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モノが売れない時代のマーケティング~メーカーが消費者の声を直接聞く方法

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
小笠原 更
series
Wunderman's view No.102
date
2011年9月 1日
themes
Webマーケティング

今号では、当社でのメーカーEC(電子商取引:Electronic Commerce)開始におけるコンサルティングの経験に基づき、メーカーがそれを始められない理由から、期待される効果までを紹介する。また、メーカーECを検討されている、あるいは立ち上げで悩みを抱えておられるクライアント企業様を対象に、無料にて個別相談をお受けしている。申込み方法については巻末にてご案内させていただく。

より安い商品・サービスを探し求める消費者にとって、インターネットは大きな影響力を持っている。その中でも、消費者にとって利便性が高いECは、2009年には百貨店よりも大きな市場となり、本年中にはコンビニエンスストアを超える規模に成長しつつある。

その一方で、メーカーのビジネスモデルは、インターネットを媒介とした消費者コミュニケーションに出遅れている感がある。メーカーが作り、卸売が流通し、小売が販売するというこれまでのビジネスにおいて、消費者と直接コミュニケーションを行うのは小売であり、消費者情報を把握しているのは小売店だけというのがほとんどである。

そのリサーチ手法は、消費者の変化についていってるのだろうか?
消費者との直接コミュニケーションが少ない状況では、自社製品のエンドユーザーが誰であるかが、メーカー自身にはリアルタイムに見えてこない。どのような顧客が自社製品を繰り返し購入している「上得意」で、どのような顧客が最近買っていない「休眠顧客」なのかを把握することはできないし、なぜそうなっているのか、原因を探ることができない。

その影響を大きく受けるのが製品開発分野である。メーカーの多くでは、商品開発に必要な情報を得るために、調査会社やコンサルティングファームによる市場調査や、グループインタビューなどの消費者リサーチにより大きな費用を掛けて、商品開発に必要な情報を得ていた。だが、インターネットを中心とした情報革命とともに多品種少量消費の傾向が進む中で、消費者を一つの「かたまり」としてみなすことができなくなり、上記のようなリサーチだけでは消費者の個別ニーズを的確かつ迅速に把握することは難しくなってきている。

インターネットチャネルを介したコミュニケーションは消費者の行動や心理を数値的に把握するために特に有効であることから、多くのメーカーは消費者向けの会員サイトやコミュニティーサイトを立ち上げ、消費者のリアルな声を把握するための投資を行っている。しかし、消費者の心理変容と購買行動を一番的確に把握できるはずのECに関しては、メーカーは一様にしり込みしている状況である。

メーカーのジレンマ
「ECを始めたいと思っているが、直販を行うとなると、小売店から顧客を奪うように見えるし、パートナーである卸売企業に不信感をもたれる可能性がある。メーカーにおいてECというのは、非常にセンシティブな問題なのです。」

筆者が話を聞く機会のあったクライアントのメーカーの多くでは、たとえ消費者情報収集の一環としてでも、直販を行うことにより、既存のパートナー企業に悪印象を与えることを最も恐れていた。メーカーから見た「顧客」「営業先」とは、それら流通にかかわるパートナー企業だからである。

メーカーがインターネットを介して消費者とのコミュニケーションを強化し、直接、消費者のインサイトを把握することができれば、「本当の顧客である」消費者が求めている製品を開発し、適切なマーケティングコミュニケーションを通して届けることができるはずであるが、前述の理由で、安易に行うことはできない。

変化しつつある消費者を的確に捉えなければ、今後のビジネスの拡大は考えられない反面、既存のビジネスモデルを壊すわけにはいかない。メーカーは消費者コミュニケーションにおいて大きなジレンマの中にいると言える。

メーカーECは本当に卸売企業のビジネスに悪影響を与えるか?
電通ワンダーマンでは、メーカーのECの立ち上げ時におけるコンサルティングを通じて、そのジレンマの多くは解決可能なものであり、メーカーの消費者コミュニケーションは卸売企業にとっても有効であることを認識している。

  • メーカーは、消費者のニーズや購買動向を知ることにより、的確な商品開発やマーケティングコミュニケーションが可能になる。それらの情報をメーカーと卸売企業とが共有することにより、マーチャンダイジングの最適化や、不良在庫の削減、販売促進など、卸売企業のビジネスにおいても有効に機能する。
  • アウトレット品、部品や消耗品などの顧客アフターケア商品を中心としたECサイトを構築することにより、卸売企業の在庫リスクの低減や、稼動効率の向上につなげることが可能になる。
  • メーカーが継続的なコミュニケーションを通して顧客のロイヤル化と囲い込みを行うことで、市場内の固定ファンを増やすことにつながり、市場の安定化を図ることが可能となる。これにより卸売業のビジネスの安定化に寄与することができる。
  • メーカーがECに参入することにより、製品のアップセル/クロスセルについて、効果の高いコミュニケーションモデルを開発することが可能となり、それらの情報を小売店舗 の売場作りなどにも活用できる。

いずれも、メーカーが消費者の情報(属性、販売情報、コミュニケーション情報など)を直接保持することにより、分析や検証を通して販売に役立つ情報を導き出し、それらを卸売業と共有する。メーカー、卸売業双方が利益を得ることができるという例である。

加速するメーカーEC
メーカーECに動きが出始めている。ここ最近の動きが最も大きいのが化粧品業界ではなかろうか。以下は2011年5月2日の日経MJの掲載記事の要約である。

「化粧品メーカー大手のコーセーはメーキャップ化粧品中心の『ジルスチュアート』と、スキンケア化粧品中心の『アウェイク』の2ブランドで、5月9日からメーカーECを開始。エイボン・プロダクツも5月からメーカーECを開始し、資生堂も来春からメーカーECを開始するなど、メーカー直営のネット販売=メーカーECの動きが拡大している。」

(株)富士経済によると、2010年の国内化粧品の市場規模は約2兆1500億円。このうち13.2%をネットなどによる通販が占めており、ドラッグストアに次ぐ、第2位の販売チャネルとなっているそうだ。

また、アパレル業界にも同様の動きが出ており、ZOZOTOWNのようなモールから、ブランドの直営店まで含めたEC市場が急成長している。化粧品やアパレル企業は直営店を持っており、その販売チャネルをECへ移行することで最終的にはコスト削減につなげることができるため、積極的に取り組んでいくものと考えられる。

消費者の購買活動におけるインターネット活用ニーズも高まっており、ECに対する心理的な障壁も少なくなってきていることを考え合わせると、上記の例だけでなく、直営の小売店を持っていないメーカーなど、さらに広範な分野でECへの取り組みは広がっていくことだろう。

ECの機能についても、ただ単に販売チャネルとしてだけではなく、ユーザーが製品評価を行える機能やSNS機能などを付加した「ソーシャルEC」へと発展し、メーカーが有効活用できる消費者情報も飛躍的に増えていくことが考えられる。

電通ワンダーマンによるメーカーEC立ち上げ支援
前述のとおり、電通ワンダーマンではメーカーECの立ち上げにおける、さまざまな知見を有している。多くの場合、メーカーが所有している愛用者登録情報やメールマガジン会員情報などの既存顧客データ分析、競合のEC実施状況などの分析・検証を行う段階から、ECサイトの設計、構築、テスト運用、運用管理とサイトの効率化、顧客動向レポートの作成までをサポートさせていただいている。

当社がメーカーECを立ち上げる際に重視しているのは、次の2つである。

  1. 既存チャネルに活用できる顧客情報の随時収集
  2. ソーシャルECへの拡張性

特に流通を含む、既存チャネルに活用可能な顧客の購買行動や特性データは、レポートとして定期的に提供することが可能であり、それらの分析結果を元にマーケティングコミュニケーションの改善提案までを行っている。

上記マーケティングコミュニケーションの実施段階で、ECにより新たに実現できる付加価値として、以下が考えられる。

  1. 既存チャネルでは獲得しにくい顧客層(20代若年層等)の獲得
  2. 若年層顧客の小売店舗への来店促進

もし、当ニューズレターの読者の方々の中で、メーカーECを検討されている、またはメーカーECのさらなる展開を検討されている方がおられれば、気軽にお問い合わせいただきたい。当社WEBサイトの「お問い合わせ・お申込み」よりご連絡いただければ、ご相談やご質問など、個別に対応させていただく。

今こそ、メーカーは、当社創始者であるレスター・ワンダーマンが「成功する会社が知らねばならない20のルール」で語っているように、「13.勇気を出して双方向の対話を始める」べきではないだろうか。

*記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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