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獲得単価を下げられた理由

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
辻 忠相
series
Wunderman's view No.58
date
2007年12月 6日
themes
コミュニケーション戦略

筆者にとっては、本年はさまざまな業種・規模のお客様からダイレクトマーケティングの推進にかかわる総合的な提案をご要望いただいた感謝すべき年となった。総合的というのは、体制の設計・構築から施策の実施、効果測定・評価(データオペレーションを含む)、改善企画までの包括的なPDCAフレームワークをつくる業務である。

これらは文章や言葉にするとわずか数行で表現できてしまい平易に見えるが、当社の労はもとより、ある程度の期間にわたってお客様とのチーム作業も要し、容易ならざることではない。しかし、その先にあるお客様のベネフィット(利点)も非常に大きく、それをも実感できた年であった。

表題に掲げさせていただいた獲得単価を下げるという視点からは、当社ではアクイジション(新規見込み客獲得)とリテンション(再購入顧客育成)において、いかにコストをかけずに顧客(獲得)数とその対価(購入額)の最大化を図るか、という指標(CPA=Cost Per Acquisition)を機軸に、さまざまな施策を提供させていただいている。

以下に業務の一例として、1)施策、2)管理方法、3)意思形成の3つの側面から、そのフレームワークをご紹介させていただく。実際の案件であり、守秘義務からすべてを記すことは差し控えるが、前提となる次の事項にご留意のうえ、読み進めていただきたい。

お客様(以降A社) : 上場企業
商材・サービス   : 美容整形
展開エリア      : 主要都市数箇所

1)施策:集客の柱を見直すこと・つくること
A社では、美容整形に関心ある潜在顧客や施術希望者のリード(引合い)を獲得し、病院への誘導を図るために、TVCM(ローカル局)、新聞・雑誌でのレスポンス型広告とコールセンター(インバウンド中心)を主に展開していた。

しかし、ほぼ同時期にキャンペーンを始めた最大手の競合企業(以降B社)に、そのリード数において10倍以上の差をつけられていた。

「それは、なぜなのか?」当社の作業は、この調査から始まった。コンタクトポイントの評価、媒体広告の出稿量、業界の訴求軸を見出す定性調査、消費者アンケートetc。これらのデータ類を前提とした推察の中心として耐え得る結果を、ネット視聴率調査から得ることができた。

B社Webサイトの訪問件数はA社の10数倍で、特定のランディングコンテンツはその総訪問件数の2/3近くを占めていた。また同時に、検討段階でのネット利用率が高いという美容整形の潜在顧客や施術希望者の特性を裏づけるデータを得て、お客様の担当者と議論を重ねた結果、SESO(*1)とLPO(*2)を柱としたリーチ施策に重点を置いて展開。

マスマーケティングを中心とした以前のCPAに比べ、その他のブロードなリーチ施策と連携することにより、おおよそ3割下まわる結果を安定して得ることができた。

上記の結果は、競合企業の動向、商品の特性、商習慣などを基に、現行のモデルを疑うところから始まり、施策の実施とCPAによる定期的な評価・判断を経て、施策の取捨選択と改善を行って得たものである。

2)管理方法:商材に則した見込み客DBの開発と運用
リード施策の評価・改善の実践は前述したとおりであるが、起点となる数量的な結果の把握には、レスポンスデータの管理が欠かせない。

約3カ月の期間を経て開発された見込み客DBでは、レスポンス数の管理機能はもとより、フォロー(アウトバウンド/eメール配信)を行うための配慮が慎重に成されている。

本件の商材のデリケートな特性上、過剰なコミュニケーションは敬遠される。故に慎重な対応を要するため、オペレーターはレスポンダー(問い合わせをしてきた方)の希望する接触方法/時間帯/立場/悩みなどを十分に考慮し、俗に言われるHot/Warm/Coldといった見込み客のステータスを把握・フラグ付加しながら、BANT条件(*3)を基にアクションを起せるようにしている。

加えて、Webサイトからの受付における入力フォームを一部CMS化(*4)しているため、顧客インサイトの今を探るためのアンケート、広告や施策の効果測定のためのアンケートなど、収集情報を時々で可変できるようにしている。

見込み客DBを起点とした、これらのオペレーションはダイレクトマーケティングの基本であると同時に、既存のデータ管理/オペレーション要素だけではなく、顧客の本音に近づき、距離感を縮めていくことができる設計・業務仕様が求められていることを、今回の業務を通じて改めて認識した次第である。

前述の見込み客DBに集約されているステータス、ニーズ/インサイトの断片、一定の効果測定データを定期的に施策にフィードバックしながら活動していくことが、主観に頼ることのない精緻な根拠となり、効率化を進める源となっている。

3)意思形成:スピードの向上
これまで施策に関して述べたが、本項では意思形成の総論的な事柄を記したい。
前述した業務遂行を重ねることで業務インフラが揃うと、A社と当社の間の情報共有はスマートになり、意思形成のスピードが上がり、短いスパンでのお客様の意思決定が可能になる。(広告媒体買い付けや広告制作の代理業に傾倒するのではなくお客様のマーケティング業務のパートナーを標榜する当社としては誠に歓迎すべきことでもある。)

当社では、お客様との定例会議の実施や前述の見込み客DB管理アプリケーションの共有など、円滑な情報共有を意識的に行いスピードの向上に努めてきた。
このスピードを重視する理由として、A社では美容整形分野のビジネスの遅れを早くキャッチアップするという命題を持たれている。その実現のためには、マーケティングの大きな単位では、今後の最適な施策を模索するには時間がかかると同時にToo Muchであるため、細分化したマーケティングの単位で、効率的な原型を探すことが得策であると想定させていただいた。

A社にはその基本方針に対しご快諾いただき、多数のテストマーケティングを今なお繰り返し行っている。その結果として、実施運用の過程ではCPAの効率化が順調に図られている。

無論、限られた予算でその都度結果を求められることから、獲得精度を上げることができる根拠が伴わなければ実施には至らないが、そうした小気味のよい可否を行える業務リレーションフローを構築することも、効率化という目的に近づくことの重要なステップである。

【用語説明】
*1 Search Engine Share Optimization:
特定ワードの検索結果ページにおいて、露出されるWebサイトの数をより増やしてゆくこと
*2 Landing Page Optimization:
Webサイト訪問者がWeb広告などをクリックした際に表示されるWebページ(ランディングページ)を工夫して、訪問者が登録や商品購入などの何らかの取引を行うコンバージョン率を高めること
*3 Budget(予算)Authority(決済権)Needs(必要性)Timeframe(導入時期)の頭文字を取った基本的な営業ヒヤリング項目
*4 Contents Management System:
テキストやグラフィックなどのさまざまなコンテンツを収集、登録して統合的に管理し、更新・配信などを行う仕組み

*記載されている会社名および製品/サービス名は、各社の商標または登録商標

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