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離反顧客から情報収集する有効性

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
森 慎太郎
series
Wunderman's view No.61
date
2008年3月 6日
themes
調査・分析

皆様の企業では、離反された顧客、休眠している顧客へどうアプローチされているのだろうか?費用対効果や新規獲得コストとの比較検証を行いながら、再取引を目指してアプローチされている企業がある一方で、何もアプローチせずに放置されている企業も多いことと思う。

この離反顧客、中でも一定期間以上の利用があった顧客は、離反される企業にとって貴重な情報を持っている。

短期間に、金銭的な即効性だけを追求するのではなく、その離反顧客のもたらす情報価値にも着目して、アプローチされてみてはいかがであろうか? 離反顧客へのアプローチによって得られた具体的な改善のための情報を、今後の離反防止策へつなげれば、売上効果は大いに期待できる。

離反顧客は、商品・サービス体験者。離反要因情報の保有者
離反顧客には、当該商品やサービスの利用体験がある。未利用者が仮説や想像でしか語れないのに対し、離反顧客は、購入や使用の状況(量や頻度、機会など)はもちろんのこと、アンケートによって離反の要因・経緯についても、事実に基づいた具体的な回答が期待できる。離反要因の中には、継続中の利用者が気づいていない、あるいは他の利用者は問題としない不満やトラブルを内包している可能性もある。以上のことから、私は離反顧客からの情報収集は価値ある行為だと考えている。

顧客満足度調査では抽出できない離反要因
顧客の離反防止への取り組みにおいて、顧客満足度調査(CS調査)により、改善業務・改善項目の発掘、あるいは仮説検証をしようとする場合には注意が必要である。実際の離反要因までは、CS調査だけでは捉えられない可能性が意外と高いからである。皆様の企業においても、CS調査を行ったところ、離反の主要因と想定していた項目(例えば、納期までの時間など)には重大な問題はなかった、という経験があるのではないだろうか?

CS調査では、回答者の中には離反(休眠)しそうな顧客も含まれるが、それが全体の5%以上を占めることはほとんどない。そのため、調査結果の分析においては、少数派となり、そのうえ離反(しそうな)理由が多様である場合には、"傾向"としての抽出がさらに難しくなる。

※CS調査を実施され離反予備軍・休眠顧客からの回答の少なさを体感されると、CS調査の回答の多くが顧客の期待の表れだとの実感を持たれるようになる。

また、会員制の顧客を調査対象とした場合、決定的な離反要因があったとしても、その不満会員の多くは既に退会しており、調査の対象外となっている。例えば、納期が遅いことで顧客が離反している場合、調査対象(現顧客)は納期が遅くても構わない人に偏ることになるため、その調査から現在の離反要因は抽出できない可能性が高い。

※CS調査にて相関分析を行なっている読者の方は、本ニュースの末尾の<補足>および添付の<説明図>をご参照ください。

従って、離反要因の調査では、離反顧客を対象とすべきであり、CS調査における離反要因の考察においては、離反顧客調査を参照すべきなのである。また、離反顧客調査を実施していない場合でも、コンタクトセンターに寄せられた要望、問い合わせ、クレームなどの内容や、販売員・営業員などの現場へのヒアリング結果を参照し考察すべきである。

離反顧客調査のメリット/注意点
携帯電話などの有料なものでなければ、解約手続きをしないで放置しておく顧客は多数いる。そのような離反顧客(休眠顧客)へは、企業側から積極的にアプローチしなければ情報収集はできない。

解約手続きの申請をしてきた顧客については、手続きに関する説明と必要事項の確認を行うが、その際に解約理由を聞くこと(それに対する説得を試みることも)あるであろう。手続きの最中にいろいろと尋ねても「辞めさせないつもりなのか」と顧客に構えられる可能性がある。また、解約手続きと直接関係しないと思われる質問に対しては「なぜそんなことを聞くのか」という不信感を抱かれる場合もある。

結果、回答いただけないことや、本当のことを答えていただけないことも少なくない。情報収集する際には、最初に調査目的であることを伝えた方が、コミュニケーションの質や調査設計の自由度の面でメリットが大きい。

離反理由だけを聞いた場合には、「必要でなくなった」「生活の変化(引越しや子供の進学)」などの杓子定規な情報しか収集できないことも多い。従って、利用時の状況や不満・感想、商品や使い方に関する理解、現在の状況(競合にスイッチした理由)などを聞く工夫が必要である。場合によっては、再購入の条件を直球で聞くのも一考である。

一方で、回答者の設問量に対する抵抗感を排除し回答率を維持するためには、調査目的から優先的に設問を絞込み、シンプルにする。ヒアリング・設問のポイントでは、なるべく行動・事実の回答が得られるように設計することが必要である。

なお、離反・休眠された顧客へのアプローチにおいて、最も重要なことは「ありがとうございます」の気持ちを必ず伝えること。そのためには、関係する全スタッフに、離反・休眠顧客も大切な顧客であること、彼らから話を聞くことは重要な情報収集であることを周知させることが肝要である。

私も最後に感謝を。ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。


<補足> 相関分析を行なっている方へ・・・
CS調査において、各項目の満足度を縦軸に、総合満足度との相関係数を横軸にした散布図(図2)を用いて、各調査項目の意味づけ・評価(例えば、優先的改善項目など)を行う手法がよく利用されている。

総合満足度が低い層(例えば、図1の○)の回答が収集されないと、項目満足度の調査結果は実態よりも満足度が高く、総合満足度との相関が弱い項目になる可能性がある。
(図1において、実態は●○両方を合わせた状態であるにもかかわらず、調査では●のみしか収集できない場合に上記のような事象が発生する)

↓クリックすると拡大します↓


その場合、本来であれば第4象限(図2の×。相関:強、満足度:低)、つまり、改善が望まれるゾーンにプロットされる項目が、第2象限(図2の◆。相関:低、満足度:高)、つまり、改善の優先度が低いゾーンにプロットされる。

満足度が低い層が既に離反している場合、または離反予備軍として調査に協力いただけない場合、離反層(離反予備軍)の離反要因は、分析結果から抽出できない。

↓クリックすると拡大します↓

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