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クロスメディア時代になぜDMが効くのか

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
明石 智子
series
TIPS★TIPS No.63
date
2008年9月18日
themes
CRM

2008年の7月に、筆者(電通ワンダーマン・ニューズレター編集人)は、アイ・エム・プレス社から毎年開催の「CRMソリューションセミナー」にて、ダイレクトメールに関する講演依頼を受けた。

話があったちょうどその時、アイ・エム・プレス誌でも、「紙DMの逆襲」という記事を取り上げていたので、eDMをはじめとするオンライン系のコミュニケーションの台頭などで、消費者が宣伝広告に接するコンタクトポイントが多くなった現在に、改めて、ダイレクトメールをいかに有効活用するのかを筆者なりに考察してみるよい機会と考えた。そこで、講演タイトルを「クロスメディア時代になぜDMが効くのか?」とし、20年にわたりダイレクトマーケティングのクリエーティブにかかわってきた筆者の立場から、紙媒体のDM(以下、DMという)の有効性をひもといたわけである。

講演には、多くの方にご来場いただいたことを、この場をかりて改めてお礼を申し上げる。また、複数の方から資料のご要望をいただいたことから、今回のコラムでは、講演内容をハイライトでご紹介させていただくこととする。

DMとはどういうメディアなのか
DMには、
‐1人1人に直接届けられること、
‐カタログやレターなどの印刷物として届けられること
‐手元に現物が残るパッケージとして届けられること
‐行動を促すためのレスポンスツールを入れられること
‐セグメントしたターゲットに届けることができるOne to Oneのパーソナルメディアであること
などの特性がある。

では、DMがなぜ今「効く」メディアとして注目されるのか。近年、身の周りには企業からの広告メッセージが溢れており、なかなか読んでもらえないのが現状である。モノが溢れ、個性化やこだわりの時代と言われるように、消費者は自分が好きなものや必要なものしか購入しなくなった。また一方で、Webの時代の情報選択の主導権は消費者が握っているばかりか、その意志決定のプロセスは多様化、複雑化している。

こうした中で、情報やメッセージを必要な人に的確に届けることができれば、「これなら欲しい!」と思わせるリアルな説得ができる。これをバックアップするのがDMであり、そのコミュニケーション力がゆえに、いま再びDMが注目されているのである。

DMが持つコミュニケーション力とは、1つは「モノ」が届くこと、すなわちインパクト。2つ目は、現物を手にすることによる安心感とレターなどでの丁寧さやクオリティ感を表現できること。そして3つ目は、パーソナライズの技術の進展もあいまって、最適性やストーリー性の高いメッセージをOne to Oneで訴求できること。DMは、心を揺さぶるような、"あなただけ"のドラマティックな世界を演出することで共感を得ることができるのだ。

"DMをどこで投入すると良いか"は、顧客獲得と顧客維持の2つの場面で考えることができる。 

↓クリックすると拡大します↓


前者ではまず、見込み客の発見を目的に潜在客と対話するためのものがあり、次のステップでは、Web広告やレスポンス広告により資料請求した見込み客に深い理解を促すためのカタログやサンプルの送付。来店客に対してはニュースやユーザーの体験情報を載せた情報誌を発信して購買の意志決定を促す。

後者では、再購入促進や顧客ロイヤルティ向上を図るDMとして、購入顧客に対する新製品情報の発信のほか、定期的なニューズレターやロイヤルティを確認するためのアンケートの送付などがある。 

ネット時代の消費者行動を捉える
ネット時代に突入し、DMの企画者側が意識しておかなければいけないことに、ネット時代の消費者の購買プロセス「AISASモデル」がある。これは、商品に気付き(Attention)、興味を持ったら(Interest)、ネットで調べて(Search)、気に入ったら購入し(Action)、ネットに感想などを書き込んで他の人と意見を共有する(Share)というもので、ネットの活用により、消費者はそれぞれ独自のプロセスを経て意志決定する。

ターゲットの中には、比較サイトやバナー広告を通じて、気軽に資料請求する反面、購入後の企業からのアプローチを疎ましいと感じる人も少なくない。そのような人たちにDMを投下する意義の1つは、送り手側の意向に引き込むことができるということだ。2つ目は、コミュニケーションの深度をさらに高めて、心理を変えていくことにある。そして3つ目は、相互に信頼を得る関係作りができることにある。

表示画面を通した関係性が希薄でドライな世界では、信頼構築は容易ではないことが多いが、DMを投下することで、企業の顔が見え、信頼感を高めるリアリティがあるコミュニケーションをもたらすことができるのである。

事例紹介――DMの6つのエッセンス
DMだからできるコミュニケーションには、大きく6つあると考えている。
1)読み手が気付かない視点を提示して知ってもらうこと
2)家族や周囲の人と意見を共有するきっかけになること
3)1人1人にきめ細かな語り掛けができること
4)モノを手にして話題にしてもらうこと
5)ファンになってもらうこと
6)心の扉をそっと開けて、その後はつかんで離さないこと
以上がDMの企画では押さえておきたいエッセンスである。

上記の1)の事例には、B to BでのPC購買促進のDMがある。価格が購入の決め手になりがちなPCおよび周辺機器だが、ターゲットのポテンシャルの高低でDMを分け、彼らがまだ気付いていない視点を提示して製品の優位性を知ってもらうことを狙いとして、複数回にわたり継続的なコミュニケーションを図った。

ポテンシャルが高い層には、確実な開封を促す箱型のDMとした。中でも、購買担当者へ直接情報を届けるための情報誌では、開発秘話や生産過程の情報、エコロジーへの取り組みなどを丁寧に紹介することにより、品質や信頼性、企業の意気込みを伝えることに努めた。B to Bの場合には、導入に至るまでにさまざまな意思決定者が介在するため、情報誌とすることで、それらの意思決定者にこの企業の姿勢を理解してもらうことが可能となる。毎回のDMには、効果を測るアンケートを同封し、DMの後では企業の信頼性に対する認識が高まったことが分かった。

また、ロイヤルティが低い層に対しては、簡易なパッケージでコストを抑えたが、継続性のある促進策を意図したコミュニケーションが効果を発揮した。

2)の事例としては、モデルルームへの来場促進を目的とした不動産会社のDMがある。Webで物件検索をするなど、マンション購入をまだ漠然としか考えていない消費者に対して、会員組織への入会を促すウェルカムDMを企画し届けた。同封のブローシャーでは物件が具体的に分かるように写真集仕様にするとともに、家族間での話し合いの契機となるように、暮らしをイメージする工夫や行動を喚起するギミックをふんだんに盛り込んだのである。

その結果、モデルルームへの来場者アップが実現。住宅購入のように検討が長期間に及ぶ場合には、要所要所で消費者の中にリアリティ感を高めるDMの投入が必要である。また、一生に一度に近いことなので、家族や周囲の人たちを巻き込んで真剣に考えてもらったり、具体的に行動させたりする作りなどで、ついつい購入に気が向いてしまうように仕掛けることが大切なのである。

6)の事例としては、(社)シャンティ国際ボランティア会の『ボロボロ絵本で3度びっくり!』DM to Webキャンペーン」のB to B のDMがある。これは、当社および電通のダイレクトマーケティングに関わるチームで企画・制作し、第61回広告電通賞において「ダイレクト広告賞」を受賞した。

絵本を手にしたことがないアジアの子どもたちに、日本の絵本に現地語による訳文を貼って届ける運動への協賛企業の獲得を目的としている。そのために、まず企業のCSR(Corporate Social Responsibility)担当責任者にアジア各国でボロボロになるまで読まれていた絵本の現物をDMで届けた。受け取った人には驚嘆をもって、ボロボロの絵本専用のWebサイトにアクセスしてもらう。Webでは、アジアの子どもたちが、その絵本をボロボロになるまで繰り返し読んでいる様子を視覚的に訴え、運動を理解してもらう。主旨を理解してもらったあとに、大切なボロボロの絵本を返信用封筒で戻していただくという仕組みだ。

100%の到達率で、約50%の企業が追加情報・資料を求め、約40%が協力を承諾または、賛同してもらうことができた。現物で心の扉を叩いただけでなく、DMでも、Webでも行動したくなるような仕掛けをきめ細かに施し、それぞれのメディアに合ったクリエーティブとの相乗効果を図ったことが奏功したと言えるだろう。

クロスメディア時代にDMのコミュニケーション力を最大化するには
クロスメディアでは、顧客が通るさまざまなコンタクトポイントで顧客とのリレーションを強化し、顧客のライフステージ全体にわたってロイヤルティを醸成するようなコミュニケーション戦略が重要となる。

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例えば自動車の場合に、一般消費者の段階ではTV広告やモータースポーツイベントから映画館広告まで14、見込み客となってからは15、来店客とは8、顧客とはオーナーマニュアルやクレジット申込書からお客様センターに至るまで17のコンタクトポイントが、それぞれのステージで考えられる。その各場面で、顧客が"もらって嬉しい"情報やものを適切に提示することが大切なのである。また、その通るポイントは、複数にわたって接していることを意識しておくことが大切で、DMだからできるコミュニケーションとは何であるかを書きだしてみるとよい。

一方、顧客を獲得して維持していくためには、DMのクリエーティブには潜在客を最終的にはロイヤル顧客に育てていくという視点が必要となる。各段階で顧客の態度は違うはずで、その場面で顧客に感じて欲しいことは何かを明確にしていくと良い企画案が出てくるわけだ。

さらに、レスポンスを取るには、送り手の意向に沿った変化をターゲットにもたらすように、
‐ターゲットの心の奥に潜んでいる欲求を引き出すこと
‐クロスメディア視点で必要な情報を届けること
‐お客様を育てて聞く姿勢を持つこと
‐顧客の立場に立つこと(売り込みすぎないこと)
を考えていく必要がある。

オンライン中心の時代ならではの決め手は、温かみや人肌感といったエモーショナルな
演出だ。そのためには点ではなく線や面でのコミュニケーションが大切であり、"もらって嬉しい"とはどういうことなのかを考えてコミュニケーションのストーリーを作る。その上で、オンラインとオフラインのバランスを考えていくことで、最適なコミュニケーションに導くことができる。

実は、このようにDMはコミュニケーションの原点であり、まだまだ可能性を秘めた熱い媒体なのである。

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ダイレクトマーケティングの専門エージェンシーとして、当社が設立された1985年当時は、当然にDMや雑誌・新聞でのレスポンス広告が中心であった。そうした中で、どうしたらレスポンスが獲得できるのか、さまざまな商品・サービスを通じて実績を積み重ね、知見をためてきた。

今、ネットの時代を迎え、消費者がかかわる複雑多岐なコンタクトポイントの中で、DMをどのように投下し、コミュニケーションを図るべきなのかを、企画のみならず、クリエーティブまで、顧客獲得・顧客維持の目的にあわせて設計できるのが、当社の強みである。もし、DMでの企画・制作でお悩みのことやご要望があれば、お声がけをいただきたい。

*「AISAS」は、株式会社電通の登録商標。その他、記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標。

◎当講演の内容は月刊「アイ・エム・プレス」148号でも紹介されていますので、併せてご覧ください。

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