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サービス保証のリスクと効果

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
森 慎太郎
series
Wunderman's view No.89
date
2010年7月 1日
themes
コミュニケーション戦略

Googleで「返品」を検索すると約7990万件がリストアップ(2010年6月7日時点)されており、また、kizasiでは少ない週でも350件以上のブログが検索できるように、「返品」は消費者にとって関心事でありながら、分かりづらく、またトラブルが多いものといえる。

では、皆様の企業では、サービスの保証、特に返品・返金の保証をどのように設定されているだろうか?今回のコラムでは、この返品・返金の保証を企業の差別化の源泉にすることを考察してみたい。

サービス保証の動向
サービスの保証を販促に活かした例としては、20年程前に話題になった宅配ピザの「注文から30分以内にお届けできなければ料金を半額にします」や、家電量販店やディスカウントストアの「他店の方が安ければ言ってください。それ以下の価格にします」という最低価格保証などが挙げられる。

また、返金保証の例では、最近特に「満足いただけなければ(効果がなければ)返金します」のメッセージを目にする機会が多く、それはダイエットや美容関連の商品の効果保証、予備校や学習教材の合格保証、飲食店の味保証など多岐にわたっている。この100%満足保証の考えは古く、米国のアウトドア用品の製造・販売会社のL.L.ビーンでは1912年の創立間もない頃からうたい文句にしている。

返金保証、特に、完全返金保証(無条件返金保証)に関しては、費用対効果や苦情管理・品質管理の面で、欧米においてその有効性が実証的にも理論的にも語られている。しかし日本では、採用を前向きに検討している企業が意外と少ないのだ。

それでは、導入の障壁(=デメリット)は何であろうか? 企業の経営者や担当者に聞くと、返品・返金対応によるコスト増と「悪用」する顧客の存在を挙げる方が多い。

返金保証のシミュレーション例とメリット
その阻害理由の1つである返金コストの増加に対しては、それ以上の利益が見込めれば良いわけである。例えば、販売価格5,000円、利益がその30%の1,500円の場合では、返金保証によって購入者が5%、あるいは10%増えた反面、不満未解決者(申請者)も購入者の1%であったのが2%に増えたと仮定する。また、以前の返金対応者数を不満者数の1/4として、下のような人数を当てはめてみると、
     
100701.gif

6~7%以上の購入者増が見込めると、利益が増加することになる。リピート時の利益増分や返品対応に掛かるコスト増分など、実際の計算ではもっと要因を増やして行う必要があるが、計算の話はここまでで留めておきたい。

また同時に、返金保証を検討するにあたっては、次のようなプラスとなる要因にも着目していただきたい。

  • 顧客のリピート率では、返金対応した顧客としなかった顧客では大きく差がでる。
  • 返品・返金対応のアクションはクチコミにより伝わりやすい。
  • 返金保証は品質の高さを連想させ、不要な価格低下を防ぐ。
つまり、顧客と価格を維持し、かつ高い評判が得られるのである。これは、企業が市場において目指したい地位ではないだろうか。

そのほか、重要な効果としては、顧客の抱える不満の情報を回収できることである。不満情報を社内にフィードバックすることで、より品質の高いサービスの提供につながる。また、完全返金保証を伴う顧客満足の向上活動が行われた場合、その定着とともに従業員の満足度や誇りを生む。単に不満件数を減らすことを目的とした場合、現場は不満を取り繕う方向に動くおそれがある。それでは、従業員のモチベーションも上がらず負のスパイラルに陥ってしまう。

悪用者についての考え方
完全返金保証制度の悪用者に対しては、断固とした措置を取る必要がある。では、返品に応じるべきお客様に対して、悪用者はどのくらいの割合だろうか?仮に3%前後とした場合、1人の悪用者のために、30人の顧客に疑いの目を向けざるを得ないことになるので避けたい。

無条件とはいうものの、返品者の連絡先と返品理由の回答と、商品の場合は使用中でも返品(オークション出品対策としても必要)を条件に返金に応じる。ただし、高い頻度で返品が発生する顧客については、個別に調査を実施する、というようなルールで運用されるのがよいのではないだろうか。

返金保証の勧め
上記のシミュレーションでは簡易すぎるが、推定値を含みながらも、より精緻に計算していくと、コスト以上のリターンが期待できるケースは少なくない。返金保証は、リスクを背負う「勇気」が必要だが、保証しないことへのリスクも考えるべきである。客観的な意思決定のためには、現状のデータや推定値を基に、コストやリターンの変動予測を「計ってみる」ことが重要である。

紙面の都合上、かなり駆け足の説明となったが、完全返金保証の実践は企業にとって差別化に有効と、考えられる所以(ゆえん)が多少なりとはご理解いただけたのではないかと思う。

自社のサービス分野を改革しようと考えられている企業の皆様には、完全返金保証を目指してみてはいかがだろうか?精神論や感情論ではなく、実証的に進めることで企業の強みとなる可能性は十分にある。

当社では、これまで多くのお客様と共にマーケティングのPDCAサイクルを数値ベースで実践してきており、完全返金保証の考え方や計り方でお困りの際にはご相談いただければ幸いである。

参考資料:『サービスの100%保証システム』(ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス1988年11月号);クリストファー W.L. ハート

*記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の登録商標または商標

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