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優良顧客の声の収集と活用について

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
森 慎太郎
series
Wunderman's view No.62
date
2008年4月 3日
themes
調査・分析

皆様の企業では、顧客の声の収集をいくつの窓口で、どのような手段を用いて実践されているだろうか?
コールセンターでの対話記録、アンケート調査、販売員へのヒアリング、コミュニティの観察やインターネットでの検索、あるいは、調査会社の自主調査レポートや業界団体・行政の調査レポートの参照など。プロモーションと同じように、声の収集もターゲットや目的に合わせて手段を選定する必要がある。

そこで、今号では優良顧客をターゲットとした情報収集の意味合いについて整理を試みた。優良顧客からの情報収集手段としては、アンケート調査を中心に紹介する。また、社員の活力となる顧客からの褒め言葉をもっと流通してほしいという思いから、社員への報酬という視点より顧客の声の活用についても取り上げる。

※ここでいう声とは、音声よりはむしろ対話メモやアンケート回答などの文字記録。また、優良顧客については、購入・使用頻度が高い、企業・商品のファンなど、大まかにお考えください。

優良顧客に聞く意味合い
優良顧客は、企業側が望んでいる顧客であり、企画での想定や企画者の思い込みではなく(←ステレオタイプになりやすい)、現実の顧客である。顧客育成プログラムを企画・実施されている企業にとっては、どのようにして優良顧客となったのか、実際のきっかけや理由は把握したい情報である。また、企業が想定していなかった場面や方法で、商品を利用されているケースもあり、その情報は企業にとって市場開拓のヒントになる。

さらに、優良顧客の中にはその企業とコミュニケーションを取りたいと思っている方も少なくない。従って、アンケートなどで発言の場を提供することが、顧客満足の更なる向上に繋がることも多々ある。また、優良顧客は、離反客や一般顧客と比較して負担のかかる設問、深く突っ込んだ設問にも回答いただける傾向にある。

顧客特性とCRMゴールと情報収集目的の検討
優良顧客を購入期間や購入量で規定した場合、優良顧客は大きく3つのタイプに分類することができる。

1)ブランドや商品・サービスに思い入れが強い顧客
2)ブランドへの思い入れは薄いが、商品・サービス(カテゴリー)には関心があり、性能や価格を比較 して購入する顧客
3)商品・サービスへの思い入れや関心は薄く、習慣や惰性で継続購入している顧客

思い入れの深さでは1)、2)、3)順になる。顧客は常に同じ状態にいるわけではなく、1)→3)、2)→1)などに変化する(もっと大きな変化としては、優良顧客→離反顧客もいる)。

企業としては1)の拡大を目指そうとする。従って、上記の論から1)の顧客からの情報は重要である。2)からの情報も非常に重要である。消費者視点での競合情報を持っているからだ。CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)の目的の1つに、顧客の財布シェアを100%にする試みがある。その場合、2)に対しては2)→1)に促進する施策のための情報収集となる。2)の中には、各メーカーの新商品を好んで買う人や使い比べること自体が好きな方もいる。つまり、2)→1)の施策を試みても効果が小さい層もいるのである。従って、顧客の特性によっては、ゴールの変更、および情報収集の目的の変更を検討することも必要だ。

マーケティングヒントの収集
優良顧客からの情報収集としては、アンケート調査が有効である。企業側が知りたい情報、聞かれれば回答するレベル(顧客自らが申し出るほどではないレベル)の情報が収集できるからだ。

商品・サービスへの評価・意見、利用状況、利用契機、再購入の理由、Webサイトの利用状況など、収集したい情報はその利用目的によって多岐にわたる。回答形式については、自由回答を多くすることを提案したい。顧客側のニュアンスや商品の意味づけなどの把握や、利用方法などについての新たな発見に有効だからだ。

また、「ユーザーの声」としてプロモーションなどに活用する際にも有効である(調査依頼の際に掲載許可を取っておくことが必要)。

商品開発へ活用する際の注意点
新商品開発を目的とした情報収集を行う場合、気をつけるべき点が1つある。既存商品の品質が高い場合、顧客が新たなニーズを回答できないことが多い(「欲しいものが分からない」に似た状態)。以前は使い勝手や保管・廃棄についての意見が有効だったが、最近はユニバーサルデザインを実践している企業も多く、その領域での有効な意見は減りつつある。

 対策としては、試供品を配布してのアンケートがお勧めである。商品の良い点や問題点についての回答が具体化できる。試供品は謝礼品の代わりになるし、先に品を受け取ったことで回答者のモチベーションも高い。配布物が発売前商品や開発中のサンプル品であれば、さらに高い効果が期待できる。

顧客へのロイヤリティを支える言葉(社員への報酬)
CRMのキーワードの1つに"カスタマーロイヤリティ"がある。特定のブランドや企業・店舗から購入するような顧客の忠誠心と説明される。顧客が企業側に対して抱くものだ。一方で、顧客志向という言葉がある。顧客ニーズを始点として事業活動をしようという考えだ。マーケティングにおいて中心的なこの2つの概念は、主従関係が反対となる。

企業が顧客にロイヤリティを持つという考え方はできないだろうか。顧客を肯定し、誠実に商品・サービス、あるいはコミュニケーションを提供する。クレーマーやコミュニティの炎上は、確かに企業にとって怖い問題だ。しかし、ネガティブな面に気をとられすぎると、優良顧客へのコミュニケーション機会を失ってしまう。

顧客からの「ありがとう」や「頑張って」は社員にとっては大きな力だ。そのような言葉によって、自分や自分の業務に自信や喜び、やりがいを感じる社員もいる。顧客からの褒め言葉を活用している企業・部署はどのくらいあるだろうか。顧客との関係性や顧客満足度をROI(投資対効果)指標に換算することも重要だが、顧客との友好的な関係、顧客からの褒め言葉自体が報酬であると私は考えている。
この顧客から報酬をいただくという意識は、社員の顧客へのロイヤリティ向上につながることだろう。

優良顧客からは期待するが故の厳しい言葉もあるが、感謝の言葉も多い。いずれの言葉も企業の活力となるのではないだろうか。

私の2回にわたる「顧客の声の情報収集」に関する原稿を、最後までお読みいただきありがとうございました。

おまけ:テキストデータの処理テクニック1
収集した声の情報化について触れておく。
テキスト分析において、テキストマイニング・ツールの利用は大きな力になるが、今回は、テキストマイニング・ツールを利用できない場合の業務効率化テクニックを1つ紹介する。

それは、文字数によって処理順序を変える方法だ。新たな発見をしたい場合には、文字数の多いテキストから、声の全体傾向を(定量的に)把握したい場合には、文字の少ないテキストからチェックしていく方法である。この方法は、結果を保証できるものではないが、経験上、業務プロセスの短縮には有効だ。私個人としてはすべてのテキストに目は通すべきと思っているが、速報を要求される場合にはこの方法が役に立つ。

本稿で取り上げたような調査の場合には、新たな発見が目的なので、文字数の多いテキストを優先的に読み込む方法が有効だ。その理由は、以下の2点。

1.短いテキストからは深い洞察、顧客の背景が読み取れない
2.短いテキストはありきたりな内容が多い。長いテキストには、詳細な情報や新たな話題が含まれる可能性が高い

新たな発見や深い洞察が必要な場合、10文字以下のテキストは無視できると、私は考えている。

全体傾向を把握したい場合には、逆に文字数の少ないテキストから分類(コード化)を始める。その理由は、負担の少ないテキストを多く処理することにより、業務の初期の段階で、主要となる分類(コード体系)の枠組みが作成できるからだ。これも背景には、"短いテキストはありきたりな内容が多い"ことがある。また、分析者にとっては、始めやすいなどの精神的なメリットもある。

以上、ご参考まで。なお、機会があれば、当ニューズレターを通じて"その2"以降もご紹介したい。

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