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ダイレクトマーケティングに使える戦略フレームワーク

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
高野 基
series
TIPS★TIPS No.72
date
2009年12月17日
themes
コミュニケーション戦略

近年、当社ではCRM(Customer Relationship Management)やSFA(Sales Force Automation)などのプランニングの上流工程をクライアント企業と協働して設計する際に、「フレームワーク」を用いながら議論を行うことが増えている。そこで、今回のコラムでは、ダイレクトマーケティングの戦略プランニングにも使えるフレームワークにフォーカスし、5つの代表例の特長と基本的な使い方をご紹介したい。

本題に入る前に、一般論から少しおさらいをしておこう。戦略プランニングの「フレームワーク」は、企業や商品がおかれている状況や特徴を分析し、将来の事業を成長、あるいは、拡大、均衡へと転じる「戦略仮説」を、客観的・論理的で"ヌケ・モレ・ダブリ"なく(MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)導き出す「思考の枠」あるいは「ツール」と言われている。

もう少し具体的な定義となると複数があり、人の行動心理の法則やブレーンストーミングの方法論などを含める説もあるが、実用性からは図表の形状と軸の論理性に着目した定義が主流のようである。ルールがない状況で視点を洗い出す「並列型」、変化や流れのなかに気付きを見出す「時系列型」、二軸と空間の意味合いを吟味し要素をプロットする「二次元型」などの分類が、それである。

代表例と基本的な使い方
ここからは、当ニューズレターの読者の皆様の実用性を高めるために「形状」ではなく、マーケティングプランニングの工程上の「目的」を切り口にして、ダイレクトマーケティングの戦略プランニングで用いる代表例を紹介する。

1) 市場での勝ち方を考える「SWOTマトリクス」
企業や商品にとっての外部(市場)にあるOpportunity(機会)、Threat(脅威)と、企業や商品がもつ内部のStrength(強み)、Weakness(弱み)を洗い出すことで、成功する要因(Key Success Factors)、あるいは「勝ち方」を導き出すために用いる。筆者が知るところ、分析報告の段階では「クロスSWOT」が用いられるケースが多く、クロスして、新たにできる4つの領域に一定の定跡(対策のセオリー)があるので使いやすいという意見もある。
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図1.SWOTマトリックス

また、競合商品についても知り得る情報を基に、同様の分析を行うことで精度を高めることが可能である。

このSWOTマトリクスは、もともと5フォースやポジショニングマップ、PEST(政治的[Political]、経済的[E=Economic]、社会的[S=Social]、技術的[T=Technological]の4つの環境要因からの外部環境の分析)といったフレームワークと同様に事業戦略をマクロ視点で検討する際に用いられてきた。近年では、通販ビジネスやEC(E-Commerce:電子商取引)などを行う企業では、ダイレクトマーケティングの上位戦略に関連づけるケースも見受けられる。

2) 顧客視点から商品の特性を考える「4C」
4Cでは、Customer Cost(顧客が納得する価格)、Convenience(顧客にとっての利便性)、Customer Value(顧客が感じる価値)、Communication(顧客との対話)の4つの"C"を洗い出すことで、顧客視点から商品特性に関する明確な定義を導き出す。

「Communication」とは、かつては「広告」が主だったが、近年では「顧客との対話」の意味に近づいており、他の3つのCに常にフィードバックするという連携の重要性についても議論されている。以前の当社コラムでも言及しているので、ご興味があれば、後で参照してみていただきたい)。
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図2.4C

ちなみに、この「4C」は1980年代に初めて提唱され、それまでの企業視点であったプロダクトアウトの発想から「マーケットイン」、つまりは「顧客視点」を重視する発想がマーケティング界に広まり、現在に至っている。その意味で、筆者は、長期的な顧客との関係(Relationship)から商品を売るという当社の歴史と哲学にとって重要な意味をもつフレームワークの1つだと考えている。

3)商品と顧客の価値感との結びつきを考える「ベネフィットラダー」
ベネフィットラダー(Benefit Ladder)は、商品に対して顧客が得るであろうベネフィットを整理することで、商品と顧客の価値観との結びつきを考える際に用いる。

まず、ベースとなる最下段にプロットするのは、「商品属性(Attributes)」、つまり商品の属性から顧客が得る物理的なベネフィットや、物理的な特徴として顧客が直接知覚できるものである。次の中段は「客観的ベネフィット(Objective Benefits)」で、顧客にもたらす機能的なベネフィットをプロットする。そして、最上段には「主観的ベネフィット(Subjective Benefits)」をプロットする。これは、顧客個人の感情・感受性によって主観的にとらえられる、心理的なベネフィットのことである。
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図3.ベネフィットラダー

ここでの分析により、実際のコミュニケーション設計の工程においても、自社の商品のどの部分を強化していくか、というUSP(Unique Selling Proposition)を明確化する際にも役立つ。

さらに、ブランド分析の意味合いが強いこのフレームワークが、ダイレクトマーケティングの戦略プランニングを議論するテーブルに出てくるようになった背景には、顧客視点という1つの視座から戦略全体をみる必要性が高まり、もはやダイレクトとブランドとの境界線が薄れていることとも関係すると、筆者は考えている。

電通ワンダーマン独自の戦略フレームワーク
当社独自のフレームワークである「ロイヤルティ・フレームワーク(Loyalty Frame Work)」は、このコラムでも何回か紹介しているので、今号では当社がよく用いる2つの戦略的フレームワークをご紹介したい(フレームワークの定義から多少逸脱し「メソッド」に近いものであるが)。

4) 顧客の成長過程における情報接触行動を考える「ビヘイビアスネーク」
顧客のプロファイルに基づいて、一般消費者から「見込客・顧客(初回・継続)・ロイヤル顧客」といった顧客ステージに至る過程において、一般消費者・見込客・顧客が、商品情報に接触するコンタクトポイントをスネーク上(蛇の形)にプロットする。これによって、ペルソナやクローニング とは異なり、顧客行動(ビヘイビア)の視点から顧客像を明確化することが可能になる。また、既存メディアの組み合わせとは異なるオリジナリティのある「コンタクト戦略」に結び付けやすい。
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図4.ビヘイビアスネーク

ペルソナやクローニングの分析データを補助資料としながら、あらゆるコンタクトポイントで顧客とのリレーションを図る、コミュニケーションのモデル作りが可能となる。

5) 顧客化・ロイヤル化が有望なプロセスを考える「ゴールデンマップ」
「見込客・顧客(初回・継続)・ロイヤル顧客」の顧客ステージで区切られたピラミッド状のマップである。次の3つのステップで情報をプロットすることで、コミュニケーションのメカニズムを設計する際の青写真となる。
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図5.ゴールデンマップ

図5の
〈1〉の縦軸には、企業に対して顧客が行う資料やサンプル請求などのアクションを定義する。
〈2〉の横軸には、コンタクトポイントを定義する。
〈3〉最後に、そのピラミッドの中に「ビヘイビア スネーク」を書き込んでいく。

これによって、顧客やロイヤル顧客への引き上げにつながりやすい「有望なプロセスやステータス」を見つけ出す。また、次の工程で行う、適切なコミュニケーションの質と量(働きかけ方、オファーなど)の骨子作りが可能となる。

事前テストやプロモーション活動の定量的な分析を通じて洗練され、浮かび上がるユニークなメカニズムは、コミュニケーション投下の予測モデル、営業管理のパイプラインなど、付加価値の高いさまざまなシステムに応用することが可能である。ちなみに「ゴールデン マップ」と呼ぶ理由の1つは、その特長からでもある。

まとめ
早足で紹介してきたが、最後に「フレームワーク」を用いる際にご注意いただきたい点を5つだけ述べておこう。

  1. プロットする要素が他とはダブらない「独立性」、ヌケ・モレがない「完全性」(つまりMECEの視点)を保つこと。
  2. 個人の主観や経験に依存しすぎないように補助調査や複数のメンバーの意見を得て「客観性」を保つこと。
  3. 図表は、視覚的な美しさよりも「論理構造の美しさ」を保つこと。
  4. 目的はプロットすることではなく、仮説を論理的に得ることだと忘れないこと(基本的なことだが、経験すればするほどに、忘れてしまいがちな大切なポイントである)。
  5. 適切なフレームワークを見極めて、使いこなすには、一定の経験が必要だということを念頭に入れておく。

少々教訓めいた締めくくりになったが、読者の皆様には、この「フレームワーク」というものを臆せずに積極的に取り組んでみていただきたい。なぜなら、筆者は、こうした試行錯誤の継続によってしか、事業の現状とその構造から抜け出し、進化と成長を遂げる道はないように思うからである。来年も引き続き、当社はそのような思いを抱く企業の皆様と協働して解決を図っていきたいと考えている。

*記載されている会社名、賞品・サービス名は、各社の登録商標または商標

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