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実証:そのコミュニケーションツールで、なぜ人は動かないのか

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
明石 智子
series
Wunderman's view No.53
date
2007年7月12日
themes
その他

最近、お客様の企業が以前に制作した申込書や会員向けマニュアル、購入促進パンフレット、ダイレクトメールなどのコミュニケーションツールについて、相談を受けることが増えている。相談理由としては「申込書に記入ミスが多く、入力作業がはかどらない」、「ガイドしても顧客の問い合わせが減らない」、「顧客が理解しやすく、読みやすいものになっているのか自信がない」などである。そこで、一度、顧客の立場やクリエーティブの視点から専門家に客観的に見てもらい、問題点を洗い出し、改善の方向を示してもらえないかというのである。

実物を見せてもらい、話を伺うと、そうしたツール類の大抵の共通点は、「顧客からのクレームが心配で、こまごまとした注釈文を付けている」、「記入項目をできるだけ多くしておいた方が、聞き漏らしがない」、「各担当者から入れてほしいという情報を、プライオリティ付けできないのですべて盛り込まざるをえない」、「リサーチなどで購入決定要因となった点をすべて入れないと、レスポンスが心配」、「改訂につぐ改訂で、さまざまなレベル、時点の情報を切り貼りしてレイアウトした方が手っ取り早い」などである。
結果として、"ごちゃごちゃした"内容・見え方のツールになっているのである。

当社では、顧客視点に立って、顧客の行動を喚起させる分かりやすい表現になっているかを確認・評価することによる「クリエーティブ診断(以下CR診断)」を実施している。そこで今回は、同じような悩みを抱え、あるいは感じておられる方々に向けて、CR診断の一端をご紹介したい。

CR診断は問題の洗い出しから
診断では、大きく以下のステップにわけて検証を実施し、診断のみならず最終的には改善案(サンプル)までを提示させていただいている。

STEP1 お客様の担当者から企画意図、顧客による利用のされ方、企業側の問題点をヒアリング
STEP2 表現上の問題・課題の抽出と方向性の提示
STEP3 改善ツールのサンプル制作
STEP4 利用者によるチェック
STEP5 利用者の声・チェックを反映したサンプル制作

まず、最初のステップとして、担当者から何のためにそのツールを制作したのか、目的を伺うことから始める。その際に、申込書であれば、記入もれが多い項目、電話での質問が多い部分をはじめ、手ごたえや意見などを、利用者と直接かかわっている方からお聞きすることで、使用状況の確認も合わせて実施している。

以上のようにツールの目的や問題点を再認識した上で、CR診断に入っていく。必ずツールには目的があり、最終的にはその目的を達成させるための構成を考えていくのが基本となる。
例えば申込書であれば、商品を期限までにお届けするために記入漏れがないように、ストレスなく、確実に申し込みをさせることが目的となる。一方、会員向けマニュアルであれば、知りたいことに素早く到達でき、スムーズに内容を理解できること。また、問い合わせや申し込み先などがあるのであれば、どこに記載があるのか頁をあちこちめくることなく、すぐに必要な情報が目に入り、確実に問い合わせなどができることである。
つまり、会員向けマニュアルの場合では、以下のフローのように、知らず知らずのうちに読み手の心理変容を促す設計になっているかを検証していく必要がある。

検索する →  関心をひく → 理解する → 欲する → 行動する

診断の際の5つの評価点
CR診断の際には、客観的に判断していくために、筆者は以下の5つのポイントで各ツールを評価することにしている。

◎誘導力
読み手の関心を引き、最後まで読みたくなるように、気持ちを高める魅力的なコピーになっているか。心をつかむテーマやストーリーがあるか。ビジュアルインパクトがあるか。読み進めるためのアイフローを意識した導線になっているか。

◎理解促進力
顧客にとって、知りたいこと、便利なこと、得なことがストレスなく頭に入ってくるか。
顧客側の分かる世界観で書かれた説明になっているか?何が、「私に役立つことなのか、必要なことなのか」がイキイキと伝わっているか。

◎情報整理力
いろいろな情報を盛り込みすぎて、読み手の理解のキャパシティを超えていないか。
ナンバリングによるガイドや箇条書きにより、説明文などにおいて、伝えたいことが目に入りやすいまとめ方になっているか。

◎視認力
文字の大きさ、使用フォント、文章のレングス、スペース配分、色使いや色の組み合わせ、目へのやさしさなど、積極的にそのツールを読みたくなる、申し込みたくなる心地よさがあるか。

◎デザイン力
目的やその企業に合ったデザインやトーン&マナーになっているか。ターゲットの年齢層や嗜好にふさわしいものか。企業側の強気なウリが見えてしまうなど、押し付けがましいものになっていないか。

以上の5つのポイントでツールを確認しつつ、読み手の心をつかむ創造性や表現の面白さがあるかを総合的にチェックする。また、当該ツールをターゲットがどこで目にして、どういうときに申し込みしてもらうのがベストか、読み手とツールの接点を考慮した上で、それが行動喚起に結びついているのかも診断していくのである。

顧客視点に立った案とリサーチによる検証
以上の診断結果をレポートにまとめた上で、顧客視点に基づいた改善策としてのサンプルを作成する。ここで、リサーチにかけられる場合には、AとB2つのパターンのアプローチや構成を用意して、どちらが有効であるかを検証している。

このリサーチによる検証の方法を、当社のお客様の例で紹介する。
申込書の設計においては、記入の順番は上から下へが記入しやすいか、それとも左から右の方が記入しやすいか、そのスペース全体のレイアウトを見ながら、それぞれの導線で設計した2種類を用意。また、記入例は、流れ図を入れたものと、見出しをナンバリングとともに目立つようにしたものの、2パターンを制作した。

これらの申込書サンプル案を作成した上で、利用者に実際に記入してもらい、漏れなく確実に記入してもらえるのはどちらか、また、改善前と改善後を比べて意見を聞くなど、制作したサンプルが顧客視点に基づいた設計になっているかをリサーチによって検証。

リサーチで出てきた意見が、顧客視点で、行動につながる強力なツールになると判断したときには、それらをクリエーティブに反映し、よりブラッシュアップしたツールとするのである。

捨てる勇気を持つためのお手伝い
今回あくまで手順の一部としてCR診断を紹介した。冒頭の話に戻るが、お客様の担当者の意見でよく聞かれるのが、「たくさん情報が入った方が、レスポンスがとれるような気がする」、「ページに余白があると、何だかもったいない。何かの情報で埋めなくてはいけないと思う」という点だ。しかし、リサーチで聞かれる意見の多くは、「ここまで情報が盛りだくさんだと、読みたくなくなる」、「分かりにくいので読み飛ばしてしまう」、「何が言いたいのか、意気込みが伝わってこない」という、担当者の不安とは裏腹の利用者の声なのだ。

「毎回、同じスタッフでツールを企画・制作していると、ワンパターンのスパイラルにはまってしまう」、「社内での意見の調整がとりにくく、てんこ盛りの内容になってしまう」など、"情報を捨てる決断が付きかねる"ことはないだろうか。また、「分かってはいるのだが、どこを捨てていいものか決められない」と悩んでいる方も多数おられるのではないだろうか。

読み手の心をつかんで離さないメッセージやビジュアルインパクト、申込みなどの行動に結びつくストーリー、また他のメディアとの兼ね合いによるツールの活かし方など、各ツールの目的やデザイン、クリエーティブ表現によってもチェックする視点は違うものである。気にかかっている点だけを重点的に診断するために、以前に制作された申込書や会員向けマニュアル、購入促進パンフレット、ダイレクトメールなどのコミュニケーションツールのCR診断のみを実施してみたいでも構わないので、常日ごろ何とかならないものかと感じておられる方は、当社にお声がけいただければ幸いである。

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