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2012年の潮流-「顧客とつながる」マーケティング

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
落藤 隆夫
series
Wunderman's view No.106
date
2012年1月12日
themes
その他

「絆」が2011年の「流行語大賞」(*1)のベストテンや「今年の漢字」(*2)に選ばれ、「スマートフォン」が楽天の「ヒット商品ランキング」(*3)や電通総研の「生活者が選ぶ2011年の話題注目商品ランキング」で第1位に選ばれた。そして、東京モーターショーでは「走る」クルマですら「つながる」ことが未来の姿として展示されていた。「つながる」に欠かせないツールとして、FacebookやTwitterはいまや当たり前になっている。

i-Cloudのアップルや、レコメンデーションエンジンで買い物を支援するアマゾンのように、成功している企業はつながり続けることで顧客を創造している。顧客とつながることのイノベーションが、これからのマーケティングの成功をリードするのではないだろうか?・・・顧客との「つながり」でブランドへのマインドシェアを上げることが、成功するマーケティングコミュニケーションへのチャレンジといえるだろう。

2012年の年頭に当たり、今号では電通ワンダーマンのグローバルな知見から、顧客とのつながりが利益を生むマーケティングのキーワードを掲げてみたい。
 
顧客行動を中心に据えたβマーケティング
「スペンド・シフト」の著者であるY&R(ヤング・アンド・ルビカム)社のチーフ・インサイトオフィサーにして、ブランドアセットコンサルティング社のエグゼクティブ チェアマンのジョン・ガーズマ氏は、「買い物は企業やブランドに対し毎日行われる選挙であり投票行動である」と主張している。ここで注目したいキーワードは「行動」である。買い物という行動は、売り上げとして数字に計上される。では、買い物以外の顧客行動は、どのような記録として残されているのだろう。

サービスセンターに苦情の電話をする。不明な点をコールセンターに問い合わせをする。店舗や商品サイトで品定めをする。検索エンジンで調べる。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)内でブランドの評判について語り合う。口コミとなってブランドを推奨したり、批判をしたりする。このような買い物以外の顧客行動は「つながり」として記録される。

どれもこれも顧客の行動である。買い物以外の行動、特に買い物後の顧客の投票行動を確実に把握し対応しなければ、多額のマーケティング投資を行って獲得した顧客のマインドシェアは下がり、ひいては顧客を失いかねない。顧客とつながるテクノロジーやツールがふんだんにある今日こそ、企業やブランドとつながろうとしている顧客の行動をマーケティングに組み込み、共創関係を作るべきである。

共創関係の構築について、ペプシコーラ(米国ペプシコ・インク)のデジタル・ヘッドであるシヴ・シン氏は、デジタル時代のマーケティングには、「Real-time Response」「Real-time Co-creation」「Real-time Engagement」を実施できる体制が必要だと、「コンバセーショナル・マーケティング・サミット2011」(Federated Media社主催・2011年6月に米国で開催)で述べている。消費者行動をモニターする中でインサイトを発見したらすぐに反応(Response)し、コンテンツを消費者と共に作り(Co-creation)、それをタイムリーに配給することで消費者と絆を作る(Engagement)。タイムリーな共創関係こそが、これからの成功するマーケティングの鍵であると主張しているのだ。

大規模な広告キャンペーンやプロモーションを時間をかけて準備する「Brand to Many」の一方的なマスコミュニケーションは、消費者自身が「One to Many」のコミュニケーション力を持った時代にはむしろ危険な賭けかもしれない。企業が消費者の声を聞きながら、共働してテストと改善を繰り返すβマーケティングが、1つの答えになる。そして、その際のターゲットとなる消費者は「Brand to Some」という既存顧客の中のあるセグメントになる。多様なニーズを持つさまざまな顧客セグメントに局地的に行うβマーケティングの方が、消費者が主導権を握ったデジタル時代には、マーケティングROI(投資対効果)をより確かなものにするだろう。
 
顧客行動データがモノを言う「Brand to Some」マーケティング
デジタル時代の「Brand to Some」マーケティングの一例をお目にかけよう。

国内のCD年間売り上げランキング(*4)の上位独占のAKB48のメンバーの一人がコンサートの後に、飲み物を手にスタッフと談笑している姿を、誰かが携帯電話で撮影してYouTubeにアップロード。その飲み物ブランドでは、アップロードの事実やそれがTwitterやYouTubeで広がる瞬間をモニターすることに成功したら、すぐに他の人に伝えてあげる下地を整える。ただ、それは企業が行う広告やPR活動ではなく、ファンのお手伝いとして、その事実を多くの人に広める手助けをするだけである。そして誰かが「彼女と一緒に打ち上げの乾杯をしよう」なんてつぶやいて、自販機やコンビニでその飲み物が売れれば最高である。コンテンツを波及させるプラットフォーム作りだけがマーケターの仕事であり、後は消費者が勝手にプロモーションを完遂させてくれる。

ブランド価値である「Refreshing(リフレッシュ感)」や「Uplifting(高揚感)」は彼女が体現している事実を提供するだけで、彼女のファンであるブランドの顧客は全てを理解する。それはどんな広告やPRよりも強烈な印象を残すであろう。そのコンテンツの広まりが、既存顧客に予期せぬ満足をもたらすと同時に、事実を知った新規顧客の獲得につながるだろう。ファンという限られた顧客セグメントの力を利用しながら、顧客層を広げるのが「Brand to Some」マーケティングの極意である。

ここで大切なことは、彼女のファンである「Some」な既存顧客のセグメントを把握しているかということである。データが顧客中心ではなく商品別や組織別の縦割りになっている場合には、他の商品の既存顧客の中にもいる彼女のファンに、そのブランドをトライしてもらう機会を逸してしまう。顧客データベースが一本化されていても、商品ごとにマーケティングを展開している場合にも同じことが起きる。顧客購買データと顧客行動データを掛け合わせて「Some」なセグメントを割り出すことが、絶対条件である。

次に、顧客行動からインサイトを見つけるための顧客のモニタリングが、デジタルとオフラインのチャネルを統合したリスニングプラットフォームになっているかが、重要となる。さらに、そこからもたらさせるインサイトをタイムリーなアクションに変える体制が整備されていなければならない。データベースの構築も、分析ツールの導入も、顧客創造に貢献しなければ無意味である。顧客を管理するCRMではなく、顧客の力やインサイトを引き出す機能を備えることが、ソーシャルの時代のCRMの在り方である。リスニングプラットフォームが補完するソーシャルCRMは顧客が顧客を作る大きな役割を果たし、「Brand to Some」マーケティングに欠かすことができない。

ブランドの哲学や価値を共有している「Some」な顧客とつながることで徐々に顧客基盤を広める方が、ロイヤル顧客のマインドシェア獲得には、マスマーケティングよりは遥かに効果的である。限られたマーケティング予算の効率化の観点からは、新規の顧客を獲得するより、顧客の離反を防ぎ、既存顧客内でのクロスセルや、購買のフリークエンシーを高める方がより賢明なアクションではないだろうか。

顧客行動を誘発する共働・共創マーケティング
「Brand to Many」のマスマーケティング・モデルから「Brand to Some」モデルへ転換を図る際に大切なことは、ビッグアイデアと呼ばれる広告のクリエーティブアイデアをマーケティングコミュニケーションの中心に据えるやり方を見直すことである。実直な顧客の声を反映した「Some」であるターゲットの行動喚起を計算したスモールなブランドアイデアを、さまざまなマーケティングパートナーから起用し、行動喚起につながるベストなアイデアを選ぶことである。ブランド価値を高め、顧客行動を誘発するかが、全ての選定の基準となる。

ロイヤル顧客だけがブランドの売り上げを支えつづけているのである。「Some」である幾つものロイヤル顧客グループに合わせたスモールなアイデアの積み重ねだけが、間違いのない買い物行動をもたらすのである。まずは買い物行動につながる顧客行動の誘発である。

次に重要なことは、自分が選んだブランド選択の正しさを後押ししてくれる、信頼に足る、信憑性のある情報の提供である。新規顧客獲得キャンペーンが新しさを狙うと、時にして既存顧客の離反を招くのもそのためである。ブランド選択の正しさが確信に変われば、友達や仲間への口コミとなる。その口コミの言葉は更なる信憑性の高い情報として広まり、新しい顧客をブランドにもたらしてくれる。何よりもマーケティングコミュニケーションが誘発すべきなのは、既存顧客によるブランドとの共働である。

顧客行動をマーケティングに反映するためには、顧客が何を聞いて欲しいのかを知ることが第一歩となる。そしていつそれを聞いて欲しいのかを知ることと同時に、聞いてあげたという結果を返してあげることが重要なのである。「売って買う」の関係から、顧客をパートナーとして共にブランドを作る共創関係をテクノロジーが可能にする時代である。

ダイレクトマーケティングの創始者であるレスター・ワンダーマンは、「勇気を出して双方向の対話を始める」と述べている。消費者に対して一方的に話すよりも、彼らの話に耳をかたむけることでブランドとの信頼の絆を顧客と結ぶ。いつも顧客とつながるテクノロジーとツールは既に手元にある。

ブランドなりの「絆」と「つながり」を作ることのお手伝いが、マーケティングサービス・パートナーとしての電通ワンダーマンの2012年のチャレンジです。顧客創造をミッションとして、皆様のマーケティング活動の結果に対する責任を共有させていただきたいと思っています。    (株式会社電通ワンダーマン 代表取締役社長)

*1 2011ユーキャン新語・流行語大賞
*2 2011年「今年の漢字」日本漢字能力検定協会
*3 2011年 楽天市場HIT!ヒット商品番付(東)
*4 2011年国内シングルCD年間売り上げランキング・オリコン調査
*記載されている会社名、商品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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