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川柳に詠まれた「傘の広告」が教えるマーケティングの話

category
ワンダーマン・ニューズレター
writer
星野 泰子
series
Wunderman's view No.156
date
2016年11月25日
themes
CRM,コミュニケーション戦略,顧客インサイト

 早いもので間もなく師走を迎えます。振り返れば今年は天候が不順で、突然の雨に降られ慌てたという方も少なくなかったのではないでしょうか。
 ブラインドを下ろしたオフィスビルにいると天候の変化に気づかないことがあります。ちょっとそこまで買い物に出たつもりが想定外の雨だった場合、オフィスまで傘を取りに戻るのは案外面倒なものです。そんなとき、弊社が入居しているビルではエントランスで傘を無料で貸し出していて、雨が多かった今年はこのサービスをとても重宝しました。

 読者の皆様の中には、江戸時代にも「傘の無料貸し出し」があったことをご存知の方もいらっしゃるかもしれません。ある呉服店が、顧客はもとより通行人にも屋号のロゴが印刷された番傘を無料で貸し出したことから、突然の雨が降った日には街の至る所でこのロゴが目にされることとなり、その様子は「ごふくやのはんじやうを知ルにわか雨」など、多くの川柳にも謳われたほどでした。
 この呉服店の傘の無料貸し出しサービスは、その広告効果もさることながら「お客様のお役に立ちたい」という企業姿勢を象徴したものとして多くの人に知られることになったのです。

 お客様のお役に立ちたいという思いから生まれたサービスとしてもう1つご紹介したいのが、ダイレクトマーケティングの創始者であるレスター・ワンダーマンの著書『Being Direct』*1に書かれている商品の包装に使用するリボンのメーカーのエピソードです。
 多くのリボンメーカーでは、シーズンごとに新作のリボンのサンプルをデパートに送付していたそうです。デパートには多くのメーカーから大量のリボンが届くことになり、それらの違いをバイヤーが一つひとつ判別できない状態になっていました。そのため、セールスマンがサンプル送付後にバイヤーを訪問したり、手紙や電話で丁寧にフォローしたりといった対応をとったものの、売上には一向に結びつかなかったといいます。
 相談を受けたレスター氏は、このリボンメーカーに、見込客や顧客に会費無料の「リボンクラブ」への入会を呼びかける提案をしました。会員には厳選した売れ筋のリボンのサンプルとともに、色や素材の説明、さらに上手な結び方や丁寧な販売の方法など、さまざまな情報を添えて送ることにしました。つまり、販売目的のサンプル提供から、情報やサービスを通じた付加価値の提供へと主軸を置き換えたのです。こうすることで、バイヤーの関心をしっかりつかむことができるようになり、競合との違いや製品の特徴を明確にアピールすることができるようになったといいます。

 ここに紹介した呉服店とリボンメーカーのエピソードに共通するのは、お客様の立場に思いを巡らせ、形式や慣例にとらわれることなく独自の手段を講じたということ。さらに、その手段が企業のブランディングに大いに貢献したことといえるでしょう。商品を買っていただくためにはお客様との関係性を深めることはマーケティングの重要なテーマですが、そのプロセスを通じて企業のブランディングに良好なインパクトをもたらしたという点は見逃せません。

 レスター氏が提唱する『成功するすべての会社が知っている19のルール』*2にも、お客様との関係性について言及したものがあります。「顧客との関係性の創造」に関するもので「買い手と売り手の関係が良好であればあるほど利益は大きくなる」としています。関係性の創造とは、コミュニケーションを密にすることに留まるものではなく、相手を思いやることを通じてサービスそのものを向上させ、さらにブランド価値を高めることが重要であるという視点は忘れたくないものです。
 クリックひとつで様々な商品を買うことができるネット時代ですが、ダイレクトマーケティングを手掛ける私たち電通ワンダーマンでは、呉服店やリボンメーカーのエピソードが教えてくれた、顧客との関係性構築を通じた企業価値の創造という視点を忘れることなく、これからもクライアント企業様のお役に立ちたいと考えています。


*1 『Being Direct』
日本語版は『ワンダーマンの売る広告』として翔泳社から刊行。「ダイレクトマーケティング」を世界で初めて提唱したレスター・ワンダーマン氏が自身の半生を回顧しながら顧客との関係性を築くマーケティングの本質を解き明かします。
*2 『成功するすべての会社が知っている19のルール』
2005年、弊社の創立20周年を記念して、レスター・ワンダーマン氏が新たに20番目のルール「会社は聞くべきだ」を追加。弊社においては『成功するすべての会社が知っている20のルール』として、レスター・ワンダーマン氏の理念を継承しています。
※記載の社名・製品名等は各社の登録商標または商標です。文中ではTM、(R)マーク等は明記していません。

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