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進化するメディアと連携した"クリエーティブニュートラル"

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
中西 崇
series
TIPS★TIPS No.51
date
2007年7月19日
themes
クリエーティブ

ここ数年、TVCMが効かなくなったといわれている。理由としては、インターネットの爆発的普及も影響し、いわゆるトップダウン型のコミュニケーション戦略が通じにくくなってきたというのである。筆者は電通ワンダーマンで10年間クリエーティブに所属しているが、現場においてはTVCMのパワーがダウンしたとは感じないし、未だに一番のリーチメディアであることは間違いないと思っている。ただ、確かにTVCMに限らず、マスメディア広告は工夫がなければ、昔ほど効果を得られなくなってきたのも事実である。

メディアニュートラルという考え方
このようなメディア変革期における、これからの広告コミュニケーションのあり方の一つとして「メディアニュートラル」という考え方がある。メディアニュートラルとは一言でいえば「特定のメディアにとらわれることなく、すべてのメディアを一度フラットに置き、広告目的に合わせターゲットに伝達するために最も効果的なメディア(もしくはコンタクトポイント)を設定する」という考え方だ。

近年、このメディアニュートラルはマーケティングの現場においても、よく論じられるようになった。既にカンのいい読者の方ならお気づきかも知れないが、このメディアニュートラルという考え方は、ダイレクトマーケティングの考え方と非常に似たベクトルを持っている。

ダイレクトマーケティングのコミュニケーションの考え方では、徹底的なターゲッティングとインサイトへのアプローチをシミュレーションすることから始まる。
・適切なターゲットに
・適切なタイミングで
・適切なベネフィットを
・適切なオファーと
・適切なデバイスで、コミュニケートする

とにかく、ダイレクトマーケティングのコミュニケーションは「ターゲットについての最適さ」を追求するターゲット至上主義(顧客主義)なのである。このダイレクトマーケティングの考え方、表現手法については、既にこのニューズレターでも何回も語られているので、詳細は割愛させていただくが、ここで言いたいのはダイレクトマーケティングによるコミュニケーションにおいても、ブランディング施策におけるメディアニュートラルのように、メディアが非常に重要なファクターとなってきていることである。徹底したターゲット視点からコンタクトポイントの精度を高め、細分化することにより効果を狙う。つまりメディアの選択によっても、レスポンスは大きく左右されるということであり、目的の完遂のためには上記の5つの「適切さ」に加え、「メディアの最適さ」が大きな鍵になってきているのだ。

クリエーティブとメディアの連携
なぜ、筆者のようなクリエーティブの人間がメディアの話をするのか―。それは「メディアの最適さ」を考える時、広告目的に合わせターゲットに商品やサービスを的確に伝達するためには、クリエーティブ視点からのメッセージ開発が欠かせないからだ。ターゲットに最適なメッセージであるためには、何をどのメディアで伝えるかが的確に設定されている必要がある。それは従来からいわれている広告コミュニケーションにおける要素、「what to say」(何を言うか), 「how to say」(どのように言うか) に加えて、「where to say」(どこで言うか)を満足させるコミュニケーションでなければならないからである。

アクイジションからクロージング、リテンションまでの、それぞれのフェーズにおいてコンタクトポイントに時間軸(タイミング)が発生するため、ダイレクトマーケティングのコミュニケーションでは、入口から出口までを網羅するコンタクトポイントは複雑だ。その中でターゲットに対して最適なコミュニケーションを設計するためには、メディアとクリエーティブが別々の視点に立っていては成立しにくく、このメディアのプランニングとクリエーティブの開発は、今や切り離して考えられないものになっている。それには、クリエーターとアカウントプランナーがより密接に連携し、最適なコミュニケーションの起点をメディアとクリエーティブの両方向から構築する体制が重要である。

定説にとらわれないストラテジー
これは、広告に携わる人間にとっては、ともすれば当たり前だし、逆に理想論に聞こえるかもしれない。なぜなら、広告主側からのブリーフにそのような課題提示がなければ、エージェンシーにもそのような発想を持ち合わせないのが現状だからだ。

社会の変容とともに、ターゲットにとって何が最適なコミュニケーションかということも常に変化している。そこで必要となるのが、「このメディアはこう使うものだ」とか、「この表現でレスポンスは取れる」といった既成概念をまず捨て、すべてをフラットな状態に置いてからターゲットにとって最適なコミュニケーションストラテジーを設計することだ。知見となる部分を捨てるというのは少し言いすぎかもしれないが、そのプロジェクトに臨むときにターゲットを含め与件内容を、いま一度疑ってみるということだ。まずこの視点がなければ最適なコミュニケーションの成立はありえない。

クリエーティブニュートラルの実践
定説にとらわれない、ダイレクトマーケティング・クリエーティブの発想。それは、単に新しい表現ということではなく、クリエーティブもニュートラルになるということだ。ターゲットにとって最適なソリューションは一つではなく、ターゲットの数だけ多様なコミュニケーションが存在する。メディアをターゲット視点で設計したとき、クリエーティブもその数だけ細分化したメッセージとデザインを実践していくのである。

たとえば、20代〜40代がターゲットとなる保険商品があるとする。前述したとおり、徹底したターゲット視点でコミュニケーションを確立するダイレクトマーケティングの見地に立つと、20代、30代、40代で感じるベネフィットは多様であり、その結果、伝えるべきメッセージと使うべきメディアがターゲットごとに多様化するのは当然であり、その中で絶対的効果は何かを考えるのである。

では、アクイジション段階で、ダイレクトマーケティング的に最適なアプローチを、ターゲット世代ごとに考えてみる。20代に保険商品を売る場合、年収が限られ、保険に対する知識・経験も浅いと想定される彼らにとってのベネフィットは、「安さ」や「手軽さ」だと分析できる。次に、彼らに接触するために最適なメディアは、若者離れが起きている新聞というよりも、馴染みのない保険に対する理解を深め、時間をかけて検討できるセグメントな雑誌やWEBが有力である。また、これらのメディアは若者にとって日常的に親しみ深いものであることから、保険初心者のエントリーバリアを下げるという点でも効果が期待できる。

次に、40代に同じ保険商品を売る場合を考えてみる。既婚者が多く既にいくつかの保険に加入済みの彼らにとってのベネフィットは、「家族で加入するとお得」や「サービスの充実」と想定できる。また、加入の決定権は妻側が握っている例も少なくない。忙しい専業主婦にアプローチするために最適なメディアを考えると、夫や子供を送り出し、家事がひと段落してから子供が帰ってくるまでの日中のTVCMが浮上してくる。保険経験豊富な彼らなら、わずか15秒のCMでも商品のポイントを理解し、またサービス内容の充実を訴求することで、安心して資料請求の電話をかけてくると期待できるのである。

これはあくまでも理解しやすくするための例えで、実際には緻密に設計されたストラテジーに基づいたうえで成り立つことは言うまでもない。そして、細分化されたニーズや、複雑化していくターゲットに対して、最適に細分化したメディアやクリエーティブを追求していくところに成功の鍵があり、PDCAによって導きだされた最適なパターンは確実に成果を上げることができる。

このクリエーティブニュートラルでの開発は、複雑な工程に加えコストばかりがかさむ話と感じられるかも知れない。そこで、当社では、このメディアニュートラルの考え方をよりスムーズに実践することも目的として、マーケティング、インタラクティブ、およびクリエーティブの各ルームを一つにしたコミュニケーションデザイン部を2007年7月に発足させた。日本におけるダイレクトマーケティングの先駆者として20余年にわたり培ってきた知見と経験を活かし、今後もターゲットにとって最適な表現を最短距離で開発していく体制に、ぜひ期待していただきたい。

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