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真の上顧客を見つける、動かす、育てる〜ロイヤリティ・フレームワーク〜

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
久野 克己
series
Wunderman's view No.55
date
2007年9月 6日
themes
顧客インサイト

ダイレクトマーケティングにおける「ロイヤリティ」によるセグメンテーションの重要性については、当ニューズレターを通じてこれまでも幾度となく語ってきた。しかし、この「ロイヤリティ」なるものがまたクセモノで、目に見える実体があるわけでなく、特定する不変のルールが存在するわけでもないため、それらを認識し、コントロールすることが非常に難しい。今回は、この難易度の高い「ロイヤリティに基づいた顧客セグメンテーション」を調理する、ワンダーマン流の方法論を紹介しよう。
まずは、「ロイヤリティ」によるセグメンテーションの重要性を復習してみる。

「ロイヤリティ」によるセグメンテーション 〜その重要性と効果〜
顧客と企業において、より親密な関係性を構築し、ロイヤリティの向上を促進するためには、継続的なコミュニケーションと、最適な対応が欠かせない。そして、そのロイヤリティ向上を前提とした顧客とのコミュニケーションを成立させるためには、『顧客を「個」客として認識』し、『「個」客の持つインサイトを認識する』ことが重要であり、その上で『顧客戦略』の視座に基づいた、顧客管理・運用概念の構築を行う必要がある。ここでいう顧客管理・運用概念とは、顧客像を認識し、ロイヤリティを基軸とした視点から顧客の姿をリアルタイムで捉えていくための「顧客をセグメントし、そのステイタスを管理すること」である。

その結果、顧客のライフサイクルや最適なアプローチタイミングを把握し、顧客の『旬』の見極めが可能となる。また、セグメンテーションごとの傾向や特性から、それぞれに適したコミュニケーションを確立させることが可能となり、目指すべきロイヤル顧客へ誘引(ドライブ)させるための、効果的な訴求が実現できる。

というのは、あくまでも理想論である。これを具体的な「プログラム」として機能させるのが非常に難しく、企業ではあの手この手で、ロイヤリティの概念を生み出し、そのプログラムや分析手段を導入し続けているものの、成果や成功の事例をなかなか聞くことはない。

まずは、教科書的に見聞きされる分析手法を例にとって、ロイヤリティとセグメンテーションの連動がいかに難しいかの解説を試みたい。

RFM分析 〜トランザクションの限界〜
皆様が周知の分析手法としてはRFM分析がある。これは、1960年代から欧米の通販会社などで利用されている、購買データなどのトランザクション/レジストリデータをベースにしたセグメントプログラムであり、Recency(最終購入日)、Frequency(購入頻度)、Monetary(購入金額)の3要素で構成される。

この手法では実際の購買履歴をベースにしてセグメントを切り出すため、実績の伴った優良顧客(たくさん買ってくれるお客、よく買ってくれるお客)層が把握できる。また、休眠顧客(接点の薄いお客、最近購入実績のないお客)が特定できるため、離反防止対象の顧客層を明確にすることが可能となる。これらの特長により、顧客の傾向をつかむ側面においては、ベーシックな分析視点として必須といってもいいだろう。

しかし、このRFM分析だけでは、重要なポイントが絶対に分からないまま残されてしまう。それは、顧客の「インサイト」に連動した要素、個々の顧客がその位置付けにいるレゾンデートル(存在理由)である。

存在の証 〜なぜソコではなくココにいるのか?〜
まず、RFM分析だけでは、なぜ購入したのか(しないのか)、なぜ優良(休眠)顧客に位置しているのかの理由を読み解くことができない。分かるのはたくさん買っているのか、頻繁に買っているのかという事実だけである。その商品を気に入っているからなのか?単に安売りしていたからなのか?家から近いだけなのか?他に選択肢がないからなのか?分からないままなのである。

ロイヤリティを前提にした場合、顧客のインサイト領域である、この「なぜ」への回答が非常に重要になってくる。「なぜ」にくる要素は、購入決定要因や認めているバリューであり、コミュニケーションにおける訴求ポイントに大きくかかわっているものである。この要素=コミュニケーションキーの不在な状態では、ロイヤリティの向上を目指したとしても、その促進はとてもおぼつかない。

確かに購入ボリュームや投下金額、購入頻度は、ロイヤリティにおいては重要な要素であるが、それはロイヤリティという概念構造の一面を表しているに過ぎない。ロイヤリティは複数の側面を持っており、ロイヤリティを基軸とした顧客像の捕捉においては、一元的な視点からではなく、多角的な視点からの顧客認識が求められる。

ロイヤリティ・コンビネーション 〜ハート&アクション〜
当社においては、ロイヤリティとは、大きく分類して行動(Behaviors)と感情(Attitudes)の2つのコンビネーションにて構成されると考える。

行動(Behaviors)とは、RFM分析のベースとなる購買履歴(トランザクション/レジストリ)をイメージしていただければよい。「いつ」「どれだけ」「どの程度の間隔」で購入したか(あるいはしなかったか)といった事実ベースの情報である。

一方の感情(Attitudes)は、先の「なぜ」にあたる要素である。「好き⇔嫌い」「安心⇔不安」「信頼⇔不信」「満足⇔不満」といった、主にインサイトにおもねる情報である。顧客の姿を捉える際には、どちらか一方だけでは、一元的な視点でしかなく、顧客の半身だけを目にしているに過ぎない。顧客全身を見て取り、顧客の姿を具現化させるためには、少なくともこの行動(Behaviors)と感情(Attitudes)の2つの視点が必要だと考える。

しかし、この2視点からのコンビネーションだけでは、実はまだ情報が十分ではない。確かに、これらの視点に準拠するだけでも、その企業やブランドが「好き(嫌い)」で、製品をたくさん「購入している(していない)」というポジションの顧客を抽出することは可能であろう。だが、顧客の位置付けの確認だけで完結する「分類型」方法論では、単に「分けてみました」で終わってしまう。ロイヤリティを基軸としたコンビネーションとして機能させるためには、さらにその先の「いかにロイヤル化させるか」という命題を視座に入れた、「現実的に使える」ものでなければならない。

このような観点から、電通ワンダーマンではロイヤリティ・コンビネーションをさらに昇華させ、セグメンテーションメソッドとして組み上げた「ロイヤリティ・フレームワーク」をクライアントに提供している。

ロイヤリティ・フレームワーク 〜その基本概念〜
ロイヤリティ・フレームワークは、米国ワンダーマン本社が1990年代後半に大手カード会社に提供した専用ロイヤリティ・プログラムが起源となっている。クレジットカードを想定したメソッドである以上、そのベースは取引履歴(トランザクション情報)となり、行動(Behaviors)と感情(Attitudes)のロイヤリティ・コンビネーションにおいては、特に「行動」面の解釈に広がりを持たせた、3軸から成る概念構造となっている。


感情(Attitudes)  ─→Commitment<気持・ハート軸>

            ┌→Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>
行動(Behaviors)  ┤
            └→Desired Behavior<行動・マネー軸>


各軸定義は、次のとおり。

まず「Commitment<気持・ハート軸>」。これは、顧客が企業やブランドを感情的に好きか嫌いかといった度合いの軸であり、アンケートをベースとした自己申告型インサイト情報で判定される軸。具体的には、他者への推奨意向や継続利用意向といった要素となる。

次に「Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>」。企業が提供している商品やサービスを、どこまで利用してもらっているか、取引履歴における利用アイテムを「幅」として見立てた軸。具体的には、その企業が発行しているカードの保有枚数や利用サービスの内訳などが対象となる。

そして「Desired Behavior<行動・マネー軸>」。企業にとって望ましい行動を測る。つまり、どれだけその企業にお金を投下してくれているか、取引金額の積算額で判定する軸。具体的には、商品購入における利用金額やリボ、キャッシング、年会費などの合算値によって判定する。

以上が、ロイヤリティ・フレームワークの基本概念であるが、3軸の定義は固定のものではなく、クライアントや対象サービスに応じて、当然変わってくる。

次回予告
今回は、「ロイヤリティ・フレームワーク」の基本概念までを紹介したが、次号(Wunderman' view No.56)ではさらに踏み込んだ解説を予定している。3軸上に展開した後、いかにロイヤル化の促進を行うのか?実際の施策とどのように連動していくのか?最新のロイヤリティ・フレームワークはどのようなモデル構造なのか?その辺りを、具体的に言及してみたいと思う。

なお、ロイヤリティ・フレームワークの理解をさらに深めていただくために、下の当ニューズレターのバックナンバーの再読を併せてオススメする。

トランザクション データとアンケートで測る「複眼的顧客ロイヤリティ」 TIPS★TIPS No.45

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