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広告、というよりコトバによるコミュニケーションの話

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
安井 幹雄
series
TIPS★TIPS No.53
date
2007年10月18日
themes
その他

気がつけば"高度情報化社会"という呼び方も、懐かしく聞こえる昨今。テレビや新聞、雑誌、インターネット、ケータイ、およそメディアと呼ばれるものは、右を向いても左を向いても、同じような顔をした情報・コトバで溢れている。

確かにコトバはコミュニケーションツールの1つにすぎないが、私たちが携わる広告業界、こと広告クリエーティブというジャンルを考えた場合、そのコトバに負っている部分は大きい。

コトバはいま、受難の時代
ところで最近、読者の皆様は「コトバの力が弱くなった」「説得力がない」という声を、いろいろなところで耳にすることはないだろうか?

それこそ、広告を見ていても、内容がイマイチ伝わってこない、「なんだかウソ臭い」と感じることはないだろうか。例えば、"かつてない〜"、"最先端の〜"、"世界一の〜"・・・、一見派手なコピーだが、どうもそのコトバが実感として伝わってこない。はたまた、もっともらしいことを言っているのだが、共感できず、コトバが上滑りしているように感じることはないだろうか。コトバと、それを発信する人や企業の間に、微妙なズレを感じることが、筆者には多々ある。果たしてこれは何が原因なのだろう。

コトバの選び方や使い方、これは蓄積してきたボキャブラリーの問題でもあり、すぐには解決できない、仕方のない部分もある。それよりも、いきなりの結論だが......。コミュニケーションにおけるコトバの伝達、その強さを考えたとき、コトバ自体に罪はなく、問題があるとするならば、それは発信する側自身(使う側)と、その伝え方にあるのだ、と。

伝える手法、それ以前の問題として
上記のような話は、私たちがいる業界ではよくあることである。例えば、筆者もかつて経験したのだが(ここでは秘守義務のため卑近な業種、商品に変えさせていただく)、新発売のケータイのオリエンテーションがあり、「宣伝用のWebサイトを作りたい」という話が出た。そして担当者は、その新商品がいかに軽量、高速で音楽や動画が楽しめるか、その技術の粋をこれでもかと説明するのだが、よくよく聞くとターゲットは中高年齢者、いわゆる熟年層であるという。果たして、彼らには高速であることが大事だろうか、ケータイで音楽や動画を楽しむのだろうか、そして、何よりWebサイトを訪問するであろうか。

お分かりのように、ここでその新商品の特長を伝えるどんな広告を制作しようとも、どんなに魅力的なコトバでコミュニケートしようとも、ターゲットは振り向いてくれないだろう。もちろん、クリエイターがターゲットを振り向かせ、行動させるために、表現という武器を駆使するのは当然であり、広告が効かないことへの責任と反省するべきことは多くある。

しかし、この場合、問題はもっと深い部分、つまり、そのメッセージを発信する側とその伝え方の根本にある。それは何か。言うまでもなく、相手に対する「想像力」である。
当然、ターゲットの説得材料として、さまざまな数値やデータが使われるだろう。しかし、それは単なる数字でしかなく、収集方法や読み方を間違った時点で、ターゲットの実像を捕らえられなくなる。なぜなら、相手は人間なのだから、時々刻々と心や感情は移ろい変わっていくものなのだ。

相手はどんな生活を送っているのか? 趣味は? そもそも、どんな商品を必要としているのだろうか......。

私たちが普段何気なく話しているコトバも、アイディアも、すべて相手がいて、そこに相手への想いや想像力があって初めて伝わるのである。だから、冒頭の「コトバの力が弱まった」「説得力がなくなった」という声は、的を射ているようで射ていないと言いたい。それよりむしろ、「いま、想像力が危機に瀕している」と言い換えた方がいいのではないだろうか。

壊して、創造する
さて、すでにご存じの方も多いと思うが、実際の行動獲得を目的とするDRAに置けるクリエーティブの評価は、レスポンスという数値で分析される。そして、私たち電通ワンダーマンでは、その数値を上げるダイレクトマーケティング・コミュニケーションの基本的な考え方として、

・適切なターゲットに
・適切なタイミングで
・適切なベネフィットを
・適切なオファーと、適切なデバイスで、コミュニケートする

ということを標榜している。もちろん、数値やデータの蓄積・分析とそこで培われたコミュニケーションスキルがあってのことだが、これらもすべて想像力という目に見えない土台があってこそ、成立しているのである。けれども、その想像力が危機に瀕しているとしたら......。

だからこそ私たちは、襟を正さなければならない。さらに誤解を恐れずに言えば、新しいものを生み出していくためには、いまある広告の手法を壊し、最適化していけなければならないタイミングなのかもしれない。実際、ダイレクト、ジェネラルアド、above、belowといった既存の広告の枠組はすでに何年も前から壊れ、その境界もあいまいなものになりつつあり、また一方で、テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、インターネットなどのメディアの勢力図も大きく変わろうとしているのだから。

ただ、そんなときでも唯一つ不動のものがあるとしたら。
それは、"心が動かなければ、人は動かない"ということである。

1クリエイターとして、できることは限られている。しかし、ターゲットの「心(マインド)」を思いやる想像力、これを欠いてしまったとしたら。人はどんな時に泣き、傷つき、笑うのか。優しさや痛みを想像することができなかったら、コミュニケーションを作る側として失格ではないか。「相手が何を言ってほしいのか」それがなければ、心のない、一方的な押し付けや、無味乾燥のコミュニケーションでは、人の心は動かないのである。その答えは、ターゲットの心の奥に潜んでいるかもしれない、その人が欲しているものを想像し、引き出してあげて、その人のコトバで語りかけるコミュニケーションが重要なのである。

いまこそ、もう一度ターゲットを想像することから始めてみることが必要なのである。私はダイレクトであれ、ジェネラルであれ、広告には世の中を明るくしたり、人を勇気付ける力があると信じている。先行きが見えないと言われる時代だからこそ、想像力や強い思いの込められたコトバが、今まで以上に渇望されているのではないだろうか。未だ答えは見つからないが、「想像が、創造につながる」そのコトバを胸に、日々業務に取り組んでいる。

*用語説明
DRA(Direct Response Ad):ダイレクトレスポンス広告
above(above the line):新聞・雑誌・テレビ・ラジオのマス4媒体による広告活動
below(below the line):ダイレクトレスポンス広告などのマス広告以外の活動

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