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マーケティングコスト削減の肝はダイレクトマーケティングにあり

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
大月 輝明
series
Wunderman's view No.78
date
2009年8月 6日
themes
コミュニケーション戦略

不況下におけるコスト削減の現状
さまざまなメディアで踊る「未曽有の大不況」「100年に1度の大不況」の活字に呼応するように、「経費削減」「コスト削減」などの言葉を見聞する機会が増えている。

その証拠に、「平成20年度企業行動に関するアンケート調査報告書」(内閣府経済社会総合研究所)では、「原材料・燃料・商品等の調達先の見直し」によるコスト削減が企業の利益確保のための取り組みの60.5%を占めると報告している。企業として、収入を増やし収益を確保することが容易でない昨今の経済環境では、コスト削減を強化することは当然の流れであろう。

広告販促費も例外ではなく、「2008年の日本の広告費」(電通・調査)においても、6兆6,926億円、前年比4.7%減で、5年ぶりの減少であった広告費の削減の流れは、さらに強まるであろうと予測している。

マーケティングコミュニケ―ション活動において異なるコスト削減の方法
次の2つの事象は、マーケティングコミュニケーション活動にかかる費用を削減することで収益改善を図った最近の例である。

消費財メーカー:
某消費財メーカーでは、利益確保のための打開策として、チラシ・DMなどの販促施策を一律カットすることでコストの削減を図った結果、新規顧客の獲得が昨年対比で約20%も低下し、売上と同時に利益も大幅に落ち込んでしまった。新規顧客が売上・利益の65%を支えているこの消費財メーカーでは、チラシ・DMなどの販促施策が新規顧客を獲得する手段であったにもかかわらず、そのコミュニケーション施策を大幅に切ってしまったわけである。

食品メーカー:
某食品メーカーでは、テレビCMなどのマス媒体による広告宣伝や販売促進などの施策を見直し、コストの削減を図った。その新たな施策が利益構造の改善に寄与し、売り上げは若干減少したものの、営業利益が前年比で200%を超える伸びとなった。テレビCMなどは顧客に物を買わせる直接的な手段とはなっておらず、この食品メーカーでは、結果の伴わないコミュニケーションに必要以上に大きな費用をかけていた、と考えられるのである。

これらのすべてが、コミュニケーション施策コストの削減によりもたらされた結果と言い切ることはできないが、その中心であったことは紛れもない事実であろう。

「サスペクツ」(不確定見込客)は「プロスペクツ」(見込客)ではない
『「見込客」は、購買する意思と能力を持つ消費者であるが、「不確定見込客」はそれらの要素をほとんど持ち合わせていない。見込客とのコミュニケーションでは、その購買する意思を刺激することにより、容易に顧客に変化させることが可能なことから販売コストの軽減につながる。反面、不確定見込客とのコミュニケーションでは、見込み客に変容させるためには広告宣伝によって繰り返しアプローチする必要があり広告費を増大させる。』
 
この『「サスペクツ」(不確定見込客)は「プロスペクツ」(見込客)ではない』は、ダイレクトマーケティングの師であるレスター・ワンダーマンが提唱する「成功する会社が知らねばならない20のルール」の10番目のルールである。

このルールが指摘するように、多くの企業におけるコスト削減の基準は、あくまでも施策にかかる金額面を軸に判断した結果であり、顧客とのコミュニケ―ションの構築が必要か否かの判断が優先されることは少ないのである。

また時として、金額面を軸に判断したコスト削減の方法は、前述の消費財メーカーのように顧客を失いかねない結果となることもある。それは、コミュニケーション施策のコストがコミュニケーションの結果とイコールとは限らないためである。

食品メーカーにおける「テレビCM」や「販売促進費」は、サスペクツ(不確定見込客)とのコミュニケーションであったことが、皆様にも容易に推察いただけることだろう。つまり、対象が不確定見込客で、顧客とのリレーションシップが構築されていない、必要性の低いコミュニケーションであったが故に、見直すことで収益が向上したのである。

マーケティングコミュニケーション活動において最も重要な点は、費用の絶対額を削減することではなく、無駄な費用を見つけ出しそれを削減することである。そのためには、顧客にとって最適なコミュニケーションはどうあるべきか、顧客とのコミュニケーションを実施するうえで重要な要素は何かと共に、顧客にとって必要なコミュニケーションか否かを考えることである。

マーケティングコミュニケーション活動とコスト削減
『マーケティングコミュニケーション活動において、有効なコスト削減施策とは費用対効果を高めることに他ならない。』

当然のことながら、企業が存続するうえで顧客とのコミュニケーションは絶対不可欠の要素である。しかし、その顧客とのコミュニケーションを費用面からだけで見直し判断をしてしまうと、先ほどの事例のように顧客が企業から離れてしまう可能性が高いのである。つまり、見直し削減を判断すべき軸とは、顧客にとってそのコミュニケーションが必要か否かであり、必要なコミュニケーションであれば、いかに余分なコストをかけずに顧客がもたらす結果を高めることができるか、すなわち費用対効果を見るべきなのである。

その費用対効果を検証する際の基準は、投下する金額や露出量ではなく、また「リーチ」(広告到達率)や「フリークエンシー」(広告接触頻度)でもなく、顧客との関係にどう影響を及ぼしたのかが分かる結果とを合わせてかんがみる必要がある。

費用対効果を高めるために
『ダイレクトマーケティングにおいて、費用対効果を高めるためには、4つの要素(ターゲット、チャネル、タイミング、メッセージ)を最適化することで可能となる。』

情報サービスを提供する企業の例では、各企業の技術力、営業力やサービス力を客観的に評価する分析レポートを商品として、このレポートを基に自社の商品やサービスの開発の検討、さらには金融機関との融資交渉にも活用できることをメッセージとするDMを軸に、新規見込み客開拓施策を実施したのである。

この分析レポートを活用して、自社を客観的に評価する機会の少ないであろう中小規模の企業の方々が、営業先や金融機関に自社の特徴や強みを理解させ、取引交渉をより有利な条件で行なえるように図ったもので、中小規模の企業(ここでは従業員100名未満と定義)を中心に実施した。

送付先はある一定の条件で抽出された企業リストで、従業員100名以上では担当部署(●●ご担当者御中)、従業員100名未満では代表者御中と宛先を変えたところ、問合せ件数において従業員100名以上の企業からの方が5倍以上という結果であった。その差の理由の1つとしては、100名未満の企業ではそもそもこのような情報を活用する人・組織が明確になっておらず、一方で、100名以上の企業では情報を活用するための組織・体制があり、このような情報サービスに対して敏感であったためと推察される。

些細なことのようだが、送付する宛先(対象の組織・人)により、同じメッセージ、同じチャネルでも結果が大きく異なる可能性もあり、ターゲットを見誤ることで費用対効果が悪くなりかねないのである。

また、B2Bのモバイル通信サービス企業の事例では、一定の条件で抽出されたIT担当者もしくは総務担当者を対象に、新しい情報サービスに関するDMを送付し、後にアウトバウンドにて営業アポイントを獲得する、新規顧客開拓のための施策を行った。商品やサービス内容の説明を行うDMによってターゲットに一定の理解を促し、アウトバウンドにより更なる説明に興味を持った顧客のアポイントにつなげるという仕組みであった。

一方で、同じ条件の下に、DMより実施コストが安いFaxを送付した後、アウトバウンドで営業のアポイントを獲得する試みを行なった。Faxの場合、あくまでもアウトバウンドを実施するための"つなぎ"として、商品・サービスを認知させることを目的とし、商品・サービスの詳細な説明は記載しなかった。

結果、この2つの試みでの最終的なアポイントの獲得率は、ほぼ同じであった。また、Faxの場合、到着した事実を認識していない(記憶があいまいな)お客様がDMより多かった。つまり、ターゲット企業の担当者に対して営業アポイントを獲得するためには、事前にDMで詳細な商品・サービス情報を伝達することが必ずしも必要な要素ではなく、むしろ商品・サービスの概要あるいは送付したという事実の方が糸口として重要となり得るのである。

あくまでも、施策の最終的な目的はアポイントの獲得であり、商品を理解させることではない。その目的においては、事前にコミュニケーションをとる手段はFaxで十分であり、施策コストがDMよりも下がったことから費用対効果も高かったといえる。

この事例では、ターゲットのワーキング環境とコミュニケーションチャネルが最適化されたことで費用対効果を高めたわけだが、Faxやアウトバウンドを実施するタイミングや伝達するメッセージの最適化を図り、アポイントの獲得率をさら上向かせることで、費用対効果を一層高めることが可能となる。換言すれば、ダイレクトマーケティング施策のコスト効率を高めるためには、常に結果を監視し、改善すべき要素は何かを探求することがもっとも重要なことである。

当ニューズレターで繰り返し述べてきたように、ダイレクトマーケティングの肝はコミュニケーションの結果を計測(PDCAのCheck)し、次に向かうべき行動のきっかけ(Action)を作ることにある。100年に1度の大不況に立ち向かうべくあらゆる場面で費用対効果の最大化を模索されている皆様の企業において、レスター・ワンダーマンの「20のルール」と共に日々仮説と検証を繰り返し、費用対効果の最大化を図ってきた私たち、電通ワンダーマンが実践するダイレクトマーケティングを体感していただきたい。

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