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コミュニケーションアイデアの源流

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
福永 貴之
series
TIPS★TIPS No.76
date
2010年8月19日
themes
クリエーティブ

夏休みシーズンも終盤に入り、当ニューズレターの読者の皆様は、どのように過ごされているのだろうか?
景気が上向いてきたという実感がいま一つ得られない状況とはいえ、まとまった休みが取れる数少ないチャンスと、家族や友人たちと旅行された方も多くいるのではないか。
そこで今号では、筆者の担務の一つである旅行業界におけるダイレクトマーケティングについて述べてみたい。

旅行業界の市場環境
国土交通省観光庁の発表した「平成20年度主要旅行業者旅行取扱状況年度総計」において、取扱額対前年度比は、海外旅行が9.6%減、国内旅行が2.9%減、総取扱額では5.5%減となっている。

平成21年度の対前年度比においては、海外旅行19.3%減、国内旅行10.6%減、総取扱額13.9%減と、さらに激しい落ち込みとなった。

平成22年3月には、海外旅行の取扱額において21カ月ぶりに対前年同月比で6.3%増加したが、国内旅行では相変わらずの減少傾向(17カ月連続減、2010年6月末現在)が続き、この落ち込みは、100年に一度の景気悪化と新型インフルエンザの世界的な流行が大きく影響したとされている。

このように経済の先行きに不安があるときに、私たちが日々の生活の中で何かを切り詰めるとした場合、まずは娯楽やレジャーの費用から見直すことが多いのではないだろうか?実際、最近の旅行では「安・近・短」スタイルがもてはやされている。

消費者が旅行に求めるものは
旅行をする目的は何だろうか?あるインターネット調査では、半数以上の人が旅行の目的として観光や買い物よりも「リラックス&リフレッシュ」を上位にあげている。せっかく費用と時間をかけて行くのだから、旅行中はゆったりとしたいという気持ちの表れなのだろう。

消費者の旅行申込みにおいては、近年、それ程高額でない価格帯、特に国内の旅行商品ではインターネットからの申し込みが増加傾向にある。また、海外旅行でも、「週末の韓国焼肉ツアー○○円!」のような「安・近・短」旅行は、その多くがインターネットからの申し込みである。

一方、「リラックス&リフレッシュ」を主目的とする旅行においては、消費者は「どんな旅にしようか・・・」というところから始まり、旅行会社などのWebサイトでいろいろ検討をし、クチコミサイトなどのソーシャルメディアから目当ての旅行の体験談などの情報収集を行い、そして旅行会社の窓口に赴き相談をしたうえで申し込みを行うという行動パターンが、当調査から明らかになっている。

以下では、筆者がプロモーションのお手伝いをさせていただいている、「リラックス&リフレッシュ」を求める消費者をターゲットとした『バカンススタイル』の旅行について説明したい。

※バカンス(仏:vacances。英語のバケーションと同意語。主にはフランス人の休暇の過ごし方をモデルとした、比較的長い休暇を指す)

バカンス旅行の訴求におけるコミュニケーションデザイン
まず、トラフィックの増加、店頭への誘引、指名買いなどを目的としたバカンス旅行のスペシャルサイトを作成する際に、前述のような市場環境、消費者が求めている旅行、申し込みの行動パターンなどから、「誰に対してコミュニケーションをとるのが有効か?」を考えた。

しかし、このスペシャルサイトを置くお客様企業のサイトそのものが、さまざまなメディアから誘導してくる構造のため、サイト訪問者のターゲット属性を一つに絞り込めない状況であった。かといって、誰にでも刺さりそうなゼネラルなコンテンツを作成したのでは、真のターゲットに"良さをわかってもらう"ことが難しくなる。そこで、講じた策がFGI(フォーカス・グループ・インタビュー)の結果やクライアント所有の顧客情報を基に、ターゲットが旅行によく行く組み合わせを抽出し、4つのグループに分けた。

この4つのターゲットグループは、ファミリー、夫婦・カップル、友達同士、ハネムーンに分かれ、同じ商品・サービスの紹介にそれぞれ違うクリエーティブ表現を採用した。

そして「どのようなコミュニケーションをとるのが有効か?」を考えた時に、筆者は次のようなコンセプトを打ち出した。

Webで"感じる"バカンス
前述のとおり、バカンス旅行ではインターネットは「申し込みチャネル」ではなく、あくまでも「検討チャネル」であることを考えると、そこで担うべき役割は、何があるのか、何ができるのかなどの詳細を"理解してもらう"のではなく、「バカンス旅行そのものの価値」や「世界観」、「気持ち良さ」などを、"直感的に感じてもらう"ことが重要であると考えた。

そのために、バカンスが本来持っている「気持ち良さ」や「楽しさ」「非日常」などへ共感してもらうことで、バカンス気分を醸成し、検討意向を高め、店頭での指名を促す仕組みとした。

クリエーティブアイデアと結果
初期検討段階の消費者の「自分がどんな旅行をしたいのか?」という、漠然とした思いへの具体的なアプローチとして、カタログ的なスペックの紹介をできる限り排除し、消費者目線でのバカンスの楽しみ方を、時間と空間、ストーリーを持って表現することで"疑似体験"をしてもらい、ニーズが喚起されるよう工夫をした。

例えば、トップページにおけるターゲットごとのコンテンツへの誘導においては、カテゴリー分けをしたファミリー、夫婦・カップル、友達同士、ハネムーン、それぞれが自身のことだと直感的に判るようなビジュアルで視覚に訴えた。

各コンテンツにおいては、「プライベートなリゾート空間」をターゲットのベネフィットとして表現する際には、ファミリー向けには「親子が安心して遊べるプライベートな空間」、ハネムーナー向けには「心からくつろげるプライベートリゾート」と、バカンス旅行が提供している世界観をそれぞれのターゲットに合わせた表現やストーリーで展開した。

また、Web上での操作性においても、浮遊感のある動きの演出や気持ちの良いスピード感を追求するなど、動きの細部までこだわることで、Webサイト上でのバカンス旅行の疑似体験を通じてリゾートの「気持ち良さ」や「楽しさ」など"心地良さ"を感じてもらい、次のアクションへ誘引できるように配慮した。

問い合わせや申し込みへの導線、コンバージョンとなるWeb to Callの電話番号や申し込みフォームを実装している本体サイトヘの流入はもちろんのこと、消費者の関心事である、当お客様企業に対する他者の評判(クチコミ)のコンテンツも用意した。

これらのコミュニケーションデザインとアイデアの結果、施策の実施後において、スペシャルサイトからホームページへの誘引とともに、売上の大幅な増加に貢献できたのである。

コミュニケーションアイデアは思いつきではない
打ち合わせなどで「何かいいアイデアないですか?」と振られることがよくある。もちろん思いつきで素晴らしいアイデアが産み出されることもあるし、アイデア勝負の局面も確かにあるが、コミュニケーションやクリエーティブの多くは、取り巻く環境やインサイトに立脚したうえで成立する。

現在、政府が観光産業の活性化を目的に、大型連休を地域ごとにずらして設定することで混雑が緩和され、消費者が休暇を過ごしやすくなるという「休暇分散化」案が検討されている。

2013年までに国民祝日法の改正を実施するとしているが、休暇の分散化が本当に導入されれば、旅行業界の市場環境も消費者の意識も大きく変わるし、3年もあればインターネット環境も今とは比べものにならないほど進歩し、消費者は、商品・サービスが持っている独自な世界観をWebサイト上でよりリアルに擬似体験できる可能性がますます広がることだろう。

電通ワンダーマンとしては、この旅行業界にのみならずさまざまな分野において、市場環境がどんなに目まぐるしく変化しようとも、常に真摯(しんし)にターゲットを見据え"何に興味を持っているのか?""何をすれば行動してもらえるのか?"を思考し、消費行動を起こすトリガーを発見し表現する、より良いコミュニケーションつくりを目指したいと考えている。

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