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熱い声を引き出すコミュニケーション                 

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
明石 智子
series
Wunderman's view No.86
date
2010年4月 1日
themes
コミュニケーション戦略

インターネットでのログ解析データをはじめ、顧客・見込客データベース、レスポンス情報などを分析することにより、昨今では顧客個々を特定するとともに、行動を容易に推測できるようになった。そして、その分析結果を踏まえて、顧客に即したコミュニケーションデザインを行う際に重要なことは、このコミュニケーションは「私のために言っている」と感じてもらう、顧客とのレリバンス(関連性)を高めることにほかならない。

この、いかに"自分のことと感じてもらうか"、言い換えると"私にとって必要だ"、"役に立つ"、"ためになる"と自然に感じてもらえるコミュニケーションにこそ、顧客の次の行動に結び付ける鍵があるのだ。そこで、今回のニューズレターでは、役に立つコミュニケーションとはどのようなものかを、読者の皆様と一緒に考えてみたい。

飽きを感じさせない、楽しみながらの利用促進
初回の購入段階では、商品・サービスに対する期待感から前向きな気持ちが働いており、その高ぶりのまま気に入って使い続けてくれればよいが、商品・サービスに対する些細(ささい)な不満などによって負の気持ちが起こった場合には、ついには使うことをやめて休眠顧客化してしまうケースも多い。

その現象が起きやすい、健康食品、ダイエット、英会話、スポーツジム、通信教育など、続けることで効果が現れる商品・サービスでは、使用開始直後のモティベーション喚起が重要となる。忙しくてできない、面倒だ、忘れてしまったなどの、負の気持ちが顧客の中に湧き上がる前の、使い始めた早いタイミングでのコミュニケーションにより、顧客に喜びや手ごたえを感じてもらえるかどうかで、リピートが決まるといっても過言ではない。

一つ、食品での例をご紹介させていただく。
この食品は、毎日、規則正しく食べてもらうことで、効果を実感していただけることもあり、購入直後の一定の期間、きちんと食べていただいた顧客が途中で離脱しにくい傾向が見えていた。顧客アンケートなどからも洞察し、顧客に毎日、楽しみながら食べていただき習慣付けるためのコミュニケーションが肝になると考えた。

そこで、購入した顧客の食べ忘れの防止に役立ててもらうために、使用開始後の一定期間をサポートするツールを提供することにした。ツールには、毎日、思わず夢中になってしまう体験型の仕掛けを施し、終了後には返送してもらうしくみをとった。

結果、多くの方からの返送があり、使用途中での離脱者の減少に貢献することができた。

1年の目標を問うチェックカード
もう一つ、金融商品の例をご紹介したい。この商品では、価格を切り口としたメッセージにより加入促進のアプローチを行っていたが、市場でその優位性が見られなくなってきていた。現顧客データの分析などから、生活設計や資産形成に対して、しっかりした意思をもっている女性層に、ターゲットとしてのヒントがないかと考えた。

 そこで、新しい年の始めが1年の目標を考えるきっかけとなりやすいことに着目して、その近くのタイミングで「今年の誓いチェックカード」を送った。チェックカードには、ターゲットの関心を引くだけでなく、当該商品のニーズ喚起にもつながる目標を列記した。ターゲットには今年始めたい項目をチェックし、それを選んだコメントとともに返信してもらうしくみとした。

 結果、それまでの施策を上回る反応を獲得することができたと同時に、1年の抱負や感想など、次の施策を展開する上で参考となる多くの情報を寄せてもらうことができたのである。

現実感覚を高め、その声を聞く
これらの事例に共通していえることは、次の2点である。

1点目は、顧客に自分に関係あること、ためになることと実感してもらうために、「現実感覚を高めてもらう工夫」を加えていることである。これは、いわゆる脳科学的にとらえた筆者の個人的な解釈だが、ただ目の前のモノを眺めているだけでは現実感がないものが、手を伸ばして触ってみることで、「触感覚」が生じ、視覚と触感覚で、現実感覚がより高まる、「感覚のモダリティ」を意識させた結果なのではないかと思う。

金融商品の「今年の誓いチェックカード」でいえば、"チェックして送る"という触感覚による体験型のコミュニケーションを施すことで、「自分にとって、1年後はどうなのか」とハッピーになった自分を具体的に想起させることによって、ターゲットが能動的に商品のベネフィットを見に行き、理解・納得・確信を深めることに貢献したのではないかと推察する。
 
2点目は、顧客の現実感覚を高める仕掛けとともに、顧客の心の底に隠されている気持ちや声を知るしくみや、受け皿を合わせて用意したことである。その結果、食品会社への返信には、「楽しい」「意外とおいしい」などの感想がびっしりと、丁寧に書き込んだものが多いという現象が見られた。コミュニケーションとツールによって、顧客は商品を楽しみながら、主体性をもって飲用したことで、飲用前と後の効果や変化をより気に掛けるようになったことが、感想を積極的に書くという行動につながったと考えている。

このように、現実感覚を高めるとともに、顧客の声を聞くしくみのコミュニケーションをセットにすることの意義は、顧客が能動的に行動する強い動機づけになると同時に、顧客の内に秘めた気持ちを自然に引き出せることである。顧客からの熱い気持ちが込められた声が多くあるかを見極めることによって、届けたコミュニケーションが顧客の心の奥に響き、受け止めてくれているのかが分かってくる。

たとえば、声の中に「うれしい」「楽しい」「おいしい」など、感情を表す形容詞が多く出てくるか、また、家族や飼っているペットなど、自分自身のことのみならず周りの話題を顧客が知らせてくれているか、「ありがとう」だけでなく、「がんばってください」といった励ましの言葉があるかなどが、顧客の熱い声かどうかを見極めるポイントとなる。

今、Twitterなどのブログサービスを通じて、消費者の"気軽なつぶやき"を聞くことができるようになったが、このつぶやきを生み出すためにも、顧客に"熱い声"を引き出すためのコミュニケーションを確実に届け、顧客からの声を聞き、受け止め、次のコミュニケーションへと反映していくことが、ますます重要になるのではないかと思う。

熱い声を引き出すための下準備
では、熱い声を引き出すコミュニケーションはどうやって、生みだしていくのか。
これまでも、当ニューズレターでその考え方や方法などを紹介してきたが、共通して言えることはどういうパターンで商品・サービスを使用しているのかを、想定ターゲットごとに列挙してみることである。また、その際に、商品を使用する行動を妨げてしまう要素、悩み、商品とのかかわり、使用している時間や場所、生活環境などを、データやアンケートなどでとらえ、インサイトを加えながら、できるだけ具体的に書き出し、顧客の顔と行動パターンをはっきりさせるステップを踏んでいくのである。

そして、そこから導きだすコミュニケーションは、メッセージや仕掛けによって、顧客にこれは役に立ちそうと感じてもらうと同時に、サプライズや意外性なども含めて、もらってうれしいと直感してもらえるか、顧客の感性に切り込んでいくためのアイデア力の勝負である。このアイデアがでるかは、下準備をしっかりとしているかによって決まるといってもいい。

最後に、当社の創業者の一人であるレスター・ワンダーマンの「成功する会社が知らねばならない20のルール」のうち、4番目の「なぜ私に?に答えること」をご紹介して、今回のテーマをひも解く鍵とさせていただく。

「見込客や顧客が抱くもっとも危険な疑問は、『なぜ私に?』である。彼らはこの疑問を一度ならず持つかもしれないが、それをあなたに伝えることはない。あなたは製品とさまざまなコミュニケーションによって、顧客の理性と感性の両方を納得させる答えを提供し続けなければならない。」

参考文献:『幸せはすべて脳の中にある』 酒井雄哉・茂木健一郎 著(朝日新聞出版)

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