• TOP
  • アクセス
  • メールマガジン購読申込み・解除

Contact us

  • ワンダーマンコンセプト
  • ワンダーマンソリューション
  • コラム
  • 企業情報
  • 採用情報

逆転の発想が効く?ネット時代の新潮流。
~ 「インバウンドマーケティング」の米国事例から ~

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
高野 基
series
Wunderman's view No.144
date
2015年5月28日
themes
その他

 あなたは昨日、何回バナー広告をクリックしましたか?または、何本のコマーシャルをご覧になりましたか?インターネットはSNSや検索が中心で、テレビは録画で広告をスキップして楽しむ...。そんな方も少なくないのではないでしょうか。ご存じの通り、広告が効きにくくなったという問題は方々で指摘されています。多額の広告費を投じても届かなければ意味がありません。それどころか番組のハイライトで何度も挿入されるコマーシャルに辟易としたり、検索ポータルで不意にバナーが拡大したりといった演出に嫌悪感すら覚えたという方もいるかもしれません。
 今回ご紹介するのは、そんな時代に、あえて広く告げること(広告)をせずにプロモーションを成功に導いた、あるスコッチウイスキーブランドの米国事例です。

 日本では、連続ドラマの影響も手伝ってか相変わらず人気のウィスキーですが、米国では特にバーボンウイスキーが人気となっているそうです。そんな中、このスコッチウイスキーブランドは、限定銘柄を投入して巻き返しを図る戦略を打ち立てました。限定銘柄なだけにプロモーション予算はなるべく抑えたい。そこで考えられたのが、まずロイヤルカスタマー(高い忠誠心を持つ顧客)にアプローチする戦略でした。
 リーチ(接触)できていなかったターゲットに効率よくアプローチすることでシェアを拡大するのがマーケティングの王道だとすれば、これはまさに真逆の発想。なぜ、黙っていても新銘柄を認識するだろうロイヤルカスタマーに的を絞ったのでしょうか?

 このプロモーションは、発売前から「ひっそりと」始まります。ロイヤルカスタマーがフォローしているFacebookのブランドページで、発売日に向けたカウントダウンタイマーが動き出します。新銘柄の登場に際しては、その味わいや香りはもとより、ブランドの顔ともいえる伝統あるラベルデザインがどのようにリニューアルされるのか?ファンにとっては大きな関心事でしょう。
 しかし新ラベルは最初まったく見えません。タイマーがカウントされるごとに徐々に明らかになってくる仕組み、いわゆる「ティザー広告」になっていたのです。その後、ブランドへの興味を高めるクイズやオンライン限定イベントの告知、さらにそのイベントのデジタル招待状...とファンが欲しがる情報を徐々に展開。期待をじわじわと高められるように演出しました。
 じらされながら高まる期待から、ロイヤルカスタマーはFacebookでつながる友人へ情報を拡散。その効果は限定銘柄の認知のみならず、ウイスキーブランド全体の興味にまで拡げることができたのです。
 最初の「焚き付け」となる予算は小さくても、まずは火がつきやすいところから着火して、新鮮な空気を徐々に送り込みながら炎を大きくすれば、やがて太い薪にまで燃え拡がるように、効率よくプロモーションの勢いを高めていったというわけです。

 期待の炎が十分に燃え盛った状態で発売日を迎えれば、自ずと高い販促効果が期待できるというもの。新銘柄が入手できる店舗の情報をSNSで発信したり、試飲イベントに誘導したり、さらにはボトルに記された個別コードで参加できる限定オンラインイベントを実施するなどにより炎はめらめらと燃え拡がり、開始6カ月で13万ユーザーのSNS投稿閲覧と、1万3,000のFacebookファンを獲得。さらに、この限定銘柄は、後に生産量の拡張にまで至ります。
 そもそも「ティザー広告」のTeaseとは「じらす」という意味。あえて情報を小出しにすることで興味関心を集めて期待をあおる手法は古典的なものです。しかしこの事例では、情報そのものだけでなく情報の発信先さえも限定することで費用対効果の極めて高いプロモーションを実現したのです。

 企業の描くシナリオに多くの消費者を誘導するため大量の情報を発信(アウトバウンド)するのではなく、人々の「もっと知りたい」という興味関心を引き出しながら、その期待に応える情報を提供することで「つながり」をつくる手法は「インバウンドマーケティング」と呼ばれ、このところ日本でも注目されています。
 今回の事例は、米国ワンダーマンによるものでしたが、的確にセグメントされたターゲットに的確な手法でメッセージを発信し、最小のコストで最大の効果を得ようとする考え方は、まさにワンダーマンが標榜する「ダイレクトマーケティング」そのものともいえます。特にコアなファンに的を絞って効率よくリテンションを成功させているポイントは見逃せません。
 ネットを通じて低コストで大量の情報を発信できるようになった現代。しかし、だからこそ人々の心に「ダイレクト」にアプローチしようとするこうした手法はますます注目されていくのではないでしょうか。


■あわせて読みたいおすすめのコラム

 海外事例:日本でも増加傾向!ブランド体験とSNSの連携プロモーション
 http://www.wunderman-d.com/column/2013/07/sns.html

 物が売れない時代のマーケティング術 メール?それともソーシャル?
 ~企業における消費者コミュニケーションの変化~
 http://www.wunderman-d.com/column/2012/10/post_30.html

 【前編】SNSはビジネスに果たして使えるのか?独自調査で見えてきた!
 http://www.wunderman-d.com/column/2013/08/sns01.html

 【後編】SNSはビジネスに果たして使えるのか?独自調査で見えてきた!  
 http://www.wunderman-d.com/column/2013/09/sns02.html

【ワンダーマン・ニューズレター】 Wunderman's view一覧へ

コラムは毎月1回メルマガでも配信中 購読はこちら(無料)


PageTop

Copyright © Wunderman Dentsu, Inc. All Rights Reserved

ISO/IEC 27001:2013(JIS Q 27001:2014) 電通ワンダーマンは、
右記のセキュリティ認証を取得しています。

ISO/IEC 27001:2013 / JIS Q 27001:2014