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ダイレクトマーケティングは戦術ではなく、戦略である

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
野口 健介
series
Wunderman's view No.76
date
2009年6月 4日
themes
コミュニケーション戦略

驚異的な広告市場の成長
株式会社電通の発表によれば、「2008年(平成20年1−12月)の総広告費は6兆6,926億円、前年比95.3%、5年ぶりに減少。」とのことであり、また、別の機関の報告によれば約10%の減少ともある。そして、2009年には、広告宣伝費や販促費の更なる減少が予想されるような状況である。

百年に一度の大不況と言われるような昨今の経済情勢ともなると、業績の回復を目指す企業の多くでは、こぞって広告宣伝費や販促費を抑制しようとするものである。それでは、広告宣伝費や販促費の役割とは、そもそも何であったのだろうか。業績を向上させるためにこそ費やしてきたのではないだろうか?だからこそ、広告宣伝費や販促費を上手に活用して、業績回復を目指そうとする企業がもっとあっても不思議ではないと思うのだが。(そのような企業も存在するにはするが...)

では、なぜ経済情勢が悪化すると、企業では広告宣伝費や販促費の抑制に走るのか?その理由は、これらの費用と売上げの相関がいまだに不透明だからではないだろうかと、筆者は考えている。要は、費用対効果が不明なために、ある意味で"無駄"の烙印を真っ先に押されてしまうのだろう。

冒頭のとおり、日本の広告市場は約7兆円であり、GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は約500兆円である。ある資料によれば、戦後まもない約60年前の広告市場は約170億円であり、GDPは約7兆円であった。これらの統計を単純に比較すれば、GDPの成長率が約70倍であるのに対して、広告市場の成長率はなんと約400倍。日本の経済、消費構造が大きく変化していることを勘案しても、広告市場の成長は驚異的なものである。

多くの企業で効果も不確かな費目に、そのような大金をよくも費やしたものだと感心させられると同時に、広告市場に携わる一員としては、効果の検証について改めて考えざるを得ない。これからは、以前にも増して「広告宣伝の費用対効果」が問われることは間違いないのだ。

ダイレクトマーケティングとは?
その点、私たちの師であるレスター・ワンダーマンが提唱するダイレクトマーケティングは、コミュニケーションの費用対効果を監視し、改善することを常としている。それは、費用対効果の検証を寸分の狂いも無く算出するものではなく、まさに企業の次なる行動の意思決定を支援するものなのだ。

昨今の通販市場の急伸張もあいまって、ダイレクトマーケティングをダイレクトセリング(=通販)と勘違いされている方も少なくないようである。確かにダイレクトマーケティングでは、通販のノウハウが多く含まれていることも事実であり、費用対効果を見るのに、購買行動をKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)でモニタリングするあたりは、まさにダイレクトの代表的検証方法と言える。ともすると、このような検証などの方法論、すなわち戦術がダイレクトマーケティングかのように誤解されることも多く、私たちが日常的に耳にするクライアント企業のマーケティング担当者からの「やり方教えて」の問いは、この誤解と勘違いを象徴するやり取りである。

レスター・ワンダーマンの著書「ワンダーマンの売る広告」には、その誤解を解く、ダイレクトマーケティングの本質が序文に記されている。要約すると以下のような内容である。
『私たちは、消費者の個人的ニーズに基づき仮説をたて、実行し、数字で結果を評価します。そして、新たな発見にいたる道を歩むきっかけをご提供します。』

まさに、これがダイレクトマーケティングである。
そして、レスター・ワンダーマンがダイレクトマーケティングの数多くの実践から得た教訓である"成功するすべての会社が知っている19のルール"には、その時代や経済情勢に関係なく、企業を成功へと導くルールが記されているのだ。

削減だけでは改善なし
広告宣伝費や販促費の費用対効果が不透明な故、この経済状況下で削減を実施、あるいは検討されている企業には、ぜひ一度立ち止まって考えていただきたい。本当にそれを削減していいのだろうか?決して削減するな、と言っているのではない。消費者や顧客をじっと見つめ、顧客の声に耳を澄まし、個人的ニーズを一生懸命に理解して、仮説を立て、実施後に検証することで、今よりももっと消費者や顧客と仲良くなれるのではないだろうか、ということを。このような経済状況であるからこそ、ダイレクトマーケティングを業績回復、向上の1つの戦略と位置づけることができたらと思う次第である。

戦略構築の基本的な考え方
それでは、以下にダイレクトマーケティング戦略構築の基本的な考え方に関して、19のルールの中から2つ、ご紹介させていただく。

1..「主役は製品ではなく、消費者でなければならない」(19のルール その2)
このレスター・ワンダーマンの言葉は、企業に対してプロダクトアウト発想から、カスタマーイン発想への転換を促すものである。マーケティング戦略構築の際に考慮すべき要素として、古くから言われている4P(Product(商品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促))に、ぜひもう1つのP(Person(人))を加えていただきたい。

この追加した"P"は、顧客一人ひとりを捉えるために、Personalなことに関心を払うことを意味している。そして、マーケティング戦略をより効果の高いものにするためには、4Pの前にこのPを充分に捕捉しておくことが重要である。捕捉の手段としては、過去の購買行動の分析、コンタクトセンターに寄せられた声(電話、ハガキ、メールなど)の集積・分析、Webログの解析、調査などさまざまである。

まずは、顧客の声を聞いてからその他の戦略を組み立てていく、「1P(Person)+4P」での戦略構築プロセスが求められる。つまり、"個客"を知ることで、その集合単位である"固客(セグメント)"を定義し、固客ごとに見られる共通項や最大公約数的なものを探り、顧客の全体像を掌握するという流れである。

私たちがクライアント企業の戦略構築をサポートさせていただく際、必要とされる顧客に関する情報は、既にその企業において多岐にわたって所有されていることが多い。しかし、それらを充分に活かされていない場合が少なくない。そのため、私たちはまず初めに、情報を整理、追加(必要な場合には調査して)、加工、統合、体系化し、「個客・固客・顧客」を充分に知ることから、サポートさせていただくのが通例である。

2.「広告カリキュラムを作る」(19のルール その15)
仮に顧客のことを充分に理解したからと言って、それで最大効果が得られるコミュニケーションが実施できるわけではない。コミュニケーションの最適解を探る旅には、「ターゲット」「タイミング」「チャネル」「メッセージ」の羅針盤が必要不可欠であり、1つ1つのコミュニケーションの結果こそが、進むべき道を示す羅針盤の磁力となる。

戦術を構築する前に、『コミュニケーションの結果を得ること、そしてその結果を継続的に捕捉でき、その結果が戦術にすぐに反映できること』を実践できる体制、仕組みを、クライアント企業の中に築いていただくことが必要である。ダイレクトマーケティングでは、テスト&ロールアウト、あるいはPDCAの業務サイクルの重要性がしばしば語られるが、現場でよくある話として、「テストをやっている予算や時間はない。君たちプロならすぐに本番で結果を出して欲しい。」とのリクエストを頂く。これは「君は航海のプロなのだから、羅針盤なんか見ずに無事に操船してくれ。」と言われていることに等しく、非常にリスクが高いことは読者の皆様も想像に難くないだろう。仮に航海が無事にできたとしても、なぜ無事に航海ができたのかの学習がないために、二度、三度と同じ成果を出すのは困難極まりないこととなる。

私たちは、どんな結果を知るべきか、そして結果の善し悪しを何をもって判断するのか、という出航前の準備(羅針盤の設計)から、羅針盤を見続ける体制、インフラの提供、そして羅針盤から得られた情報による航海指針の提示までを行い、クライアント企業と共に多くの航海をしてきた。(時には嵐もあったが...)その中で学んだ重要なことは、数回の検証改善に留まらず、継続することである。その"飽きない"改善が、まさに"商い"成功の肝であるのだ。

戦略としての位置づけを
筆者は、2002年にも今回と同じような内容(2002年7月「ダイレクトマーケティングの肝はアカウンタビリティに在り」で執筆したが、当時よりも多くの企業が広告宣伝費や販促費の有効活用のために、費用対効果の検証に熱心に取り組んでおられることを、現場で肌で感じている。しかし、一部の企業においては戦術に留まり、戦略としての位置づけではないために、効果が限定的になっている場合も少なくないようだ。繰り返しになるが、百年に一度の大不況にある今だからこそ、ダイレクトマーケティングを戦略と位置づけ取り組まれることをお勧めしたい。

最後に、レスター・ワンダーマンが見つけた成功するすべての企業が知っている19のルール、その1「ダイレクトマーケティングは戦術ではなく戦略である」の解説を、その著書より引用させていただく。

『ダイレクトマーケティングは、DMでもクーポン付き広告でもなければ、電話でもフリーダイヤルを宣伝するコマーシャルでもない。ましてや、プロモーションでも、データベースでも、Webサイトでもない。価値ある顧客を獲得し維持しようとする、あなたのコミットメント(強い関与への意志)である。』

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