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最新の海外事例からみるダイレクトマーケティング−Vol.3

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
狩野 綾子
series
TIPS★TIPS No.64
date
2008年10月16日
themes
海外事例

今号は「最新の海外事例」紹介シリーズの第3弾として、全世界のワンダーマンで制作された広告や販売促進制作物の中から優秀作品を表彰する社内コンクール「レスターワンダーマンアワード-2007」において、オンラインマーケティング部門で優秀作品に選出された、ナイキのブランドラインの1つであるナイキ・ジョーダンのWebサイト(ブラストラディアス・バンクーバー制作)を紹介する。

受賞作品の概要
Webサイト名:Nike Jordan Breakfast Club
お客様名:Nike (ナイキ)
お客様の業種:スポーツ用品製造販売
受賞サイトのURL:http://www.nike.com/jumpman23/features/reg_builder/

<背景と目的>
本施策の目的は、インフルエンサー(影響力を持つ人)となる、高校生・大学生のエリートアスリートを囲い込むことで、飽和状態にあるトレーニングウェア市場でのシェアをあげること。そのために必要なことは、さらに上位を目指す若きアスリートに、次世代のトレーニング体験を提供することにより、ブランド価値をあげることにあると考えた。そこで、ジョーダン・ブランドのDNAともいえるマイケル・ジョーダンのトレーニング方法をベースとしたエクササイズを伝授するためのWebサイトを構築。そのサイトは、マイケル・ジョーダンが朝食前にトレーニングしたことにちなんで、「ブレークファスト・クラブ」と名付けられた。

<ソリューション>
「ブレークファスト・クラブ」では、100種類以上のトレーニングをプロのトレーナーによる実演・解説を交えた動画で紹介している。チーム・ジョーダンの会員になると、自分専用にカスタマイズしたトレーニングメニューをWeb上で作成し、それをプリントアウトすることや、iPodへダウンロードすることができる。また、Webサイトの構築の面でも、各ユーザーのプログラムに柔軟に対応することができるように、拡張性に富んだフレームワークを使用している。そのため、複数のスポーツのトレーニングを組み合わせることもできるので、さまざまなレベルのアスリートに適したメニューを提供することが可能だ。

<結果・効果>
詳細な数字は公表できないが、Webサイトが好評なことから、マイケル・ジョーダンのパーソナルトレーナーが各地を回りコーチングする「ブレークファスト・ツアー」も実施され、リアルなトレーニング体験の提供へと展開をとげている。これまでジョーダン・ブランドの弱みとされていたトレーニングプログラムをも充実し、今や重要な強みとなり、「自分の弱みを、強みに変える」というマイケル・ジョーダンの思想を体言する形となった。

ここからはWebサイトの構成を紹介するとともに、評価されたポイントを考察してみたい。

Webサイトの構成と優れているポイント
1)自分だけのトレーニングメニュー
自分のトレーニングメニューが作れるといっても、専門知識の少ない学生が自由にエクササイズを組み合わせたのでは、本当に効果のあるトレーニングができない。このサイトでは、以下のような手順で現状把握やゴールを設定した上で、各ユーザーに適したメニューを提案するので、一人でも安全で効果の高いトレーニングを行うことができる。

①スポーツを選ぶ
バスケットボール、フットボール、野球、その他の中から自分がプレイしているス  ポーツを選ぶ
②ゴールを設定する
基礎体力をつける、コンディションを整える、パフォーマンスをあげる等から、トレーニングの目的を選ぶ
③自己評価
「瞬時に体の向きを変えることができる」「踏み切る力が強い」など、身体能力を測る12の項目について、10段階評価を行う

こうして、自己評価に基づきトレーニングメニューが提案され、それぞれのエクササイズを動画で確認することができる。メニューは自分で構成することもでき、保存しておくこともできる。曜日ごとのメニューを作ったり、強化メニューを作ったりと、毎日続けるための使い勝手も良い。

さらに、このWebサイトの優れている点は、他の人、つまりチームメートなどの評価も取り入れることができるところだ。確かに、選手の得意・不得意を一番理解しているのは、共にプレイする仲間たちである。チームメートのメールアドレスを打ち込むと、それぞれにメールが送られ、ユーザーの評価ページへ誘導される。チームメートからの評価に基づいたトレーニングメニューが提案され、ユーザーは、自分に足りないものは何かを自覚し、それを補うための鍛練もできるわけだ。1人のユーザーを通してチーム全体との接点を作ることができ、エリートアスリートを囲い込むという本施策の目的に合致した仕組みでもある。

2)分かりやすい&かっこいい実演ビデオ
トレーニングメニューに組み込まれた、エクササイズの1つ1つを動画で確認することができる。プロのトレーナーが身体の動かし方やその効果などを説明・実演し、続いて生徒(ユーザー)がそれを実践する。このとき、トレーナーが「もっと脚を高く!」などと、指導や注意を促すので、見ている側もどこに気を付けなければいけないのかも分かり、実際に学校で習っているような感覚にもなる。難しい運動動作は、よりリアルに理解させるための工夫が施されている。また、ビデオも学校の教材のようでは、やる気も出ない場合もあるが、このビデオは映像処理とBGMにより演じるアスリートがかっこよく、やってみようという気にさせる。きついトレーニングでも、目標や憧れを持つことで、自発的に取り組むことができるのではないだろうか。

3)マイケル・ジョーダンの思い
「トレーニング・ストーリー」と名付けられたページでは、マイケル・ジョーダンをはじめとしたバスケットボールの名選手が、自身の思いを語る映像を見ることができる。「みんなは、私が活躍する姿しか見たことがないかもしれない。しかし、本当は辛いトレーニングや挫折の日々があった。」と、毎日のトレーニングが今日の成功をもたらしたことを語るジョーダンは、若いアスリートたちに希望を与えることだろう。長続きしないトレーニングビデオで終わらせないためにも、このようなスター選手が練習の大切さを語るのは意味のあるものである。

ダイレクトマーケティングへの応用
筆者は、Nike社の本施策のポイントは、商品を購入させるのではなく、商品を購入してくれる顧客を育てるという点にあると考える。似たようなブランドや商品が市場に飽和している状況で、顧客の奪い合いをするのではなく、将来、顧客となり得る人々にブランド価値を植え付け、ブランドのファン、そして優良顧客へと成長させる。長期的な戦略であるが、狙いどおりに機能すれば、将来、継続的に顧客が期待できるだろう。

昨今、日本でも金融系のマネー講座、日用品の正しい使用方法、医療系の専門知識習得など、現在のターゲットに語りかける顧客啓蒙型の施策はよく見られる。しかし、人口減少社会のこれからは、未来のターゲットが若いうちからアプローチし、真のファンを育てるのも1つの方法ではないだろうか。若いころに経験したことが将来の糧になるように、若いころに真のブランド体験を提供することができれば、一生の顧客となるかもしれない。

*記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標

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