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最新の海外事例からみるダイレクトマーケティング―KERN/FedEx

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
大蝶 美香
series
TIPS★TIPS No.77
date
2010年10月21日
themes
海外事例

Wunderman's view No.92(2010年10月7日配信)に引き続き、今号のニューズレターでも全世界のワンダーマンで制作された広告や販売促進の制作物の中から優秀作品を表彰する社内コンクール「レスター・ワンダーマン アワード2009」において、クリエーティブ部門で入賞したワンダーマン・ロンドン制作の二つのBtoBの事例―産業用精密はかり「ケルン」のキャンペーンと、国際宅配サービス「フェデックス」のDM―をご紹介する。

受賞作品の概要
プロジェクト名:「産業用精密はかり『ケルン』」"KERN Precision Scales"/「国際宅配サービス『フェデックス』」"Speed Up / Slow Down"
お客様名:KERN(ケルン)/FedEx(フェデックス)
お客様の業種:産業用機器メーカー/航空貨物輸送
参照URL:「ケルン」http://www.kern-sohn.com/news/experiments/index-gb.html


産業用精密はかり「ケルン」
<背景と目的>
KERN(ケルン)は、ドイツのバリンゲン市にある産業用の精密はかりメーカーKern & Sohn GmbHが世界中に展開する製品ブランドだが、その事実はほとんど知られていない。また、世界に多数存在する競合メーカーも、そのブランドは定着するには至っていなかった。ケルンとしては、製品の性能を周知して、精密はかりの一流メーカーとしての認知を早急に獲得する必要があった。そのために、見込客を発掘し、顧客としての関係を構築することを目指していたが、プロモーション予算はかなり限定されていた。

<解決・アイデア>
主要なターゲットの1つである科学者や技術者、薬剤師へ呼び掛けるという形で、「正確なはかりでないと計測できない、超軽量物の重さを当ててみませんか」という挑戦的なプロモーションキャンペーンを展開。一定の計測条件の下で、アヒルの羽根1枚、携帯扇風機の風を当てた計量皿、ろうそくを10秒燃やして減る量のそれぞれの重さを当てさせた。

専門家の反応を引き出すために、回答者特典を明記した挑戦状をEメールで送った。挑戦者がWebサイト上で予測値を入力すると、実際にこれらをケルンのはかりで計測している場面を映像で見ることができる。予測値を入力するだけでケルン製品の購入時に50ユーロ(約5,700円)の値引きが受けられ、さらに正解に一番近かった人に、1,000ユーロ(約114,000円)が贈呈される。

同時に、法人向けのDMも制作。DMの外封筒、挨拶状、名刺、クーポンそれぞれの精密な重量を、小数点以下、何桁にも及ぶ数値をデザインした書体で各アイテムの上隅に印刷して、ケルンの正確さへのこだわりを訴求した。挨拶状には、実物のアヒルの羽根を貼って、重さ当てのサイトに誘導。ターゲット層がはかりに求めることを、一通のDM内において目で見て(精密な重量表記)、手に取れる形(羽根)で示してみせた。

Webサイトには、羽根、携帯扇風機、ろうそくの三つの出題を象徴する切り抜き写真が載っていて、それぞれの実際の計測場面を動画で見ることができ、何グラムかがすぐ分かるつくりになっている。あらためてこれらの重さを量ることができるかと問われると、挑戦者でも難しそうだと思わせられ、それだけでもケルンの技術力が端的に伝わるようになっている。

<結果・効果>
詳細な数字は割愛させていただくが、挑戦というスタイルがターゲット層の心を捉え、少ないプロモーション予算にもかかわらず高いレスポンスを得ることができた。その結果、多数の見込客が顕在化し、商品の購入につながった。また、販売業者からの取引の申し込みも複数あり、販路が一気に広まった。

さらに、重さ当てサイトで回答してくれた人の中に、興味深い反応が見られた。多くの人は経験から重さを推測したのだが、回答者の20%は、実際に題目となっている物の重さを自分で計測してみたのだ。その回答者の中で、計測結果についての議論が展開されたという。

製品価値を理解してくれる人たちを巻き込むと同時に、ターゲットの周辺の人たちにも分かりやすい形で実演結果を示すというキャンペーンの仕組みが、高いレスポンスにつながったと言える。

国際宅配サービス「フェデックス」
<背景と目的>
イギリスのビジネス市場で、FedEx(フェデックス)の国際宅配サービスといえば、ヨーロッパ圏内への翌日配送が可能な「インターナショナル・プライオリティ(以下、IP)」がおなじみだった。しかし一方では、時間に余裕のある荷物を経済的な料金で配送する「インターナショナル・エコノミー(以下、IE)」という選択肢があることは、あまり知られていなかった。宅配サービスが抱える課題として、価格競争が激しい、取引先特有の複雑な契約、業者の選択に何人もの意思決定者が関与する、といった点があげられ、フェデックスの国際宅配サービスのプロモーションキャンペーンでは、これらをクリアする必要があった。

<解決・アイデア>
ビジネスには火急な用事もあれば、そうでない場合もある。フェデックスでは、そのどちらにも解決策を提供できることを伝える「急ぐことも必要、落ち着くことも必要」というキャンペーンを実施した。見込客リストの企業に宅配便でDMを送り、二種類のオファーを同封したのだ。一種類は"カフェインを含むコーヒー"(「カフェイン」が火急な用事を表わす)で、もう一種類は"緊張をほぐすカモミールティー"(「カモミール」が急がない用事を表わす)だ。 "お選びください"と書かれた箱の中には、一杯分のインスタントコーヒーとティーバックが複数入っている。宅配便を受け取った企業のオフィス内で、社員がコーヒーやカモミールティーを淹(い)れるたびに、パッケージに印刷されたフェデックスの2つのサービス「急ぐ場合のIP、急がない場合のIE」を思い起こす仕掛けである。

キャンペーン期間内に、IPやIEを所定回数利用してくれた企業には、メール室用にフェデックスの名入りのティーサーバーまたはコーヒーメーカーを届けるという特典も用意して、同梱の印刷物で告知した。この機会に使ってみようという気にさせる後押しとともに、メール室に置かれた名入りのマシンを目にするたびにフェデックスを想起させるという意味があった。

<結果・効果>
DMを受け取った企業からは、BtoBの平均的なレスポンス率を大きく上回るキャンペーン利用があり、この中の半数近くが新規顧客として契約に至った。生涯価値(Life Time Value)を考えると、投資収益率はかなり高いと言える。安さが売りの競合他社と比べての、フェデックスの国際宅配便の価格対応力を示す演出により、経費削減に取り組む企業が多い中で確実な成果を上げることができた。

既によく知られているフェデックスではあるが、個々のサービスの特徴を示す先付けオファーの品や、利用を促す景品により、サービスそのものを訴求しただけでは得られないレスポンスを引き出したと言える。

BtoBにおけるプロモーションの仕掛け
BtoBプロモーションにおけるDMやEメールは、開封からレスポンスに至るまでに、いくつもの関門をくぐりぬける必要がある。そのため、BtoB施策では、意思決定者に確実に到達するかという課題に加えて、いかに彼らを刺激して、体験まで結び付けるかという表現技術も要求される。

その例としては、当社が過去に手がけ全日本DM大賞で入賞した、日本ヒューレット・パッカードの「理工系大学研究室向けアウトバウンドDM」がある。研究者の興味を引くよう、8インチフロッピーディスク(FD)を模した外見のDMを制作。FDに懐かしさを感じるターゲット世代の受け手が開封すると、中には最新のPCの紹介と問い合わせ先が載っている。DM送付後にアウトバウンドテレマーケティングが行われ、DMの形が会話のきっかけになり話し込んだ結果が、DMに紹介したエントリーモデルよりも上位機種の導入や周辺機器の引き合いにも結び付いた。

これまで紹介してきたように、ケルンのDMでは、各アイテムに印刷された詳細なグラム数と、一枚の羽根が性能へのこだわりを伝えた。フェデックスのDMでは、オフィスで複数の人が口にする飲料という形で、サービスの選択肢への気づきを与えた。日本ヒューレット・パッカードでは8インチFD世代に懐かしさをもってDMが受容された。このように、ターゲット層に訴える切り口は、ターゲットインサイトを深め、製品やサービスを原点から見つめ直すことで初めて見えてくる。製品・サービスの特性を、押し付けがましくなく、インパクトのある表現で伝え、人を動かす仕掛けを巧みに組み込んで受け手のレスポンスを引き出すことが、考え抜かれたDMでは可能となる。

先駆的なダイレクトマーケティング専門エージェンシーとして創業して25年を迎えた電通ワンダーマンに、ぜひ一度、その考え抜かれたBtoBプロモーションについてお尋ねいただければ幸いである。

*記載されている会社名、製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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