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スタジアムとゲレンデで繰り広げられるビール販売員による熱きCRM最前線。

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
林 剛
series
Wunderman's view No.145
date
2015年6月26日
themes

 仕事を早めに切り上げた日は、いつものバーや居酒屋で一杯というのも良いですが、この季節ならスタジアムでビール片手に野球観戦というのも悪くないのではないでしょうか?今回はそんな季節にぴったりな「ビールとマーケティング」のお話です。
 スタジアムの観客席でビールを売る販売員さんたちの待遇は、多くの場合「歩合制」ということをご存じでしたでしょうか。売れなければ満タンで13~15キロもあるという重たいサーバーを背負って足を棒にしつつ財布の中身は軽いまま...という厳しい世界ですから、彼らも必死に違いありません。
 スタジアムのビール販売といえば、通路から独特の節回しで「ビールはいかがですか」と無節操に繰り返すイメージを持っていた私ですが、最近は女性の販売員さんが目の高さまで下りてきて笑顔で語りかけるのだそうです。成績優秀な人になれば、1試合で400杯ものビールを売るのだとか。1分間に2杯売ったとしても3時間で360杯という計算ですから、そのペースは信じがたいほどの凄まじさです。
 そのノウハウは実に興味深いものです。試合の動向に合わせ、例えば劣勢チームの応援席では「まだまだ逆転できますよ。一緒に応援しましょう」と語りかけることもあるといいます。また、お客様の顔を覚え、次の試合で「お久しぶりです、私を覚えていますか?」と語りかけることもあるらしく、語りかけられたお客様がその販売員さん指名でビールを買うようになる例も少なくないそうです。
 ここまでくると、もうOne to One マーケティングの極致といっても過言ではありません。この話を聞いて、野球音痴の私ですらスタジアムに足を運んでみたくなったほど。素晴らしい手法だと思うのです。

 ビール販売の事例を、もうひとつ。私は年に数回スノーボードに行くのですが、昨シーズンも当社の仲間と連れ立ってゲレンデに行きました。その際、レストランで見かけたのが生ビールのワゴン販売。ちょうど新幹線の車内販売のようにお客様の席まで出向いて注文を取りつけていたのです。ウインタースポーツ人口が激減し、多くのゲレンデが経営不振に陥っていると伝えられていますが、ビールが飲みたければ長蛇の列の最後尾に並ぶしかなかった売り手市場のバブル期とは随分と様相が変わったものです。
 ワゴン販売によって再購入を促せる機会が飛躍的に増大したことは想像に難くありません。空のジョッキで会話が弾んでいる席や、一度「おかわり」があった席には頃合いを見計らってもう一度ワゴンを回せば追加注文が期待できそうです。一方、疲れた様子のお客様の席にはワゴンを回すのを控えるといった効率化の手段は簡単に思いつきます。かつての「飲みたければ最後尾へ...」とは、大きく異なるプッシュ型のアプローチといえるでしょう。

 デジタル技術の急速な高まりから、インターネットの世界でも顧客ひとり一人の行動履歴に応じたコミュニケーションが実現しているのはご存じの通り。「この商品を買った人は、こんな商品も買っています」、「あなたは以前この商品をチェックしました」といったプッシュ型のアプローチは日常茶飯事です。某巨大ECサイトでは、こうした取り組みによる売上が全体の数十パーセントを占めるまでなっているといいます。
 そんな、Eコマース全盛の現代ですが、今から遡ること約20年前。レスター・ワンダーマン ※1 は自身の自伝『Being Direct』 ※2 でこう述べています。
 
 「従来の広告は、広告主から消費者へと向かって流れており、決して逆流しなかった。(中略)ポスト現代においては、その多くが逆転するだろう」

 行動履歴に応じた広告配信はインターネットが普及した現代では当たり前ともいえますが、この著書が書き下ろされた当時、日本のインターネット個人普及率は10%にも満たない状況であり、こうした時代の訪れは想像しにくかったことかもしれません。
 IT化によって、人々の価値観や態度変容のあり方は大きく様変わりしています。一方で、人がモノを買うという決断に至る際には、例えば、お気に入りの女性から微笑みかけられるような「ときめき」が不可欠ということは不変なのかもしれません。
 そう考えてみると、広告における「コミュニケーション」はとても古くて新しいテーマです。人と人との接触による甚深なる心の動きを見つめることこそマーケティングの本質なのだと今さらながら思うのです。

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※1 レスター・ワンダーマン
マーケティング手法として世界で初めて「ダイレクトマーケティング」という言葉を提唱。ダイレクトマーケティングエージェンシーである米国ワンダーマン社の創立者。

※2 Being Direct
レスター・ワンダーマン氏が自身の半生を綴った自伝。ウェブマーケティング全盛の時代でも変わることのない顧客の心をつかむマーケティングの本質を解き明かす書として多くの愛読者を持つ。日本では和訳版として『ワンダーマンの「売る広告」』が出版されている。

*記載の社名、製品・サービス名は、各社の登録商標または商標です。

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