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「若者の○○離れ」 はなぜおきる?若者に物が売れない本当の理由

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
小笠原 更
series
TIPS★TIPS No.79
date
2011年2月17日
themes
新規顧客の獲得

若者が物を買わなくて大変だ
昨年、よく耳にしたのが、「若者のクルマ離れ」や「若者のアルコール離れ」など、「若者の○○離れ」という言葉である。

これは、現在50代・60代の消費者が若かったころに爆発的にヒットした商品が、20代・30代の消費者層にまったく売れないという状況を、企業やマスコミが社会現象として取り上げたものである。自動車やアルコールをはじめ、家電製品、出版物、旅行・・・と、とにかく若い世代が物を買わないことが問題となっており、そのことが国内景気の回復を遅らせる一因ではないか?というのだ。筆者が昨夏の当ニューズレターで取り上げた「百貨店」も「若者の離れ」が起こっている業態のまさに1つである。 (「上得意ではない顧客」も「大切な顧客」~ロイヤリティ・フレームワーク導入のすすめ

もちろん、この「若者の離れ」の現象は、多くの企業が調査や検証を繰り返して導き出された結果としては正しいのだと思うが、その要因を単に「若者が物を買わない」と表わすことには少し違和感を覚える。なぜなら「若者が物を買わない」という表現では「商品が売れないのは顧客である若者のせいだ」と一方的に言っているようであり、その言葉をそのまま解釈するならば「企業側の商品開発は正しいのに、若者が買わない」、「マーケティングは正しく機能しているのに、若者が買わない」と言っているように思えるからである。

若者が物を買っていた、懐かしい時代
50代・60代の人が「若者」と呼ばれていた1980年代の日本は、自動車の生産台数でアメリカを追い越して世界最大の自動車生産国になり、その後半にはバブル経済に突入。この後、1991年にバブルが崩壊するまで、急速に経済発展を遂げるのである。

今までの「生活のために物を買う」という考え方から、好景気による経済的な余裕を反映した「娯楽のための消費」が賞賛され、現在の先が見えない状況とは大きく異なり、国民の多くが明るい未来に何ら疑いを抱くことなく、「次は何を買おう?」と考えていた時代である。

取り巻く経済環境だけを見てもこれだけの違いがあるのだから、「若者」の価値基準が変わるのも当然であろう。昔売れていた物が売れないのは必然的な現象であり、少なくとも「離れ」ているのではないことがお分かりいただけるだろう。

離れたのは企業?
電通ワンダーマンの創始者の一人であるレスター・ワンダーマンは、「成功する会社が知らなければならない20のルール」の中で、「主役は商品ではなく、消費者でなければならない」と提唱している。また、米国の経営学者 ピーター・ドラッガーは「マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、商品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」と説いている。

本来、マーケティングとは、顧客を中心に据え「何が必要とされているのか?」、「どのような方法・チャネルで顧客に商品を届ければよいか?」、「どのくらいの価格が妥当か?」などを検討し、その「情報を正しく伝える」ことにより、必要なものを必要な時に、必要な人に届くようにするための手法である。

「若者がアルコールから離れている」という現象を前述のマーケティングの原則に沿って当てはめてみると、メーカー側が「若者が飲みたくなる酒を作っていない」か、あるいは「酒自体が若者に求められていない」ことが原因だと考えられる。あくまでも個人的な見解だが、それらの商品の多くは、企業側が「若者」と呼ばれる世代の消費者像をつかみきれていないことが原因となっているように思う。一億総中流と呼ばれ、ある意味では捉えやすかったそれ以上の世代と違って、経済的格差が拡大している現代の「若者」は1つの視点では捉えづらいのだろう。どちらかというと、企業の商品開発やマーケティングの現場で若者を捉えきれていないための「若者の離れ」が進んでいるように思える。

「若者の離れ」の原因を探るBrand Experience ScoreCard
伝統ある企業の馴染み深い商品の多くは、ターゲットとなる主要顧客層が年々高齢化している。同様に、それらの商品は今まで構築してきた広告・宣伝の手法が定常化・定型化することにより、市場の拡大を目指して新たな主要顧客とならんとする、若年層に対してのアプローチがおざなりになってしまったようである。

ボリュームゾーンであるとはいえ、いつまでも第一次・第二次ベビーブーム世代を追いかけているわけにはいかない。20代・30代の消費者層に対して売れる商品を作る、あるいは現在高齢層に売れている商品を若者層で売れるようにするためには、マーケティングの原則に従うと、まずは若者を「理解する」ことが必要となる。消費者を理解するために、当社では「Brand Experience ScoreCard」(ブランド・エクスペリエンス・スコアカード、以下BES)というメソッドでお客様企業の要望にお応えしている。

BESの基となったのは、2000年~2002年の3年にわたって、ワンダーマン社が北米で大々的に実施したブランド調査である。この調査の結果、ブランドロイヤリティーは、必ずしもブランドイメージだけで作られるものではなく、商品体験(購入)や企業のサービス、顧客対応状況などの「Experience = 体験」が大きな影響を与えていることが判明。このブランドロイヤリティーの形成において影響を与える体験要素を指標化し、数値検証が可能なようにツール化したのがBESである。次に、BESについて例を挙げながら説明する。

BESでは、ブランドロイヤリティーが形成される段階には、以下の「3つの要素」があると定義づけている。

  • ブランドコミュニティー  = 顧客同士の一体感、仲間意識、顧客と企業の絆(きずな)、関係性
  • カスタマートリートメント = 顧客に対する企業の働きかけ、問題解決力などの顧客認識力
  • プロダクトパフォーマンス = 商品の基本的価値(性能・効能など)に対する理解、評価

消費者調査により、ブランドコミュニティー、カスタマートリートメント、プロダクトパフォーマンスの「3つの要素」の状況を把握し、消費者の自社および他社ブランドに対する好意状況のそれぞれに対して、どの「要素」が一番影響を与えているかを検証することで、自社の「強み」と「弱み」を導き出すことができる。

例えば、「若者の離れ」で困っている商品がある場合、まず、その商品のメインの顧客層と若年層に対してBESを実施し、その一方で若年層に人気の高いブランドを対象にBESを行う。これら3つの対象の、ブランドコミュニティー、カスタマートリートメント、プロダクトパフォーマンスの状態を比較検証することにより、自社商品の若年層に対する「強み」と「弱み」を導き出す。そこから、「若者の離れ」の原因を特定することができる。これに基づいて、自社の商品やサービスが若年層に対してどの程度適応しているかを判断し、改善の方向性を見極めることが可能になる。

当ニューズレターでは詳細を解説することが難しいため、ご興味がある方は、編集室までメールでお問い合せをいただきたい(e-mail : wd_newsletter@wunderman-d.com)。BESがどのように活用できるか、お伺いし事例とともにご説明することが可能である。

「若者の○○離れ」から「若者に○○がヒット」へ
高いエコロジー意識や健康志向、リスク回避思考、ソーシャルメディアに対する高い適応力など、現在の若年層にはその前の世代までには無い特徴が存在する。いま見直されているハイボールなどは、サントリーがその若年層の嗜好をうまく捉え、マーケティングを忠実に実施したことにより、「若者にウイスキー(ハイボール)がヒット」という現象を作った。マスメディアでは「離れ」ばかりが強調されているが、必要なものを必要な時に、必要な人に届くように、マーケティングを確実に実践することでヒットしている商品もあるのだ。電通ワンダーマンではソーシャルCRMなど、若年層に向けて最適化されたソリューションを提供しており、多くの企業で採用が始まり、成果を挙げている。(若年層へターゲット・シフトしての新規獲得事例

「離れ」と「ヒット」の大きな違いは、消費者に対する企業の向き合い方だと思う。バブルの時代は「商品は作れば売れていく」ものであり、向き合う対象は消費者ではなかったのかもしれない。「主役は商品ではなく、消費者でなければならない」という、レスターの教えをもう一度見つめ直すには、現代は非常によい時代なのだろう。

*Brand Experience ScoreCard(ブランド・エクスペリエンス・スコアカード)はワンダーマン社(米国)の登録商標。その他、記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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