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利益を生む吟味

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
辻 忠相
series
Wunderman's view No.87
date
2010年5月 6日
themes
コミュニケーション戦略

「予算を抑えたいので吟味したい」
昨今の企業を取り巻くビジネス環境には厳しいものがあり、日ごろよりお会いさせていただくお客様から当社へのご相談も、このビジネス情勢に相応した内容が大半である。その中でも、「予算を抑えたいので吟味したい」というご意見が共通化しつつある。

お会いさせていただく際には、お客様のざっくばらんなご意見を拝聴させていただくとともに、情報交換をさせていただくことが多い。その折に「吟味」の意図するところをよくよく伺ってみると、今まで以上に予算を抑えて実施し、その効果を吟味するにはどのようにしたら良いのか?という課題を指していることが多い。

その課題の解決手段の一つとして、「実は、ダイレクトマーケティングはこのようなビジネス情勢である方がより有効であり、当社は、今の環境の方がより力を発揮できます。」と申し上げると、おおかたのお客様は不思議に思われるようである。

私たちが標榜するダイレクトマーケティングとは、レスター・ワンダーマンの著書「ワンダーマンの売る広告」の以下の序文(要約)が正に言い表している。
「私たちは、消費者の個人的ニーズに基づき仮説をたて、実行し、数字で結果を評価します。そして、新たな発見にいたる道を歩むきっかけをご提供します。」

具体的には、特定の施策を行う/行わないの判断の前に、まず消費者に目を向け何が有効/有効でないか、を購買行動や消費者の心理データからご判断いただけるように極力精緻に可視化する。合わせて測定手段とKPI(重要業績評価指標)を定義し、成果を次の判断に活かせるように準備。そして実行する。当社がご協力できるビジネスの領域はさまざまであるが、ダイレクトマーケティングこそが当社のお勧めする「吟味」のための手立てそのものである。

実施と意思決定
ここで、私たちが予算を抑える「吟味」を行った、あるケア系消費財メーカーの事例をご紹介させていただく。

当ケア系消費財メーカーでは、売上が前年比で約15%低下したため、数カ年スパンでのリカバリー計画を模索されていた。そこで、当社ではお客様の計画策定の業務を支援させていただき、以下のプロセスを経て、リカバリープロジェクトをお客様と共に推進した。

1)15%の売上低下要因の把握と特定調査を実施
リカバリー策として最もポテンシャルがある領域の見当をつけるために、経年の新規/継続別の売上データ、顧客との接触データを基に仮集計を実施。また、お客様社内において関係する各部門の活動内容に関するインタビューも合わせて行った。

2)リカバリー策を顧客心理からつかむ
1)のデータの差異と活動内容を確認した結果、継続購買に改善の余地があり、かつ伸張のポテンシャルも高いことから、セールスユニット別の顧客調査を実施。顧客から真摯(しんし)なご意見を伺うことで、継続購買(行動)に至る購買ニーズ(心理)の解明を試みた。その結果、顧客とのコミュニケーションの取り方、タイミング(実はここに大きなヒントとなる、継続購買に至る分岐点があった)、チャネルの改善方針を立案し、実施した。

3)成果の可視化・レビュー
活動の推進を通して挙げられた成果の可視化と活動のレビューを実施。

4)活動の固定化と情報蓄積手段の構築
さらに継続的な活動とするために、顧客の声を収集するための策を設計・実行。定期的に顧客の声を集積して、顧客のポテンシャル評価(セグメント)と活動の評価(レビュー)を行い、中間目標を管理しながら活動を継続、推進した。

こうした吟味の作業を通して、この事例では以下のことが明らかになった。


  • 当ケア系商品では、購入者の多くが購入したにもかかわらずあまり利用していない。

  • 主な原因は購入者の商品知識が足りていないことと推測される。

  • 利用していただけなければ購入者の満足度は上がらず、商品への関心度が薄れていく。

購入時の説明、購入者との対話の方法、購入後のフォロー、さらには売り方そのものまで、改めるべき課題は多岐にわたった。その中で、継続購買に結びつける最善の方法として、購入の数カ月後の顧客と対話をし、商品活用頻度、満足度を上げるためのカウンセリング制度を構築し、実施した。

少なからずとも、お客様の売上に貢献できた事例である。が、読者の皆様の中には、こうした方法で「吟味」を行うこと自体、予算を抑えることにつながらないと、思っている方もおられることだろう。

当案件では、予算の大半を施策の実施部分にかけておられたお客様が、実施の前段階である方針や施策の精度を高めるための立案を、当社にご依頼されたわけである。いわば、施策において結果に影響を及ぼす割合が、実施部分(広告出稿や開発)よりも方針づくりや企画の部分に多いと仮定し、何に投資すれば総合的なリターンを得ることができるのか、をお客様が熟考された結果である。

意思決定のためのヒント
以前の当コラム「ダイレクトマーケティングは戦術ではなく、戦略である」の中で国内の広告市場の成長に関する事象を紹介した。

戦後60年において、GDPの成長率が約70倍に対して、広告市場の成長率は約400倍もある、という内容である。こうした広告市場の成長は、広告宣伝の検証性が強いて問われない時代の軌跡である、と筆者は感じている。ダイレクトマーケターの視点から見れば、どれくらいのことが精緻に検証され、次の活動の論拠と成り得たのか興味深く感じると同時に「勿体ない」と感じざるを得ない。

話を元に戻すと、電通ワンダーマンでは、私たちなりにお客様の視点に立ち、お客様のマーケティングの活動、施策の最適化を行うサービスを推進する。時にはコストカッターになり、時には最適配分のための知恵を提供する。実際、そうしたマーケティングの意思決定は、比較的少ない投資で実行できることが多い故、「吟味」することを求めておられるお客様は、当社にお声をかけていただきたい。

最後に、レスター・ワンダーマンが1996年に上梓した「Being Direct」にて紹介した「成功する会社が知らねばならない19のルール」の中で、今回のテーマに合致するルールを2点挙げさせていただく。氏が長年にわたるダイレクトマーケティングの経験を通じて発見したルールで、今に通じるだけでなく、これからのヒントが詰まっていると思う。

ルール5「広告は消費者の認識・態度だけでなく、行動も変えなければならない」
消費者が好ましい認識・態度を持ったからといって、ほんの一部が販売に結びつくにすぎない。利益に貢献できるのは、製品に対する問い合わせ、試用、購入や反復購入など計測できる消費者の具体的な行動である。

ルール6「次の段階:利益を生む広告」
広告の成果は、ますます測定可能になってきており、いまや計測できなければならない。広告は単に好意を形成する一要素であるだけではなく、測定可能な利益を得るための投資でなければならない。

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