を冒頭に戻そう。あらためて先にご紹介した公式をご参照いただきたい。


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「軸」を与えることによって価値観を最大にしたとき、企業(発信者)が得る購入による利益は、数・質ともに最大値に近づいていくことがおわかりいただけるだろうか。一方、1)2)層では高かった必然性は3)4)層になるほど低くなっていき、それに伴い、企業が得る利益も消費者が得る効用も最大化されていくのである。

問題はやはり、「軸」そのものをどう定義するかだ。筆者は、その手法をコミュニティの構築→消費ニーズの明確化の流れに求めたい。ところが、企業側は口コミ媒体をどのようにコントロールできるか懐疑的......とすれば、ここはコントロールのための手法を同時に定義していかなければならないだろう。

筆者にはおぼろげながらアイデアはあるのだが、すでに規定文字数を大幅にオーバーしてしまっている。残念ではあるが、また別の機会に詳しくお話するとしよう。

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