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信頼の欠落が招く信用崩壊の時代に目指すCRM

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
落藤 隆夫
series
Wunderman's view No.71
date
2009年1月 8日
themes
CRM

2008年は、「信用」が壊れた年として世の中に記憶されるのではないだろうか?素性の分からない「金融商品」を信用して儲け話に乗り、保険をかけたつもりが全く保険にならなかったという笑えない話が、世界中で露見してしまった。心理経済学の妙木浩之東京国際大学教授が、今回の金融危機に関連して、次のように述べている。
 
「信用と信頼は決定的に違う、それがインターネットでは区別しにくいということが重要です。信用と信頼、ちょっと違いが分かりにくいのですが、信用がリスクとして計算可能なことは、すでに金融の世界では周知の事実です。それに対して信頼は、その点で計算できない、つまり対面的なインターフェイスがないとなかなか発生しない。この指摘を行ったのは現代のフランクフルト学派のホネットですが、彼はこれを信頼という言葉より承認という言い方で説明しています。これは人間の母子関係に起源を持つ、とても原始的な確認の方法であり、面と向かって相手が悪い人ではないらしいと確認する、信頼のための基本的な手続きなのです。でもそれはインターネットでは、というか発達したインターネットの利便性を考えたリスク計算の世界ではあくまで二次的な、煩雑な手続きとして省略されることが多い。」

要は、面と向かって相手の善悪を確認する、信頼のための基本的な手続きがない中で、リスク計算の上に成り立った信用だけが膨張したために、信頼というストッパーが効かずに信用崩壊のスピードが速まったということである。もし「あの人だから」という信頼があれば、信用の供与がストップすることもなかったのかもしれない。顔を知らずに信頼、いや信用してしまう。ITの発達で、日常的に見受けられる現象ではないだろうか。

今の時代、ブランドへの信用や信頼は作るものではなく、作られるものではないだろうか?インターネット上のブログやサイトでは、ユーザーからのブランドに対する意見や本音が飛び交っている。消費者相談センターやコールセンターには、ユーザーからの生の体験談が苦情や質問という形で飛び込んできている。そこでの会話を支えているのは、ブランドへの想いである。そして、そこにはブランドへの信用と信頼がある。ブランドを支えるコミュニティが、自発的に形成されているのだ。つまり、ブランドビルディングとは、ユーザーと共に行う共同作業ではないだろうか?

マーケティングの世界では、目に見えない一人ひとりの消費者を「ターゲット」という言葉で一つにくくる。そして、その中の一部の消費者を「ロイヤルユーザー」という言葉でCRMシステムの中に閉じ込めようとするのである。でも、それはあくまでもブランドの側からの一方的なお仕着せであって、果たしてユーザーの側に信頼があってのことだろうか?そう考えると、囲い込むCRM(Customer Relationship Management)ではなく、ユーザー主体のCRM(Customer Really-Managed Relationship)の視点がより重要になってくる。

消費者との会話を通じて、ブランドの側から積極的にユーザーの側にとって価値のある話をすることがますます大切になるのではないだろうか。特にブランドへの格別な思いのあるブランドコミュニティに関しては、ブランドスピーカーの選択とブランドスピーチの在り方はより重要になるだろう。ブランドへの想いを同じような目線で持っていないと、会話の輪には入れないのである。大切なのは、ユーザーと同じ人称で語ることである。

会話のニュアンスを理解するには、会話に参加して、自分から価値のある話をしてみることである。ブランドサイトと呼ばれるサイト作りにしても、ブランドの側からの売り言葉ばかりが先行してWebブローシャー化しているケースが多いのではないだろうか?少なくとも自発的に興味を持って、場合によっては買う理由を探しにサイトを訪問しているのに、その想いに応えられないとしたら、せっかくのブランドへの信頼が幻滅に変わってしまうのである。Webサイトの持っているインタラクティブな機能は、まさにブランドとユーザーとの間でリアリティのある会話ができる絶好の場である。サイトを通じて面白い会話、興奮する会話ができるようになれば、相互理解が深まり、信頼の絆が深まるはずである。そこに、ブランドスピーカーのセンスが問われるのだ。

もう一つ大切なことは、話し上手は聞き上手と言われるように、会話に参加するタイミングを見極めることである。ブランドの側は話したくてウズウズしているのであろうが、どんなブランドスピーチもタイミングを間違えると、しらけてしまうものだ。要はパーティでの楽しい会話と同じである。自分たちにとって価値のある話をしてくれる人のところにパーティの参加者は集まるもの。タイミングを見計らって合いの手を入れれば、ブランドスピーカーであるあなたに注意が集まるだろう。そこでブランドの側からの面白い話を披露すれば、価値のある参加者として次回もパーティに呼ばれるようになるのである。

今の時代に大切なことは、企業もブランドコミュニティの一員であるという意識を持つことではないだろうか?ブランドコミュニティを維持、発展させる会話作り。そして、その会話の場をうまくマネジメントしてこそ、ユーザー主体のCRMといえるのだ。

2009年は丑年。牛歩ではないが、ブランドとユーザーの会話が積み重なって、企業の信頼は少しずつ積み上がるものである。その信用と信頼が深まるコミュニケーション作り、ユーザーと信頼という絆で結ばれたブランド作りが、電通ワンダーマンが目指すCRM(Customer Really-Managed Relationship)である。そして年頭にあたって、崩壊した信用をもう一度作り直すためにも、「信頼」がキーワードとなる年になるよう願ってやみません。
                                                (株式会社電通ワンダーマン 代表取締役社長) 

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