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マーケティングユーティリティー

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
落藤 隆夫
series
Wunderman's view No.95
date
2011年1月 6日
themes
顧客維持とロイヤル化

売ることとマーケティングの大きな違い
クルマが売れなくなって久しい。2009年には、国内新車販売台数が1971年以来、38年ぶりに300万台を割った。そして、エコカー減税の補助が終了した昨年の10月には、新車の販売台数が前年同月比26.7%減と、10月としては過去最低の下げ幅になった。その中でもクルマ離れが著しい若者層に関して、トヨタ自動車(株)の豊田章男社長は「若者がクルマ離れをしているのではない。クルマ作りが若者離れをしているのだ」と現状を鋭く観察している。

「売る」ことと「マーケティング」は、似ているようで非なるものだ。昨今もてはやされている米国の経営学者 ピーター・ドラッカーは、「マーケティングとは顧客を作ること」と主張しているが、顧客が欲しくないものをいくら努力しても売れる訳がない。デフレでモノが売れないと言うよりは、豊田社長が言うように消費者が欲しいモノがないだけなのではないだろうか?

バブル経済が崩壊する前までは、女の子とデートするためのステータスシンボルだったクルマは、携帯でいつもつながっていたい若者にとって、運転中にFacebookやmixi、メールが長時間できない不便の象徴なのであろう。多くの若者にとってはクルマのスペックよりも、そのリアルな密室空間でのコミュニケーションの利便さを伝えない限り、スマートフォンの魅力には勝てないのかもしれない。時代の流れを見据え、消費者にとって魅力的な商品ベネフィットを探し出すことから始めるとともに、メーカーサイドの売りたいだけのベネフィットから脱却しなければ、消費者の心に響く商品は生まれない。

15歳から64歳の生産年齢人口は、2011年の8,100万人から30年後には5,900万人までに、30%も減少する。少子高齢化という構造的な問題が、クルマに限らず、あらゆる産業に市場縮小という現実を突きつける。でも少なくとも6,000万人もの潜在顧客が存在する。その潜在顧客の時代ニーズに合った商品を作るべく、その声に応える仕組みを作ることが、これからのマーケティングのチャレンジではないだろうか?新規契約の獲得よりも、既存の契約の更新を重視する経営に舵を切った生命保険業界。そこでも大切になるのは、既存契約者の声を聞き、商品開発に活かす仕組みの構築である。真に、マーケティングとは広告でもないし、プロモーションでもない。顧客の声を聞いて、そのニーズに応えることである。

マーケティングをユーティリティーにすることで顧客を作る
「ブランド・ユーティリティー」という言葉が、2009年頃から米国内で使われ始めた。ブランドがユーザーにとって、水道や電気のようになくてはならないもの(ユーティリティー)になるためのプラットホームを作ることで、継続的な顧客(ロイヤル顧客)を維持しようという考えである。その良い例が「NIKE+」というブランドサイトである。ランナーやジョッガーにとって、自分の記録を保存するためのナイキのランニングシューズとiPodを組み合わせたサイトは、日々のランニング生活になくてはならないものになっている。

電通ワンダーマンのクライアントである某化粧品会社でも、化粧品を規則正しく、継続的に使うことで、肌の状態をブランドプロミスとおりにするツールを、オンライン、オフラインで提供している。それは、せっかく商品を購入していただいても、間違った使用方法で効果が出なければ、お客様で在り続けていただけなくなり、それまでの顧客獲得のためのマーケティング投資が無駄になってしまう。

縮小する市場では、商品を売った後にお客様とつながり続ける仕組みを作ることができるか、できないかが、お客様獲得合戦に大きな差を生むであろう。顧客との長期的関係の継続に役に立つプラットホームを作って、顧客の商品体験をマーケティングにフィードバックできるかが、勝敗の鍵を握る。短期的な売り上げ視点で考えるだけではなく、顧客のライフタイムバリュー(生涯価値)を視野に入れ、顧客にとっての真の商品(Product Truth)を探るべきである。既存顧客の実際に商品を体験して得た真実(Truth)を商品の改良、コミュニケーション、チャネルの構築に反映できれば、自ずと顧客はついてくるのだ。

ユーザーの声を聞くことから始めるマーケティング元年に
日本におけるマーケティング活動の多くは、新商品による新規ユーザーの獲得に明け暮れているように思える。20%のロイヤルユーザーが80%の売り上げをもたらすというパレットの法則をもう一度直視することこそが、先進国で未体験の市場縮小時代には、一番大切なことではないだろうか?

デルやスターバックスは、自分たちのサイトで顧客のアイデアを拾って、商品化や改良につなげている。自分たちの声が、自分たちのブランドに反映されることで、顧客とブランドのリレーションの輪がより強くなる。そんなブランド経験に満足した顧客自身が勝手にソーシャルメディアなどを使って友達や知人にブランドを薦め、広告をしなくても評判を上げてくれる。顧客の声を反映した商品やサービスの導入が、新しい顧客を作ってくれる。顧客の声を商品やサービスに反映させることで、20%のロイヤル顧客の支持を得ることができれば、マーケティングの成功の確率は高まるはずである。

そのためには、顧客データをもっとマーケティングに活用してみてはいかがだろう?カスタマーセンターに寄せられた声、自社サイトやソーシャルメディア上に載せられた顧客の声などを、まずは統合分析することから始めることである。そこから、潜在顧客をトライアル顧客に、トライアル顧客をリピート顧客やロイヤル顧客に変えるインサイトを見つけることである。どの顧客セグメントが一番利益をもたらしてくれるかが分かれば、マーケティングゴールを見据えて、顧客を獲得する短期的なアクイジションのコストと、長期的に優良顧客を育成するマーケティング投資のバランスを考えることができる。

マーケティングをユーティリティー(有用)なものにするには、


  1. 売り上げをもたらしてくれる顧客の声を聞く「リスニング・プラットホーム」を作る

  2. その声を基に顧客のブランド体験をポジティブにする「マーケティング・プラットホーム」を作る

  3. その結果として、そのプラットホームがブランド・ユーティリティーになり、ロイヤル顧客が増える

  4. その過程では、測定可能な指標でマーケティング・プラットホームの効果を常にモニターし、次のアクションに反映する。

ことである。これまで、電通ワンダーマンが実践してきたダイレクトマーケティング手法を活用すれば、それも夢物語ではない。

デフレのいま、モノが売れないのではなく、マーケティングのシフトを変えれば、顧客はついてくる。その第一歩が、干支のウサギのように耳を立てて、顧客の声を傾聴することである。今年こそ、レスター・ワンダーマンの「会社は聞くべきである」という20番目の法則を皆様のマーケティングに活かしてはいかがだろうか。  (株式会社電通ワンダーマン 代表取締役社長)

*記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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