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続・真の上顧客を見つける、動かす、育てる〜ロイヤリティ・フレームワーク〜

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
久野 克己
series
Wunderman's view No.56
date
2007年10月 4日
themes
顧客インサイト

前回のWunderman's viewでは、ロイヤリティの重要性、「個」客認識のためのセグメンテーションの必要性、そしてそれを実現するための電通ワンダーマンのメソッドである『ロイヤリティ・フレームワーク』の基本概念と構造までをご紹介した。
今回は、引き続き「ロイヤリティ・フレームワーク」について、さらに深い解説を行ってみたい。

まずは、前回のおさらいを簡単に。
顧客と企業においては、より親密な関係性を構築し、ロイヤリティの向上を促進するために、継続的なコミュニケーションと適切な対応が欠かせない。そして、顧客とのコミュニケーションを成立させるためには、『顧客を「個」客として認識』し、『「個」客の持つインサイトを認識』する「顧客戦略」の視座に基づき、ロイヤリティを基軸とした視点から「顧客をセグメントし、そのステイタスを管理する」ことによって、顧客の姿をリアルタイムで捉えていくことが求められる。

電通ワンダーマンでは、独自のメソッドとして、「Commitment<気持・ハート軸>」、「Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>」、「Desired Behavior<行動・マネー軸>」の3つの視点に基づいたセグメンテーション・メソッドである『ロイヤリティ・フレームワーク』をお客様に提供している。

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顧客を「見つける」
最初に3軸上において、顧客がどこに位置するのか、ポジション確認「初期プロット」を行う。プロットの判定方法は、各軸によって異なるが、「Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>」と「Desired Behavior<行動・マネー軸>」の2軸については、前回にも解説したように、企業が保有している取引履歴などのトランザクションデータによって判定する。

Depth of Involvement<接点・コンタクト判定する軸>」では、その企業が提供している商品やサービスの購入・利用種数によって商品やサービスの利用幅を判定し、また「Desired Behavior<行動・マネー軸>」では、合算した取引金額の大小で貢献度の判定を行う。

Commitment<気持・ハート軸>」に関しては、上記の2つとは異なり、企業やブランドに対する感情・心情的評価をインサイト情報によって判定する軸である。このインサイト情報については、気持ちや感情をデータとして記録することができないため、どう頑張ってもトランザクションデータから抽出することはできない。記録できない以上は聞くしかないのである。結果、アンケートなどの何らかの方法によってデータを得ることとなる。
Commitment<気持・ハート軸>」としては、各種コンタクトポイントを通じて、アンケートを実施し、その回答データを分析した結果から、軸のポジション判定を行うというわけである

このように、トランザクションデータおよびアンケートデータを集計・分析し、顧客の初期プロットを特定する。この初期プロットは、以後の育成(ドライブ)推移を測る上でのスタートポジションとなる。初期プロット確定後は、個々のアドレス(顧客をプロットしたポジション)の特性を把握するために分析を行い、各アドレスの特性を読み取った上で、各々のアドレス顧客に対して有効なキー・ドライバーを探索していく。

顧客を「動かす」
ロイヤリティ・フレームワークは、「顧客をセグメンテーションして終了」ではない。その特長のひとつとして、プロットした各アドレスの特性に応じて、適切なアプローチ施策を実施することによって、その顧客を「望ましいポジションへとコントロール(=ドライブ)」させるための検証プラットフォームとしての機能を有している。

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各軸において、より上位のアドレスへドライブさせるためには、各々のポジションに応じた「キー・ドライバー」を各アドレスの構成や特性から発見し、ドライブさせるためのアプローチ施策を行っていく。当然ながら、キー・ドライバーには、多くのバリエーションが存在する。お客様の業種や業態、商品やサービスに応じて、それらを適宜使い分けていく。

次に「4Pilllars」パターンのキー・ドライバー概念を紹介しよう。
「4Pillars」とは、マーケティング的には「ブランド・コミュニケーションの健全度を測る4つの柱」とされているが、この概念をキー・ドライバーの分類として利用するケースがある。その4つの柱とは、以下のとおりである。

1. Differentiation ディファランシエーション(差異・区別度)
2. Relevance レレバンス(適切度)
3. Esteem エスティーム(尊重性)
4. Knowledge Familiarity ナレッジ・ファミリアリティ(理解度)

「Differentiation」とは、しっかりと他の顧客と区別して、その特性に応じて適切な対応を行うことである。「Relevance」は、過度にならずに、確実に的を捉えたタイミングや内容、温度を意識することである。
「Esteem」は、顧客としての位置付けを常に敬い、尊重することである。
「Knowledge Familiarity」は、個々の顧客に応じて、その顧客が認識できるモノを提供することである。
これら4つのピラーエッセンスを各々のアドレスに適応させ、それに応じた訴求やコミュニケーションを行うことによって、望ましいポジションへのドライブを促していく。

顧客を「育てる」
上位のポジションへのドライブ施策において、3つの軸のどれを基点にしてドライブを促進するかは、各軸の性質を理解した上で立案することが必要となる。

Commitment<気持・ハート軸>
顧客のマインドにフォーカスした評価基軸であるため、顧客の心象に訴えかけるエッセンスが施策に必要となる。例えば、企業として行っている社会貢献活動のアピールや、品質やサービス向上のための啓蒙施策、あるいは顧客に対する謝意やアフターケアといった「アフターマーケティング施策」が想定される。
この軸のポイントとしては、「ブランドや商品に対する関与度の向上」「ブランドや商品の満足度や信頼性の向上」「顧客との絆、つながりを深める」などを挙げることができる。

具体的な施策としては、顧客になった時点から、定期的かつ長期的にコミュニケーションを継続することによって、ロイヤリティの向上を目指す時系列的なプログラムであるアフターマーケティング・プログラム的なものが、その代表となる。また、購入感のあるサプライズギフトや、MGM(メンバー・ゲット・メンバー)プログラムなども、この軸のドライブ施策に該当する。

Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>
どれだけ多くの商品やサービスを利用しているかが評価の要素となる基軸である。そのため、顧客のニーズを遍く満たすワンストップのエッセンスとしての「クロスセリング施策」が、この中心を担うこととなる。
ポイントとしては、「取引の重層化と多角化の推進」「商品アイテムやサービスの理解促進」などを通じて、取引幅の拡大、複数化を図れる点である。

具体的な施策としては、顧客のプロフィールや購買履歴に応じたクロスセリング・レコメンデーションがコアとなる。DMの場合では、ダイレクトプリントや同梱コントロール、Webでは、レコメンエンジンの活用やパーソナライズドメッセージなどのアプローチが想定される。また、銀行やカードなどのポイントプログラムやエアラインのマイレージなどを通じて、取引実績に応じてポイント付与やセット購入オファーを与えるインセンティブ・オファー形式も有効である。

Desired Behavior<行動・マネー軸>
行動軸のポジションをドライブさせるためには、いかに顧客の購買行動を促進させ、購入ステージのレベルアップを図るかという点に尽きる。そのためには、他軸の要素も含めたアプローチが必要となり、ある程度の中長期的視座に立って、ドライブを促していくことが肝要である。具体的な施策の方向性としては、購入を促進させるためのオファーや値引きキャンペーン、既存顧客のアップセリングを狙った買い替えやアップグレードキャンペーン、ニーズを喚起させるスタイル提案などが想定される。
 中長期的なロイヤリティとLTV(顧客価値:ライフ・タイム・バリュー)の向上を図り、離脱を防ぐための会員化システムの導入なども視野に入れた効果的な施策といえる。

また、有効な施策を打つだけではなく、それらを通じて、対象アドレスが想定とおりにドライブできたかの検証アクションも必要である。良い結果も悪い結果も、次回以降の施策に向けてのチューニングポイントを明確にし、さらに施策の改良を行っていくことが、このロイヤリティ・フレームワークの本質的なバリューだといえよう。

PDCAサイクルエンジンとしての側面
既にお気づきの方もいると思うが、ロイヤリティ・フレームワーク施策に包括されるすべての要素は、PDCAのサイクルにのっとった「仮説検証型」として機能する性質を有している。

1)モデル/3軸の定義設定
企業にとって望ましい顧客像をイメージし、ロイヤリティ・フレームワークの基本となるモデルや各軸の意味合いを検討・定義付ける。

2)データの収集および取得
顧客をプロットしていくために必要なデータや情報を収集。必要に応じて、あらたなデータを収集していく。

3)初期プロット判定と分析
各軸の判定ルールにのっとり、初期のプロット配置を実施。プロットされた各アドレス特性の抽出を行い、以後のアプローチ対象となるアドレスをピックアップ。

4)ドライブ施策の立案と実施
上位アドレスへステップアップさせるためのキーとなるドライバーを設定し、ツール・チャネルの選定や、制作過程へフィード。それらの工程を経て、各プロット特性を踏まえたドライブ施策を立案・実施。

5)ドライブ検証
実施した施策を通じて、想定したドライブ効果が得られたかを検証。効果的な施策については、さらに精度を上げ、効果が見られなかった施策は、その原因を把握し、次回へフィードバックする。

上記1)〜5)までのステップを繰り返しながらその効果を高め、メソッドとしての有効性も向上させていく。

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最新ロイヤリティ・フレーム事情と今後
最後になるが、ロイヤリティ・フレームワークの最近のトレンドをご紹介しよう。
近年、プロットを判定する際のデータの変化と、それに連動する3軸の定義に新しい派生バリエーションが確立され、実際に導入が進んでいる。従来のロイヤリティ・フレームワークでは、「Depth of Involvement<接点・コンタクト軸>」と「Desired Behavior<行動・マネー軸>」の2軸において、企業が保有している取引履歴などのトランザクションデータによる判定が必要となる。実際には、トランザクションデータを保有しない企業の方がはるかに多く、一部の例外を除くと、その活用は金融や保険、通販、一部のリテールなどの業種に限定されていた。そこで、この2軸の判定もアンケート/ヒアリングベースの構成にすることによって、さまざまな企業でも対応可能となり、メーカーなどで導入が始まっている。
このバリエーションについては、機会があれば詳しくご紹介したいと思う。

 当社メソッドである「ロイヤリティ・フレームワーク」の解説を2回にわたって展開してきたが、このロイヤリティ・フレームワークの目的を端的にいうと、より高い上位アドレスのシェアを高めることである。つまり、「より多くの種類の商品を購入し」「たくさんの金額を投下してもらい」、それに加えて「企業を好き(=ファン)になってもらう」ことである。

だが、それは簡単なことではない。顧客を認識し、適切なステップで、適切にアプローチを行うことで、初めて実現が可能となる。そのためには、長い時間と手間と知恵と工夫を凝らしていかなければならない。当社では、このロイヤリティ・フレームワークをもって、皆様の企業の知恵と工夫に貢献し、時間と手間を軽減できれば、と願ってやまない。

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