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24/7/365、時間を味方につけるマーケティング

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
落藤 隆夫
series
Wunderman's view No.83
date
2010年1月 7日
themes
コミュニケーション戦略

テクノロジーが教えてくれる「いつ」
2009年のイラン大統領選挙での不正問題の際に、報道規制をものともせずに詳細な情報を国外に報せ続けたことでも有名になった、TwitterというWebサービスが世界中で流行している。140文字(日本語・英語とも)の「つぶやき」を通じて、場所を超えて、同じ時間に同じ経験を多くの人が共有することが簡単にできるからである。

その特性を利用して、今、米国ではTwitterがマーケティングのツールとして使われ始めている。その1つが、カスタマーサービスである。困ったことや苦情を、誰かが「つぶやく」と、サービス担当者が対処法を「つぶやき返して」くれる。ネガティブなブランド体験をポジティブなブランド体験に変えることで、ブランドロイヤルティーをあっという間に作り上げることができる。同じ場所にいないのに、困っているという同時体験を共有してくれている安心感と、その場で問題解決してくれるスピード感を、Twitterは提供できるのである。

特定のブランドを「いつ」買うか、ということを消費者は常時意識している訳ではない。消費者の必要な時にタイミング良く声をかけるのが、Twitterを利用したリアルタイムマーケティングである。この声をかけることを可能にするのが、Twitterで特定のブランドを常にフォローしているロイヤル顧客の存在である。それは、米国のデジタルエージェンシーのRazorfish社の2009年版Feed調査(デジタル消費者の行動分析に関する調査)によると、米国のTwitterユーザーがTwitterを利用する理由として、43.5%がブランドからの特別な情報享受のため、また、23.5%がブランドユーザーだからとしている、ことからも分かる。

デジタルテクノロジーの進化は、ブランドと消費者をいつでも、どこででもつながっていることを可能にしてくれる。そうなると従来からのプッシュ型のマーケティングは、全く非効率なものとなってくる。大量に広告して「認知」を上げ、店頭やWebサイトに向かわせるのであるが、ジョン・ワナメーカー(米国の企業家、Wanamaker'sデパートの創始者)の名言にあるように「広告費の半分は無駄なのが分かっているが、どちらの半分なのかが分からない」。広告にはターゲットに届かない無駄打ちが常に存在する。しかし、ターゲットが特定されていれば、「認知」を上げるに要する無駄が省け、その分「行動」させるためにマーケティングコストを使うことができる。

購買に結び付く「いつ」のシグナルを消費者の方から教えてもらえれば、マーケティングはますます効率的になる。そして、Twitterのようなデジタルテクノロジーの進化が、その方向へと後押ししてくれている。

これからのマーケティングの勝者は、時間を味方につける
1日24時間、1週間は7日、そして1年は365日。これはどんな消費者にも、企業にも平等に与えられた時間である。ひとりの消費者が持っているこの時間をいかに自己のブランドに割いてもらえるか。特に「いつ」のシグナルをもらう競争に打ち勝つことが、これからのマーケティングの勝者を決めるであろう。

米国の市場調査会社Forrester Researchが2009年10月に発表した「Adaptive Brand Marketing: Rethinking Your Approach to Branding in the Digital Age」の中で、「これからのマーケティングの勝者は、株のポートフォリオマネジャーのようにリアルタイムで、うまくいかないマーケティングプログラムはすぐ止め、うまくいっているマーケティングプログラムに再投資するβ(ベータ)メンタリティーが必要である」と述べている。
 
消費者は、実はデータという形で、その消費行動や声なき声をリアルタイムに企業に提供してくれている。そうした消費者のシグナルに対して、ポートフォリオマネジャーのように早く決断して、早く対応できないと、セールスのタイミング、顧客化のチャンスはあっと言う間に消失してしまう。消費者自体がスタティック(静的)な存在でない以上、時間の経過に合わせてマーケティングプログラムを自在に変化させることができないとブランド自体が生き残れないことを、この報告書は示唆している。

一方的にマーケティングメッセージを送り続ける、直線的な時間軸の従来型のMedia Planningの時代は終焉を迎えたのである。デジタルテクノロジーで常時ブランドと消費者がつながっている今後は、リアルタイムで消費者の声を聞きながら適応するConnection Planningにより消費者と双方向コミュニケーションを行う必要がある。Eメイル、携帯メイル、mixiやFacebookなどのSNS(Social Networking Service)で消費者同士は既につながっているのだから、ブランドも同じように消費者とつながっていなければ、消費者の「いつ」を知ることはできない。

ユーザーの時間軸を知る「Listening Platform」
消費者とブランドがつながるためには、両者を結ぶチャネルの構築が第一歩である。従来の広告であるPaid Media(有料型)、SNSやブログなどを通じて消費者の経験がブランドの声になるEarned Media(コミュニティー型)、そして自社のコミュニケーションチャネルである自社サイトや店頭などのOwned Media(自己型)という3つのチャネルを効果的に組み合わせること。ここで重要なのが、チャネルという声の通り道を作るだけではなく、両者が会話を続け、つながり続けるリレーションを構築することである。

そこで大切なのが、消費者の声である。企業はさまざまな消費者の声をデータとして持っている。POSデータは、店頭売り上げという商品支持率である。自社のWebサイトの滞留時間の長さは、ブランドへの関心度である。mixiやFacebookそして個人のブログなどで語られるブランドへのさまざまな消費者の声、コールセンターや自社のコミュニケーションサイトに寄せられる相談や苦情は、ブランドロイヤリティーの指針となる。

そうしたすべてのチャネルから聞こえてくる消費者の声をデータベースとして統合し、分析し、消費者をいくつかのセグメントに分け、ブランドと消費者との意味ある会話につなげるようにする、消費者データの活用法が電通ワンダーマンの「Listening Platform」である。今あるつぶやきだけではなく、時間の流れの中での消費者のブランドに対する声の変遷を理解する。つまり、「過去」から「今」という時間の価値をマーケティングに活用するのである。この消費者からロイヤル顧客に変えるマーケティングプログラム作りのベースになるのが「Listening Platform」である。

もう1つ大切なのが、Paid Media、Earned Media、Owned Mediaの中でセレクトされたチャネルの効果を測定することである。例えば、ブランドカテゴリーの認知はCost per Reach(到達コスト)、ブランドの認知はCost per Interaction(相互交流コスト)、顧客化はCost per Conversion(顧客転換コスト)、顧客のロイヤル化はCost per Retention(顧客維持コスト)などの計測可能なKPIを設定し、効果の低いチャネルを仕分けするのである。

そうしたチャネルの組み換えを繰り返しながら、時点、時点でもっとも効果のあるチャネルの組み合わせを実現することを、電通ワンダーマンでは「Experimental Connection Design」と呼んでいる。消費者が自らブランドに時間を割いてくれるように、データとテクノロジーを駆使して、消費者の「ブランド体験履歴という時間の流れ」と「今の切実な声」を上手に聞き分ける力量の差が、マーケティングの勝者と敗者を分けることになるであろう。

「今」から「一生」の関係を作るマーケティング投資を
一度テクノロジーとデータを駆使して消費者との関係を構築したならば、もう後戻りはできないことも覚悟しなければならない。

2009年の9月に米国で「モノポリー(MONOPOLY)」というボードゲームの新版を発売するにあたり、予告キャンペーンの一貫としてオンラインゲームを公開したところ、150万人もの消費者が登録する大ヒットとなり、制作したハズブロ社とその広告代理店は、引くに引けない状態になっている。広告キャンペーンの一貫だったものが、ゲームサービスそのものになってしまったのである。150万人を集めるのに媒体広告費は一銭もかからなかったが、150万人がタダで使っている看板商品の運営コストにまで知恵が回らなかったのである。

オンラインにおいて一度プログラムを始めてしまうとその足跡は、デジタルデータとして永遠に残るのである。うまくいかないプログラムをすぐに止める覚悟も必要であるが、うまくいっているプログラムに再投資する覚悟も同じくらいに必要となるのである。ひとたび消費者の関心と時間を手に入れたと喜ぶだけでなく、一生その消費者と付き合う覚悟がないと、あっという間にTwitterで悪口をつぶやかれてしまう時代なのである。

マーケティングコストを四半期決算のコストとして考えるのではなく、消費者をロイヤル顧客に変え、両者にとっての生涯価値を上げるマーケティング投資の観点で、もう一度すべてのマーケティングプログラムを仕分けする年に、2010年をされてはいかがだろうか?最後に、当社の創業者であるレスター・ワンダーマンの「成功するすべての会社が知っている14番目のルール」を、私の今年の最初の「つぶやき」とさせていただきたい。   (代表取締役社長)

言葉に出なかった「いつ」を学ぶ
「今は買わない」という回答は、「これは要らない」と同様、マーケティングにとって危険である。いつ買う気になるか知っているのは消費者だけであり、もしあなたが正しい方法で尋ねることができれば、彼らはそれがいつになるのかを教えてくれる。                     

*記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標

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