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離れていくお客様の心を呼びもどす法則はあるのか。

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
明石 智子
series
Wunderman's view No.143
date
2015年4月24日
themes
その他

 読者の皆様は、コミュニケーション施策の中で、ダイレクトメール(DM)を使用するとしたら、どんな場面で活用するとよいとお考えでしょうか。「資料請求した方への丁寧な説得を行い、購入に結び付ける」「B2Bの場面で、新規開拓のために投下する」「いっそSNSでの拡散効果をねらって、サプライズなDMを届ける」など、かえってくる答えはさまざまだと思います。

 筆者は、2011年より、全日本DM大賞の最終審査員を務めさせていただいています。この賞は、戦略性、クリエーティブ、実施効果の視点で審査が行われるものです。各社、実績を重ね、さらに切磋琢磨していくことで、年々、応募される作品の質も一様に上がってきていると言えます。特に、入賞に至った作品は、コミュニケーションの課題がきちんと設定され、定量や定性調査から顧客のインサイトを探り、方向性を導き出すコミュニケーション戦略のもと設計されています。ロジカルな面とエモーショナルな面を巧みに絡ませたクリエーティブとすることで、顧客の行動を促し、優れたレスポンス結果を残しています。従って、日々、マーケティングコミュニケーションに取り組む者にとって、新たな気づきがあることは間違いなく、筆者も、審査員でありながら、参考にもさせてもらっています。

 デジタルメディア、SNSと新たなコミュニケーション手法が生まれていく中で、筆者が着目しているのは、DMというメディアは、直接、顧客の手元に届けることができる特性から、送り手側のことを思い出し、目を向けてもらえる機会をつかむのに有利だという点です。ともかく、一度、扉を開けてもらうことができれば、企業の姿勢を真摯に示したり、思いがけない仕掛けで意表をつく表現にしたり、家族や周りの人に伝えてもらう工夫を施したり、タイミングにあわせて時系列に訴求したりなど、DMが得意とする技を縦横無尽に使うことができます。

 今回のDM大賞でも、B2Bアプローチ、見込客から顧客への引き上げ施策での入賞も多数ありましたが、それを上回る数でリテンション施策にDMを活用した事例が入賞しています。ダイレクトマーケッターが参考にしたいリテンション事例が多かったと感じていますので、3つの事例を取り上げ、DMでのリテンション成功の法則を見ていきたいと思います。


■足が遠のいた顧客の2度目の来店を促すには

 一度、来店して購入していただいたものの、2回目の再来店率が芳しくないというのはリテンションの代表的な課題です。その課題に対して解決を図ったのが、ポーラ社のブランドブックDMです。課題として挙がっていたのは、エステを体験されたお客様の初回来店時の満足度は高いにも関わらず、2回目は「何となく」と特に明確な理由がなく、いつの間にか足が遠のいてしまう顧客が存在しているという点でした。
 そこで、再来店を目的としたDMを送付。来店時のエステ体験の高揚感を保つこと、ポーラの理念や施術への理解を深めてもらうことに主眼をおいたブックを届けました。DMは扉型になっており、扉を開くと、以前に応対した販売員の直筆のレターが現れます。また、スキンチェックケアを促すスケジュールを自身で書き込めて、次回の来店を具体的にイメージできるカレンダーが同封されています。結果、顧客継続率が例年より10%向上する成果を出しています。

 このDMの成功要因は、販売員とあたかも直接、話しているかのような自分が大切にされている、心地よい気持ちにしてくれる展開となっていることです。販売員の接客を補完することとは何かをじっくり検討し、お客様に喜んでいただける、もらってうれしいカードとすることで、また行ってみたいという気持ちを呼び覚ますことに成功しています。
また、肌のコンディションを気にしてもらえる仕掛けを加えるなど、当サービスへの関与をより高める工夫を施しているのも秀逸と言えるでしょう。


■離れていった顧客の心を引き戻すには

 一度、離反してしまった顧客の心を呼び戻すことに成功したのが、ソフトバンク社のカムバックDMです。スマートフォンのつながりやすさNo.1となり、生まれ変わったソフトバンクのネットワークを知ってもらい、顧客として戻ってきてほしい課題がありました。そこで、直接手に届けられるDMを活用、かつて顧客であったことに感謝の気持ちを伝えつつ、つながりやすさが違うことを客観的な調査データを示して説明。さらにクーポン型のツールを入れて、店頭へと誘導を行っています。申込み獲得率を大幅に向上させる結果を出すことに成功しています。

 このDMが成功したのは、あらかじめ解約した時に、顧客にDM送付の許可を得ている方にカムバックDMを送ることができる仕組みになっていた点です。一度、やめてしまった顧客に企業側からアプローチすることは、オンライン施策では相当にハードルが高いものですが、DMという有形ならではのメディアでの顧客接点が大いに実力を発揮したと言えるでしょう。人気キャラクターのステッカーが外から見える仕掛けで、開封率や保存率を高めてもいます。

 また、普通に戻ってきてくださいと伝えても効果はなく、前回と変わった面を客観的事実で示すなど、顧客が以前に感じた気持ちを変えてもらう説得になっています。休眠客は眠ってはいますが、使用してくれていた分、思い出すのも早いもの。カムバックDMは、休眠客ヘアプローチを考えたい時、DMだから効果が見込める、チャレンジに値する施策ではないかと考えます。


■関与が低くなりがちな商品の継続申込みを促すには

 オンライン向けの商材といえば、Eメールを筆頭にデジタルメディアでのコミュニケーションを考えがちです。しかしながら、パソコン向けのセキュリティソフトを提供するトレンドマイクロ社は、更新タイミングで紙のDMを複合的に活用することで功を奏しています。

 当ソフトはデジタルアプローチだけの訴求では、効果が減少傾向にありました。そこで、事前にアンケートを実施して、顧客インサイトを把握。タイミングに合わせて、複数のステップメールを配信しました。加えて、継続を促すDMをWebコミュニケーションと絡ませながら、心理状態に合わせて送付。継続の必要性を高めています。申込みを具体的に喚起されるレスポンスツールとして、振込用紙も同封。結果、継続契約数は目標の1.4倍を実現させることができました。

 このDMが成功したのは、更新関与の薄い商品・サービスは行動するか否かは、ギリギリまで回されがちであり、Eメールだけのプッシュではタイミングを逃してしまう場合もある中で、開封率が高いDMを活用したことです。最適なタイミングを見計らって、顧客の心の中に入り込み、説得することで、継続の必要性を実感させています。また、振込用紙というレスポンスツールを同封することで、料金を払う必然性を意識することができています。何となく面倒だ、手早く済ませてしまいたいといった商品・サービスへのDM活用は、他にも応用が可能なのではないでしょうか。


■メディアの役割を考える時

 ダイレクトマーケティングの父、レスター・ワンダーマンが提唱した、「成功するすべての会社が知っている20のルール」の中に、"メディアはコンタクト戦略である"というくだりがあります。レスターは、「大切なのはメディアから得られる測定可能な結果であり、露出量ではない。リーチやフリークエンシーは時代遅れである。関係構築を始められるのは、「コンタクト」のみである。」と述べています。
 DMというメディアは、お客様に自然な形で接触をもつことができ、あなたと出会えることができた感謝の気持ちを伝えることでお互いの気持ちをつなげ、周りの人にお客様が感じた気持ちを言葉にして広げてくれることを期待できるのではないでしょうか。
 お客様に喜んでもらえることを考えたい、あるいは、もしかするとお客様の心が離れていってしまっているのではと感じたら、DMのことを思い出していただければ幸いです。


参考:第29回全日本DM大賞 DMガイドブック2015 
*記載の社名、製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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