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最新の海外事例からみるダイレクトマーケティング-Vol.1

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
狩野 綾子
series
TIPS★TIPS No.60
date
2008年6月19日
themes
海外事例

ワンダーマングループでは、毎年、全世界のワンダーマンのオフィスや関連会社で制作された広告や販売促進の制作物の中から、その年の優秀な作品を表彰する社内コンクールを行っている。

今回のニューズレターでは、この2007年度「レスターワンダーマンアワード」で、オンラインマーケティング部門において優秀作品に選出された、保険会社・Nationwide InsuranceのWebサイト(ワンダーマンニューヨーク制作)を紹介する。

受賞作品の概要
Webサイト名:HavetheTalk.com
お客様名:Nationwide Insurance (ネーションワイドインシュランス)
お客様の業種:金融・保険
受賞サイトのURL:http://www.havethetalkamerica.com/home/ 

<背景と目的>
家族の間でも話しづらいトピック(事柄)というものがある。たとえば、家族個々の貯蓄額、親の介護、子どもの進路などがそうである。本キャンペーンサイトの目的は、このような「話しづらい事柄」について家族間で会話することを促し、その際に参考となる情報を提供するもの。生命保険や金融商品を扱うNationwideの知見を提供することで、家族のコミュニケーションの手助けをし、問題解決へ向けた1つの指針を提供することにある。

<ソリューション>
10歳台〜60歳台までを対象としたWebサイトを構築。サイトを通じて自分のコミュニケーションスキルを評価したり、会話を促進させるための秘訣や重苦しくさせないためのコツを習得できる。コメディアンのFrank Caliendo出演によるコントの動画などで、ユーザーに楽しく見てもらうための工夫もしている。会話のきっかけ作りとして、家族にパーソナライズしたメッセージを送ることもできる。

ここからはWebサイトの構成を紹介するとともに、評価されたポイントを考察してみたい。

Webサイトの構成と優れているポイント
家族や恋人との間に問題は誰でもあるものだが、関係が近いからこそ話し合うことが難しいこともあるのではないか?このサイトは、誰もが抱えるこれらの悩みに応じて次の4つのコンテンツで成り立っており、それぞれの立場から「いつもケンカになってしまう」「どうしても理解してもらえない」、そんな衝突を招きやすいトピックについて、会話に望ましい態度や判断に役に立つ統計データ、問題を悪化させないための注意事項などを学ぶことができる。また、Webサイトをご覧いただくと分かるとおり、保険会社の色は一切ださずに、コミュニケーションについて語るサイトに徹している。

1)クイズ診断...自分のコミュニケーションの傾向を診断する
このサイトのメインとして、トップページで扱われているのがこのコンテンツだ。10の質問に答えていくことで、自分のコミュニケーションの傾向が診断でき、より良いコミュニケーションのためのアドバイスが提示される。質問内容は、「友達や恋人との関係が終わったときの心境は?」「家族や友達は、あなたの問題解決方法について何と言っていますか?」など、自己分析にかかわるような質問が多い。このような手と頭を使わせるコンテンツは利用者に好奇心を抱かせることができ、途中での離脱を防ぐことができる。また、サイトへの愛着を感じさせる効果も期待できるだろう。

2)tips...大事な話に挑む前に、注意点を復習する
大事な会話をする際の、Do's(するべきこと)と Don'ts(してはいけないこと)をまとめている。例えば、「するべきこと」には、以下のようなことが挙げられている。

・「何事も決め付けないで興味を持とう」...相手の気持ちについては、なぜそう思うのだろうと興味を持ち、相手の立場からの解釈を考えてみること
・「目的をシェアしよう」...話を聞いてもらいたいだけなのか、解決が必要なのか、話す前に共有しておくこと

また「してはいけないこと」には、以下のようなことが挙げられている。

・「ヒット&ラン」...外出前など時間がないときに切り出すのはNG。感情的になりやすいので避けるべき
・「断言」...あなたはいつもこうだ、絶対しない、などの断言は避けるべき

これらの注意事項は、本サイトの大事なところだけをまとめた内容になっており、すべてを見なくても、このページだけで要点を抑えることができる。

このような読ませることを目的としたサイトでは、文字量が多くなりがちなため、全部を見終わる前に離脱してしまうユーザーも多い。しかし、サマリーページを持たせることで、まずは全体を把握させることができ、さらに興味をもった内容だけを別のページで詳しく読ませることもできる。文字量に圧倒されて離脱するユーザーを引き止める対策としての効果が期待できるのだ。ページレイアウトでも、Do'sと Don'tsの項目が、それぞれ1ページに収まっていて一覧性に優れている。また、それらはタブで簡単に切り替えることができるのでとても便利である。

3)tough topics...よくある問題とそのファクトを紹介
本サイトの中で、最もボリュームのあるコンテンツである。以下のような、さまざまなシチュエーションごとに、問題の整理の仕方や話し合いの進め方についての注意事項を学ぶことができる。

・転職や赴任について(自分の転勤に合わせて、奥様も転職させられますか?)
・退職後のお金の使い方、夫婦の過ごし方(夫婦で同じステージにいますか?)
・子どもとのコミュニケーション(性教育、友達との付き合い方などをきちんと指導できますか?)
・両親の老後について(自動車の運転をやめさせられますか?)

また、問題解決に導くためのヒントとして、さまざまな調査結果や統計値なども紹介している。例えば、「一般家庭における家賃などの出費は、平均して収入の25%程度」などである。

人は関与度の低いものに対しては関心を示さないものだが、このサイトでは、さまざまな立場の人が抱える問題について用意されているので、使い勝手が良い。夫として、親として、会社員として、また子どもとして、自分に当てはまるものがあるだろう。それぞれの課題について、よくある例などを使った問いかけに始まり、話す前に整理すべきポイント、一般調査の結果や統計データ、相手が考えるだろうこと、話すときに気をつけること(態度や言葉遣い)、と分かりやすくまとまっている。文字量は多いが、口語体に近い文章で書いてあるため、堅苦しくなく読みやすい。トピックを一覧した目次があるため、自分が読みたいものだけを選んだり、トピックの読まれたランキングから選ぶこともできるので、ユーザーも読み方に迷うことはなさそうである。

4)video invites...コメディ動画を招待状として送る
コミュニケーションのノウハウは分かったが、話の切り出し方が分からないという人のために、このサイトでは会話のきっかけも提供している。有名なコメディアンを使ったコントの動画で、家族の問題をまとめている。最後に「みんなで話そう」というメッセージが入っていて、これを家族へ送ることで会話のきっかけを与えることができ、実行への後押しをすることも忘れていない。また、本サイトにはセンシティブな題材が多く、見る人を気落ちさせてしまっては意味がないので、適度に肩の力を抜かせるコンテンツを用意しているのも良いところだ。

ダイレクトマーケティングへの応用
本サイトでは、保険会社自身について触れるコンテンツはほとんどない。各ページの下にある社名のロゴ程度である。ただ、仕掛けとしてよくできているのは、保険にかかわる問題について触れているページだけには、文章内にテキストリンクが埋め込まれていることだ。例えば、老後についてのページには、医療保険の必要性について簡単な説明がある。その中に「医療保険についてもっと詳しく読む」というテキストリンクがあり、クリックするとNationwideの企業サイトへ飛び、保険商品の申し込みまでの導線がひかれている。

ダイレクトマーケティングの商品において、Webサイトは商品を知ってもらうための大きな舞台となる。しかし、一般消費者は「自分には関係ない」と思った瞬間、Webサイトから離れてしまうものである。商品を前面に出して、価格やスペックを語るのではなく、消費者の抱える問題を解決することに徹するのも、消費者に近づく1つの方法である。

そして、本事例のように、その抱える問題の解決手段の1つとして、自社の商品を提案するというスタンスの方が、消費者からも受け入れられやすい場合があるのも事実である。ご紹介したようなサイトは、金融・保険のように普段、積極的に関与することがないと思われがちな商品・サービス以外にも、住宅のように家族内での話し合い・結束がポイントとなる商品・サービスにも応用が利くのではないだろうか。そして、商品購入への確実な導線には一見なりにくいが、最終的には信頼性のアピールや、ブランド力をアップさせる役割として、大いに期待できると考えている。

*記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の商標または登録商標

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