顧客の購買行動を促進させる「コンテンツカリキュラムマーケティング」 Wunderman's view No.65
- 宮下 敬志
- 2008/07/03
[Wunderman's view]
- 結果にこだわるマーケティング担当者必見!-
「効果」の高いマーケティングや広告は本当に存在するのか?
当メールマガジンの読者には、マーケティング・広告関連の業務に従事されている方が多いことと思う。そうした皆様が、日々業務にあたって、指標の1つとして常に留意されるものに「広告効果」があるのではないだろうか。
「広告は本当に効くのか?」。広告会社に勤める筆者のその問に対する答えは、間違いなく「YES」である。ただそのためには、昨今のオンラインメディアの隆盛の反動としてのTVCMパワーの弱体化、新聞販売部数の低下、雑誌媒体の統廃合、また一方、個人個人が情報の発信者となるブログ、生活者相互がインタラクティブ上で情報交換するSNS(Social Networking Service)などのCGM(Consumer Generated Media)の台頭などメディアを取り巻く趨勢を見るにつけ、クライント企業と広告会社がともに「企業と生活者がダイレクトに向き合う土壌作り」を念頭に、「高い効果が得られるマーケティング・広告の仕掛け」を創出していくことが必要である。
今、マーケティング・広告業界で大きな流れとなりつつある、ブランドや商品・サービスの認知獲得を目的とするよりも、ターゲットに対して何らかの行動を求める「アクションドライブ型」の広告・・・「続きはWEBで」で終わるTVCMや、Webサイトでメールアドレス登録を促し、その後にメールマガジンを配信するためのコンテンツなどが、その代表的な例といえる。
そこで、今号では「効果の高いマーケティング・広告」の1つとして、当社が推し進める「コンテンツカリキュラムマーケティング」をご紹介する。
企業からの一方的な広告が効かなくなったといわれて久しいマーケティング・広告環境において、生活者に対し、押し付けがましくなく、レリバンス(最適性)をもってアプローチのできるマーケティング手法が「コンテンツカリキュラムマーケティング」である。
「コンテンツカリキュラムマーケティング」とはなにか?
当社が提唱するマーケティング手法「コンテンツカリキュラムマーケティング」は、その名のとおり顧客ターゲットの属性や行動履歴、態度変容を分析し、その顧客ターゲットに合った「コンテンツ」(情報の内容)を「カリキュラム」(順序だてて)的に提供することで、顧客ターゲットの購買行動を促進させるものである。
従来型のCRMが主として顧客の「属性×購買行動」に基づいてプログラムされたものであるのに対して、「コンテンツカリキュラムマーケティング」は「属性×購買行動ד心理変容”」に基づいているところがポイントとなる。
「コンテンツカリキュラムマーケティング」は、顧客ターゲットの購買行動を促進させるために、大きく次の6つステップに分けて実施する。
1)企業にとっての顧客ターゲットを「集客」する(既存の顧客データベースがあればそれを活用する)
2)集客した顧客ターゲットを属性や購買行動・意向により、いくつかの「セグメントにグルーピング」する
3)顧客ターゲットの小集団に対して、それぞれにふさわしいと思われる「情報」を検討する
4)顧客ターゲットの小集団に対して、情報を提供する「頻度」と「方法」を検討する
5)顧客ターゲットの小集団が「求めるより深い情報を提供できる舞台」を作る
6)顧客ターゲットの小集団が「相互に情報のやり取りをできる舞台」を作る
「コンテンツカリキュラムマーケティング」の導入事例
「コンテンツカリキュラムマーケティング」の導入事例はあまたあるが、今回はその中の1つのケースを取り上げてみたい。コモディティ性が高く、ブランドを意識することの少ないカテゴリーにある消費財「商品X」である。その「商品X」は、1カ月に1回新品と取り替えた方が衛生的であり、かつその機能を十分に活かすことができるものである。
しかし、劣化が見た目に分かりにくく、一般的には取り替える必要がない(筆者もその1人ではあるが)と考えがちなのも事実。だが、見た目には問題がなくても細菌・雑菌が繁殖していることもあり、本来的には1カ月ごとに取り替えるのが望ましく、それを推奨する必要があるというのが「商品X」のマーケティング環境なのだ。
そこで、当社ではこの「商品X」に「コンテンツカリキュラムマーケティング」の導入を図ったのである。
具体的なアプローチ(顧客をどうセグメントしたか?それぞれに対してどのような情報を提供したか?)については、お客様にかかわることでもありここでは言及できないが、「コンテンツカリキュラムマーケティング」の対象となった顧客集団の「商品X」の使用量は、施策導入以前を1とすると、施策の導入後は約2倍と大きく伸長した。その結果、同社は当商品カテゴリーにおいて数十億円の売上増となるとともに、シェアを数%拡大させることができたのである。
従来のTVCMを露出するだけの認知獲得型のマーケティングから、「コンテンツカリキュラムマーケティング」にシフトすることで「費用」と「効果」の関係が明確になり、両者のバランスを見ながら進めることが可能となり、「売上の増大」「シェアの向上」という大きな結果を獲得することができたのである。(さらには「商品X」の使用者集団と企業が強い結びつきを持ち、顧客の声を集めその後のマーケティングに活用できたことが企業にとっては何よりの資産であると、ご担当者の評価も得ることができた。)
「コンテンツカリキュラムマーケティング」がマッチしやすい業界・商品カテゴリー
「コンテンツカリキュラムマーケティグ」的な考え方は、従来「CRM(Customer Relationship Marketing)」と呼ばれ、金融・通信・IT業界などに広く取り入れられていた。が、上記の成功事例を見る限り、その製造過程での安全性が問われる商品カテゴリーや、価格先行型でブランドロイヤリティが余り高くない消費財にも受け入れられるだろうことは容易に想像できる。
現在、「コンテンツカリキュラムマーケティグ」の導入により、特に効果が期待される業界・商品カテゴリーとしては、以下を挙げることができるだろう。
・トイレタリー商品業界 : 歯ブラシ、ブラシ、マウスウオッシュ、生理用品など
・ボディ関連商品業界 : コンタクトレンズ、洗眼液など
・ベビー関連商品業界 : 紙おむつ、ベビースキンケア、哺乳瓶など
・口から摂取する商品業界 : 栄養機能食品、健康食品など
「コンテンツカリキュラムマーケティング」のメリット
最後に、「コンテンツカリキュラムマーケティング」の導入メリットをまとめると、以下のとおりである。
・「費用」と「効果」が明確に計れる
・企業と消費者がダイレクトにコミュニケーションが取れる
・売上シェアの向上が期待できる
私たち、電通ワンダーマンがこの「コンテンツカリキュラムマーケティング」を得意とする大きな理由の1つは、創業以来23年にわたり、クライアント企業と顧客を結ぶダイレクトなコミュニケーションを提供し続けた「ダイレクトコミュニケーションの先駆者」であるからだ。
一部の通信販売系を除いて企業では、顧客データを分析する部門、顧客とコミュニケーションをとる部門、Webサイトを企画制作する部門が異なっていることが多い。そのため、各部門が個別に活動し、マーケティングメッセージを一方的に発信していたのでは、真の顧客ターゲットに届かず、その企業・ブランドは消費者が商品を選択する前に購入想定リストから排除されてしまう。企業の担当部門が一丸となって、一人ひとりの顧客にふさわしいメッセージをタイムリーに提供する顧客コミュニケーションに取り組まなければ、今後も勝ち残っていくことは難しいだろう。
顧客とダイレクトにつながり、購買行動を促進させる「コンテンツカリキュラムマーケティング」にご興味をもたれた担当者の方は、ぜひ当社にご連絡をいただきたい。一貫したコミュニケーションプログラムの策定だけでなく、業績向上のための部署を超越したプロジェクトチームの運営コンサルテーションまで、電通ワンダーマンなら可能である。
