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アナログ放送終了時に、行動しない人をいかにして動かすか

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
曽利 尚美
series
Wunderman's view No.72
date
2009年2月 5日
themes
コミュニケーション戦略

日本の地上アナログテレビ放送終了(2011年7月24日)に先駆けて、米国では本年、2009年2月17日に地上デジタルテレビ放送へ完全移行する予定であったが、全土で650万世帯がまだ準備できていないため6月まで延期することになった。

米国FCC(連邦通信委員会)では、専用のWebサイトを立ち上げ告知キャンペーン(DTV Transition and the Coupon Program)を実施しているが、その完全移行を前に昨年9月にノースカロライナ州で地上アナログテレビ放送が終了した際に、住民の8%が地上デジタルテレビ放送への対応ができずにTVが見られなくなった。

いまだにその混乱が続いているわけだが、日本では現在どのようになっているのだろうか?

日本の地デジ化対策
総務省と社団法人デジタル放送推進協会(DPA)が中心となって地上デジタルテレビ放送(地デジ)化を促進している。読者の皆様の中でもタレントの草�g剛さんを起用したTVCMを見たことのある方も多いと思うが、各TV局でもテレビ画面の右端に「アナログ」という文字を表示するなど地デジの浸透を図っている。

総務省が昨春に実施した浸透度調査によると、地デジに関する浸透度は92%とかなり高くなった一方で、デジタル放送受信機の世帯普及率は43%であった。特に2008年冬のボーナス商戦が不況の真っただ中であったこともあり、デジタルテレビへの買い換えは想定したよりも進んでいない。
(総務省「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査の結果」報道資料・表示されるまで少し時間がかかります)

「認知はしているが、行動はしない」

非常に手ごわい消費者といえる。このような人々の心を動かし、行動してもらうためには何が必要かを、マーケティングプランニング的に考えてみたい。

「認知しているが行動しない人々の心」を動かすには?
認知しているけれど行動しない人を行動パターンにより分けて考える。

タイプA:正しく認知・理解しているが、まだ期限があるから後でもいいと思っている人
タイプB:認知はしているが、どうやって行動すればいいかわからない人
タイプC:認知はしているが、行動したくないと思っている人

タイプAの人は、理解はしているが行動を起こすのは後でもいいと思っている人なので、特典キャンペーンなどを実施することによって早期に動いてくれる可能性が高い。

問題なのは、タイプBとタイプCの人である。

タイプBの人は、正しく理解して行動するためには自分一人で解決することが難しく、手配から据付けまでのサポートを必要とする。

タイプCの人は、理解が間違っているか、理解不足で心理的障害が起きているため、理解促進のためにはさらなるコミュニケーションが必要である

A、B、Cのターゲットそれぞれの導き出し方については、リサーチを行って顧客が行動するときに障壁となっている事柄や気持ちなどを深掘りすべきである。このリサーチの概要については、家庭用FAX複合機メーカーのオンラインサポートサイトの利用促進業務での筆者の経験で説明したい。

顧客がオンラインサポートサイトをうまく利用できない、あるいは利用しようと思わない障壁について、まずはグループインタビューを少人数で行い、その自由な発言の中からキーとなる仮説をたて、10段階項目を2軸作成した。1つの軸はITリテラシーであり、インターネットの日ごろの利用頻度や、オンラインサポートサイトの利用経験などを聞く項目を10個定義した。もう1つが、OAリテラシーである。コピー機やFAXなどのOA機器の動作不具合が起きたときにどのような行動をとるか(例えば、自分ではまったく解決方法が分からないので、サポート担当部署や分かる人に頼むタイプか、ある程度は自分でマニュアルなどを読みながら不具合を解決しようとするかなど)によって、10個のキークエスチョンを定義した。

次に、この10段階のITリテラシーとOAリテラシーを使って比較的大人数のアンケート調査を実施して、その結果をクラスター分析しタイプA〜C顧客のペルソナ化を行った。

このような分析を通じて、タイプの違う人々の心を動かすためには、今まで実施してきた一方向からのコミュニケーション以外の方法を使うべきであることが確認できた。

多方向コミュニケーションで顧客の心を掴む
それが、多方向コミュニケーションである。多方向コミュニケーションの概念については、図をご覧いただきたい。

↓クリックすると拡大します↓

従来型コミュニケーションでは、メッセージを一方向から発信して、浸透が悪ければメディアの露出回数を増やすことで認知を上げようとしてきた。しかしながら、この方法では、ターゲット全体で認知はあがるが行動するのは、正しく理解している人(図ではAさん)のみであった。

一方で、多方向のコミュニケーションでは、Bさん、Cさんそれぞれの障壁に合った情報を多方向から届けることにより、行動喚起へ導くことができるのである。

ただし、誰がBさんタイプなのか、Cさんタイプなのか、明確でない人々に話しかけていくので、伝えるときのメディアや表現手法も多数の組み合わせの中から最適なものを検討するべきである。当社が培ってきたダイレクトマーケティングでのコミュニケーション手法もここに味噌があるのだ。

それでは、地デジ対策に戻って、今後検討すべき多方向コミュニケーションのポイントについて考えよう。

タイプB(認知はしているが、どうやって行動していいかわからない人):ユーザーのブログコメント分析を行うと、ネガティブなキーワードとして「不安」「理解できない」「無理」「ダメ」といった言葉が頻出した。そこで受信機購入サポート(ハードサポート、ソフトサポート)というキーワードが考えられる。

タイプC(認知はしているが、行動したくない人):「もったいない」「環境破壊」「買い換えたくない」「いままでのテレビを活用したい」というキーワードが見られた。そこで、エコへの配慮をすることで、障壁を和らげることが考えられる。

1)受信機購入のサポート
ハードサポートは、米国でも実施されているが、受信機を所有していない人に対する購入のサポートプログラムである。
このハードサポートよりも重要なのが、ソフトサポートの充実である。DPAが準備している地デジ応援キャラバンではソフトサポートへの理解が行き届かないのではないだろうか。
このきめ細かい仕掛けは、民間企業のプログラムを活用して、ぜひ盛り上げを検討していくべきである。

2)エコへの配慮
アナログテレビからデジタルテレビへの購入切り替えや、ビデオデッキの買い換えをすることにより多数の廃棄家電製品が出現する。
この廃棄家電製品の対策について、エコロジー、地球貢献を訴える動きがでてきてもよいのではないか。

こうして見ていくと、日本での対応はまだまだフレンドリーではないといえるのではないだろうか。認知はしているが行動しない人への行動促進は一筋縄ではいかない。特にオファーにつられたキャンペーンだけでは、人は気持ちよく行動しない。人々の心の本質に刺さり、かつ、多方向からのコミュニケーションを設計することがネガティブな心を溶かす鍵となりうるのだ。

今回は、地デジを例に説明したが、他にも認知しているが動かない人が多い事象として次のようなものが挙げられるだろう。
・成人識別ICカード「taspo」
・家庭に眠っている製品の回収
・感染症の検査(HIV、性感染症)

文字数の関係でここでは書き切れなかったが、多方向コミュニケーションについて、興味のある方は、当社にご連絡をいただきたい。

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